【連載】はんつ流ラーメンの楽しみ方(2)
全国から人が集まってくる東京ゆえ、さまざまなご当地ラーメン店も誕生する。なかでも特に評判なのがトンコツだ。
言わずもがな、トンコツラーメンの発祥地は九州、福岡。昭和20年代に久留米の“三九”という屋台でトンコツを煮出しすぎて誕生した、昭和12年にできた屋台“南京千両”が元祖、長崎のちゃんぽんがベースになっているなどの説があるが、全国的に知れ渡ったのは昭和54年にハウス食品の“うまかっちゃん”が発売されたのがきっかけといわれる。東京でも昭和59年に築地に“ふくちゃん”が誕生したのを契機に、一気に有名ラーメンとして認知されるようになった。
そんなトンコツラーメンだが、昨年東京にオープンしたなかで特筆すべきは“麺屋 侍”(立川)。
もともと大分で居酒屋を経営していた樋口基彦さんは、大好きなラーメン作りを研究した末にメニューのひとつとして提供したら大人気。その勢いで立川にある“ラーメンスクエア”のトライアウトという選手権に出場し、優勝。そして4月に店を構えたのだ。コンセプトは九州各地のご当地ラーメンの融合。久留米のように濃厚でいて、博多のように替玉があり、熊本のようにマー油入りも提供する。本場九州から乗り込んできた味は“ダテ”じゃない。
もう1軒、トンコツラーメン関係でぜひとも紹介したい店舗が12月にオープンした。その名は“田中そば店”(六町)。
“田中商店”の田中剛さんが立ち上げた別ブランドだ。“田中商店”といえば、常に継ぎ足して作る濃厚なトンコツスープで連日大盛況の一軒。だが新店舗は「喜多方ラーメン」をモチーフにした透き通る醤油ラーメン。有名トンコツラーメン店で修業を積んで独立した彼がなぜあっさり醤油を選んだかというと実は、彼は青森出身で、小さい頃から喜多方ラーメンのようなあっさり系を食べて育ってきたからだそう。とはいえベースのスープはトンコツ。それを逆に白濁させないように丁寧に炊く。トンコツを知り尽くした男だからこそできる、透き通るなかにうま味の詰まった醤油ラーメンだ。【フードジャーナリスト・はんつ遠藤】
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