いよいよ来週公開! 映画「サクラダリセット」現場リポート!

「サクラダリセット」に出演する恒松祐里、黒島結菜、野村周平、玉城ティナ(写真左から)
  • 「サクラダリセット」に出演する恒松祐里、黒島結菜、野村周平、玉城ティナ(写真左から)

熱狂的な読者が多い河野裕のライトノベル「サクラダリセット」シリーズが映画化される。全7巻からなる物語を、前篇、後篇の二部作で実写化するという新鮮なプロジェクト。キャストには今後の日本映画を背負うネクスト・ジェネレーションがそろっている。

物語の舞台は、能力者が半数ほどいるという不思議な町、咲良田(サクラダ)。ここで、見たもの聞いたものすべての体験を憶えているという、驚異的な記憶保持能力を持つ主人公、浅井ケイと、世界を最大3日分、元に戻す<リセット>能力を持つ春埼美空のふたりを中心とした高校生たちが、町の未来をめぐって大人たちに立ち向かっていく。

設定こそSF風だが、撮影現場をのぞくと、そこでは、10代の若者誰もが体現する青春が繰り広げられていた。高校生たちは全員能力者だが、これは、どうにもならないことに向き合おうとするティーンエイジャーの物語でもあるのだ。

主演の野村周平は「今回はセリフ量が尋常じゃないです。しかも難しい言葉が多い。僕自身、何度、ケイのように記憶保持ができればいいなと思ったことか!」と言うが、現場ではその座長ぶりが際立つ。キャストやスタッフとぎりぎりまで和やかにおしゃべりしていたかと思うと、本番では別人のたたずまいで、クールでブレのないケイを体現。その変身ぶりには驚かされる。春埼役の黒島結菜は「春埼はあまりしゃべらない役柄だけど、内面の揺れがある。それをどう表現していいのか、難しくて。監督とも話しながら、ひとつひとつ大事に演じています」と話す。無言の表情が多く、微妙な視線ひとつでキャラクターの機微を伝える難役を丁寧に丁寧に自分のものにしていく姿にグッとくる。

モノを消す能力を持つ村瀬陽香に扮した玉城ティナと、相手の記憶を操作できる岡絵里を演じる恒松祐里は、それぞれ外見の変貌ぶりがスゴい。モデルとして同性人気も高い玉城がメガネをかけ、自信のイメージとはかけ離れたファッションに身を包んでいる。一方、純朴なイメージのある恒松はロングヘアを金髪にし、ロックな革ジャンを着こなしている。村瀬になりきった玉城が最強だと豪語する能力を醸し出せば、奇っ怪な笑い声を発しながら恒松が岡のキャラクターを印象づける。それぞれ「村瀬は能力と強さを履き違えて、能力だけしか信じられなくなっている」(玉城)「この能力こそが岡絵里の弱さ」(恒松)と役への理解も深い。

映画はロケが中心だが、とりわけ印象的だったのは、四日市市にある某女子校で、校内のシーンを撮っていたこと。通常、学園ものは廃校を飾りつけて撮影することが多いが、本作は実際に生徒が通っている「営業中」の学校をお借りしている。主に日曜が中心だったが、ときには平日の授業中にも撮影は行われた。「生きている」学校の臨場感が、旬の役者たちの芝居をさらに輝かせていた。

前篇、後篇を同時進行で撮影。そのため、一日の撮影スケジュールの中で、前篇、後篇が混在することも。それだけにキャスト陣は脳内整理が大変だったが、『神様のカルテ』シリーズなどで知られる俊英、深川栄洋監督はその都度細やかに演出。監督に導かれるように、野村を始めとする面々は、新境地を開拓していた。「原作を読んだとき、自分自身の集中力が高まる感覚がありました。僕たちの中にあるフレームや境界線が崩れ、新しい体験ができる新しい映画を目指しています」と監督は語る。

青春期特有の切なさと、驚きの展開。この2つが融合する「新しい映画」の誕生が待ち遠しい。

【取材・文=相田冬二】

映画「サクラダリセット」
【前篇】3月25日(土)公開
【後篇】5月13日(土)公開
二部作連続にて全国ロードショー

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