ミッキー・ロークが過去を激白(1)
ミッキー・ローク完全復活! 第65回ベネチア映画祭金獅子賞受賞作『レスラー』(6月13日公開)で、悲哀漂う中年プロレスラーに扮したミッキーが、アカデミー賞などの賞レースのダークホースとなったのは記憶に新しいところだ。
1980年代にはセックスシンボルとして名を馳せたミッキーだが、90年代後半からは肉体の崩れや暴力事件などのゴシップネタばかりがとりざたされ、“冬の時代”を送っていた。でも『シン・シティ』(05)で再び脚光を浴び、本作『レスラー』では、堂々“演技派”スターとしての復活を遂げたのだ。そこでミッキーに今の胸中を聞いてみた。
落ちぶれたレスラーのランディが奮起していくという物語は、ミッキー・ローク自身が置かれていた状況と重なるが、彼自身もそれは認めているようだ。「俺はいつも『(主人公の境遇と)似てるかもね』とか答えながら、つい渋い顔になってしまう。でもその反面、役をもらって、ほっとしたんだ。自分がもう落ちぶれて役者として大成しなかったと、ずっと思い知らされてきたから……。でも、静かにさっさと消えるつもりなんて毛頭なかったよ」
昔の自分自身を振り返ってミッキーはこう語る。「エージェントが仕事を探してくれてた時、あるスタジオが『うーん、彼はいい役者だけど、自分でチャンスを全部、台無しにしちゃっただろ?』と言ったらしいんだ。当時俺はまだ若くて、自分の行動がどんな結果を招くかなんて全然わかっていなかった。だから14〜15年前、家も、妻も、金も、キャリアも、自尊心もすべて失ったよ。そして赤ん坊のように泣き叫んだ。『こんなにしたのはこの俺自身だ!』ってね」
そう気付いてから、ミッキーの闘いが始まった。その道のりは、まさに劇中の物語とシンクロする。「当時、俺はひたすら助けてくれる人を捜しまわったが、俺の目には全てのものが“権威”と映った。俺は自分を強く恥じているのに、その問題を隠すために肩をいからせて歩いていたんだ。医者からは『あなたの鎧は強固で、しかもすごい量ですね。もう戦いなんかどこにもないんですよ。現代の世の中で、そのままで生きていくのはとても無理です』と言われたな」
その後、鎧をようやく脱ぎ捨てたミッキー。「せいぜい1年か1年半かそこらで変われると思ったんだけど、10年以上かかったね。5〜6年ボクシングをやり、役者に戻ったけど、8年間ほど仕事がほとんどもらえなかった。それは俺自身の態度が災いしていたと100%認めるよ」※下記の(2)に続く【MovieWalker】
「レスラー」
ミッキー・ロークが落ち目のプロレスラーを哀愁漂わせて熱演するヒューマン・ドラマ。実生活でも栄光と挫折を味わった彼のその人生とオーバーラップするかのような味わいだ。
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