がん治療中のマイケル・ダグラスが記者会見出席で『ウォール・ストリート』全米初登場1位!
今年のカンヌ国際映画祭にも出品されたオリバー・ストーン監督待望の続編『ウォール・ストリート』(日本公開2011年1月28日)が9月24日に全米公開し、初登場1位の座を獲得した。
喉頭がんを患い、放射線治療を受けながら限定的なプロモーションを行っているマイケル・ダグラスが登壇するとあって、20日にニューヨークで行われた記者会見には世界中のメディアが結集。オリバー監督、主演のシャイア・ラブーフ、キャリー・マリガン、ジョシュ・ブローリン、そしてマイケルが、メディアから投げかけられる数々の質問に、時にはユーモアを交えながら真摯な態度で応じた。
メディアの関心は、前作『ウォール街』(87)で演じたカリスマ投資家ゴードン・ゲッコー役で新境地を開き、アカデミー賞主演男優賞に輝いたマイケルに集中。抗がん治療によるのどの痛みで食事がとれないという噂もある中、治療の進捗を聞かれたマイケルは、「順調に進んでいます。家族や、がん患者、そしてがんを克服した人たちから多大なサポートをいただき、本当に感謝しています。まったくこんな大事な時期に(笑)! と思いますが、とにかく映画の成功を願っています」と、スラングを交えながら堂々と対応。療養中という雰囲気はまったく感じさせないどころか、映画の記者会見ががん治療の報告会にならないよう、細やかな気配りものぞかせた。
前作に引き続いて同作の舞台となる世界の金融マーケットの中心地ニューヨークは2008年から前代未聞の景気後退にあえいでおり、すっかり様変わりした。続編が、長い時を経てあまりにタイムリーに製作されたことについてオリバー監督は、「この映画は、金融崩壊を描いた作品ではありません。それならドキュメンタリー映画を作ります。物語の核になるのは、あくまでここにいる4人と、ここにはいない、スーザン・サランドン、フランク・アンジェラが演じる6人のキャラクターが織りなす人間ドラマです。6人が同じ土俵でだましあっている。形は違ってもそれぞれの事情を抱えながら生きているという、生身の人間誰もが直面している問題だと思っています」と、あくまでヒューマンドラマであることを力説した。
その一方で、父親がウォール街勤務だったオリバー監督にとってウォール街は身近なものであり、「銀行の定義も変わり、銀行にお金を預けても金利はわずか。アメリカの人々は今や銀行を信じられなくなったし、特に若い人がお金を増やすのが大変な時代になってしまった」と、具体的な例を挙げて説明。実際には、作品や役柄にリアリティを出すために、監督もキャストも、かなり熱心に勉強したようだ。
前作で若きブローカーを演じたチャーリー・シーンに代わり、ゲッコーと対峙する若き投資家ジェイコブを演じているシャイアは、今まではマネーゲームの世界とは無縁だったが、数々の試験などにも挑戦するなど、役作りは完璧だったそう。
マイケルが、「ハリウッドではちょっと(悪い)評判のある若い俳優だったので(笑)、最初はちょっと心配だった。でも彼の勉強量や仕事ぶりは賞賛に値するものだった」と褒め称えれば、ジョシュも、「(俳優として食べていかれなかった時)僕はお金が必要で(笑)、デイトレードの仕事をしたことがあるから、ある程度の知識はあった。でもシャイアの吸収力は驚異的だよ。僕たちは億万長者のドナルド・トランプなどにも会って色々話を聞いたんだけれど、シャイアはすっかり金融のプロフェッショナルになってしまった」と大絶賛。シャイアは、「ラッキーにもいろんな情報をくれる人がいて、勉強ついでに投資を始めたんだ。でもリスクの大きいものではないよ」と、今ではすっかりマネーゲームの世界に入り込んでいることを告白した。
続編でありながら、新人シャイアと、『17歳の肖像』(09)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたキャリーの存在と演技力によって新たな作品に生まれ変わった本作。作品の中と同様に、新人とベテラン俳優たちとのコラボが、和やかな中にも程良い緊張感を感じさせる記者会見となった。【NY在住/JUNKO】
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