【ラーメニスト座談会(1)】創作味噌ラーメンの時代だ!

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もはや日本人の“国民食”となったラーメン。東京都内ではことし1月から9月までで、約250軒ものラーメン店が新しくオープンした。工夫を凝らしたニューウェーブラーメンも数多く登場し、08年はラーメン新店の当たり年と言えるだろう。そんな中、いま本当に食べに行くべきラーメン店はどの店なのか? 新店のほとんどに足を運んでいるという“ラーメニスト”3名を緊急招集し、2時間超にわたるラーメン座談会を開催。東京ラーメンの最新ブームから今後の予想、本当にうまい店までを語り尽くしてもらった。

座談会に参加した“ラーメニスト”は以下の3名。

はんつ遠藤氏…取材軒数は通算3000店以上。麺料理に強いフードジャーナリスト。著書に「無化調ラーメンMAP」(幹書房)。

矢守達志氏…10月創刊のラーメン専門フリーペーパー「ラーメンバンク」の取材・執筆。11月実施予定「ラーメン検定」の問題制作を担当する。

跡部泰正氏…明星食品勤務。カップ麺の企画を手がけるプランナーで、年間約600杯を食べ歩く。

【ラーメントレンド(1)〜味噌ラーメンの進化】

矢守「真っ先に感じるのは、味噌ラーメンの専門店が増えたことでしょう」

遠藤「それも、昔っぽい味噌じゃないんですよね。言わば、創作味噌」

矢守「いま話に出た“昔っぽい”というのは、いわゆる札幌味噌ラーメンのこと。それとは一線を画した個性的な味噌ラーメンが増えました。二郎系やトンコツ魚介などインパクト重視の流行が来るところまで来てしまった感がある。既存の二つとは違う濃厚さが出せるということで、味噌が見直されているのではないかと思います。『麺処 くるり』(東京都新宿区)とか、『新潟濃厚味噌 弥彦』(同渋谷区)とかが濃厚感があって、うまい味噌ラーメンの代表店。でも、一口に味噌といっても多様性がある。たとえば『江戸甘』(同中野区)のようなコクが深いものもあれば、9月オープンの『味噌麺処 花道』(同中野区)は味噌ラーメンだけで3種類もあって、それぞれがおいしかった」

跡部「でも暑くなかったですか? あの店」

矢守「開店初日に食べたんですけど、暑かったですね。元俳優のイケメン店主がいる『CONCEPT』(東京都板橋区)も暑いしね」

遠藤「ことしは暑い店が多いよね(笑)。それぞれ味はいいんだけど、お客さんのこと考えると空調にも気を遣ってほしいね」

【ラーメントレンド(2)〜まぜそばの躍進】

跡部「汁がなくて混ぜて食べる、まぜそばが増えたことも見逃せません。毎夏、倍々ゲームのように増えています。まぜそばがメインメニューの店もあれば、既存の店も出し始めたり。夏のラーメンの選択肢って昔は“冷やし中華”しかなくて、それが“つけ麺&冷やし中華”になった歴史があるんですよね。作り手の側からしても、まぜそばは比較的作りやすいそうです。スープ炊かなくってもよかったり、具材で印象がガラリと変えられるので、バラエティ感も出しやすい。また、新しいジャンルなんで、チーズや魚粉を入れたりしても、お客さんに受け入れやすい面もあります。実は、まぜそばのカップ麺も結構売れたんですよ」

矢守「人気上昇の背景としては、麺がおいしくなったからというのもありますね」

遠藤「『狢』(同世田谷区)のまぜそばは、見た目もキレイでした。ほうれん草やチャーシュー、魚粉が乗ってて、それぞれで楽しんだ後、混ぜて楽しめる。名店として名高い『らーめん天神下 大喜』(同文京区)もいよいよ出しましたしね」

跡部「新店『ラハメン ヤマン』(同練馬区)は、ジャンク系のまぜそばでおいしかった」

遠藤「『中華そば 椿』(同足立区)もイケる」

跡部「『椿』のは、昔からある“油そば”の進化系でなくて、強い個性を感じる一杯です」

【ラーメントレンド(3)〜あっさり系の復権】

遠藤「昨年までの“濃厚ギトギト系”から一変して、ことしの新店はあっさりしたラーメンを出す店が多い印象もあります。野菜たっぷりの『中華そば へいぼん』(同中野区)もそうだし、『らーめん蓮華』(同世田谷区)もあっさり系。『Morris』(同板橋区)は、トンコツ醤油の魚粉が入るタイプで一見ガッツリ系なんだけど、味の組み立てが実に繊細」

矢守「Morrisは僕もオススメ」

遠藤「あと、あっさり系の流れとしては『ラーメンゼロ』(同目黒区)抜きでは語れません。化学調味料が入っていないどころではなく、味噌や醤油などの調味料をいっさい使っていなくておいしいんですよ。斬新さという面で、これを超えるものはないのではと思うくらいの衝撃を受けました。ダシをいっぱい使って味を作っているので、原価をかけないとおいしくできないんですよ。さすが『せたが屋』(同世田谷区)グループですね」

跡部「味を安定させるのも難しいでしょうが、画期的という言葉がぴったりの、ことしを象徴する新店です」【構成・東京ウォーカー/片岡研】

※ラーメニスト座談会(2)に続く。 

この記事は「東京ウォーカー」08年22号(10/14発売号)の「ラーメン特集」より加筆したものです

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