【試写室】「古舘伊知郎ショー」やはり古舘の独壇場でSHOW

古舘伊知郎が大物ゲスト陣を相手に喋りっ放し!
  • 古舘伊知郎が大物ゲスト陣を相手に喋りっ放し!

よくお喋りな人に対し、「全く。おまえは口から生まれたような人だな」と注意することがあると思うが、普段から無口のシャイボーイを演じる…いや、自認する私にとっては、うらやましい部分も。ちょっとだけでいいからそのトークの引き出しを分けてほしい。

そんな切なる願いがさらに強まったのは、日本を代表する口から生まれたようなMC・古舘伊知郎のトークを約2時間たっぷりと見たからこそ。

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。

今回は3月18日(土)夜8時58分から放送の、古舘がホストを務める特番「平成28年度の主役が大集結!古舘伊知郎ショー~THE・マッチメイカー~」(テレビ朝日系)を取り上げる。

同番組は、誰もが知る業界きってのトークの天才・古舘が、各界で話題のゲスト同士によるトークをマッチメークするバラエティー。

インタビューでもその才を発揮する古舘が、今回は「あの人とこの人を掛け合わせたら、より面白い話が聞ける」と思う2人を、今年度さまざまな分野で活躍した人物の中から選び、トークというリングでそれぞれとたっぷりと語り合うというものだ。

気になるそれぞれのトーク相手は、小池百合子東京都知事と市川海老蔵、天海祐希と広瀬すず、内村航平選手と伊調馨選手、大谷翔平選手と萩野公介選手、そして、古舘が桂歌丸と古坂大魔王にそれぞれ話を聞く。

まず、思ったのはスタジオといい演出といい、アメリカのエンターテインメントショーみたいだということ。もちろん、日本から一歩も出たことがない筆者としてはアメリカのテレビ番組など見たことはないが、それを差し置いても(いいのか?)、すぐに思うTHE TV SHOW!な印象。それは期せずしてそれっぽい衣装をしているピコ太郎も含め…。

最初のマッチは、まさかのピコ太郎ファッション(?)で登場の小池百合子都知事と歌舞伎俳優・市川海老蔵だ。

途中、ポップ過ぎるスタジオには似つかわしくないほどピリッとした空気を醸し出したり、終始小池都知事の目が笑っていないように見えたりしたが、それはそれでリアルなトークショー感が出ていて、とても好感が持てた。「台本なし、打ち合わせなし、カンペなし」というのもうなずける。

個人的には、海老蔵が古舘からの“にらみ”強制に困惑して「こういう番組でした?」と苦笑いしているのに、古舘がさらにまくしたてる姿がツボ。何とかして見ようとしてめくるめくトークを繰り広げる姿を見て、やはり“マシンガントーク”というのは彼の代名詞なのだなと痛感した。

また、ラストのパフォーマンスを見た海老蔵の視点にはびっくり。真のエンターテインメントとは何たるか、もっと自分たちの記事にニラミを聞かせないといかんぜよ!と、身が引き締まる思いだった。

歌丸師匠とのトークパートでは、歌丸師匠が普通に古舘とトークをしているだけなのに、そこは日本を代表する噺家。ヒーリングミュージックのようなトークで、それでいて締めるところは締め、どの世界でも通じるような勉強になることも話す。

それに「桂歌丸引退興行をロングランでやろうかな」、という毒っぽいことを言ってもこれだけチャーミングに聞こえるのは人柄だろう。

師匠のトークについて長々と語るのはおこがましいので控えるが、「食べれる」という“ら抜き言葉”を使う人間が多いというくだり、完全に同意。本当に言葉のプロフェッショナルでなければならないのに、平気でら抜き言葉や“さ付き表現”を使用している記者を見ると、廊下に連れ出して壁ドンしたくなる。

相手は女性に限るけど、大抵女性たちの方が背が高いから反省猿になるのは内緒だぞ。

とにかく何が言いたいかというと、このブロックでは、落語を見に行ったかような説得力と満腹感が味わえるので、一度でいいから見てほしい、古舘が感服するところ。

そして、天海祐希と広瀬すずのブロック。あまりバラエティー番組では見ない広瀬だけに、観客席から「かわいー」と迎えられたときのぎこちないリアクションもういういしく、フレッシュそのもの。まさに眼福…あ、つい本音が。

さておき、そのお相手は、シルエットからして存在感が抜群の(いい意味で)天海。登場するなり「恥ずかしいですね!」って、笑顔全開で恐縮する姿はこちらも広瀬に負けず劣らずキュートだ。

古舘に褒められるたびにうつむき加減の広瀬。古舘の「広瀬さんの顔が小さ過ぎてどこに照準を合わせていいのか分からない…」というのは、ちょっと分かる気がする。天海の女優魂についてのトーク、そして詳しくは実際に古舘の口から聞いた方が分かりやすいので割愛するが、“ちょうちょ”のくだりは、思わずなるほどなと思った。

ピコ太郎じゃないが、筆者の伊達眼鏡の奥がうっかり涙ぐんでしまうほど。

また、島津亜矢の歌に入る際にあった古舘の“前口上”が相変わらず完璧。今、この時代にはあまり音楽番組では見られない口上をここまで完璧にやられると、生放送の音楽の殿堂「ミュージックステーション」に前口上担当として古舘に出てほしいなと、ちょっとだけ思ってしまった。進行役で元MステサブMCの竹内由恵アナが出ていたからそう思ったのかも。

もちろん既報通り、島津の類まれなる歌唱力を生かした歌を受けての天海の号泣も見ものだ。

ピコ太郎のプロデューサーである古坂大魔王とのスペシャルトークでは、古舘の大ファンだという古坂が古舘に影響されて「気持ち早口なんです」という意外な事実が。確かに、そういえばこれまでバラエティーで見てきた彼のトークは、どこか実況っぽいというか、なぜここまで流ちょうに喋れるのだろうと思ったら、そういうことかと納得。

それに、ピコ太郎の音楽が世界的に大流行した理由についても古舘ならではの持論が展開され、これも古坂じゃないが思わず「確かに」とうならされてしまった。最後に古坂とピコ太郎の出会いについて聞くのも、古舘らしくていい。

その他、スーパーアスリート同士のマッチメークブロックでは、体操界のカリスマ・内村選手とレスリング界のカリスマ・伊調選手。プロ野球界の二刀流スター・大谷選手と、同級生の怪物マルチスイマー・萩野選手という、日本プロスポーツ界屈指の豪華メンバーが登場している。

内村×伊調のマッチメークで驚いたのは、内村も仰天していたが伊調が「5連覇したいという気持ちは今のところない」と言い切ったこと。東京五輪でも当然格好良く金メダルを取ってくれるのだろうと勝手に期待していたが…。

ただ、内村も「五連覇してほしい気持ちはありますけど、(オリンピックで)金メダルを獲得するのは相当な覚悟が必要なので、それを考えると4連覇しているし、言いづらいですよね」と理解を示した通り、当人にしかつらさや楽しさは分からないのだ。

これには古舘も反省していたが、外野が言うのは簡単だけど、当事者にとっては大変なこともあるので、気軽に頑張って!というのも失礼なのだなと学ばされた。個人的には締めの「着ピ」をひねり出した内村の笑みがキュート過ぎて、テレビ画面の向こうに栄光への架け橋がかかっているかのような錯覚が…はい、言いたいだけです。

さらに大谷と萩野ブロック。接点がなさそうに見える2人だが、同じ“華の94年組”であり、プライベートではすごく仲良しなんだそう。

意外にも野球好きだという萩野は、大谷をして「ちょっと、うっとうしい(笑)」というほど根掘り葉掘り野球にまつわることを聞くらしい。

でも、そんな関係性がまたいい。同じ世代でそれぞれのジャンルでは日本を代表する選手でもある2人が、認め合っていて、実はプライベートで仲良くしているなんて、ほほ笑ましいし、全く関係ないこちらまで刺激を受ける。意識高い系の秀才・大谷、自由気ままな天才・萩野、今回のトークだけで受けた勝手な印象だが、そんな感じで対照的だからこそ引かれ合うこともあるのかも。

それにしても、最後の古舘の二刀流&マルチスイマーの使い方が…、面白いけど、実際そんなことを彼らがしたら…B春砲の格好の餌食でしょう。

2人も若干あきれていたようにも見えたが、宮本武蔵を演じる俳優に「二刀流ってどんな感じ?」って聞くくらい、あきれていい発言かも。だけど、嫉妬を覚えざるを得ないそのスピード感あふれる鋭い切り返し。本当に脱帽したし、月並みだが尊敬に値する。

それは、この完パケDVDを見終わるのと同時に手が勝手に動き、「弟子にしてください」という内容の手紙を古舘宛に書き始めるくらいにね。

「平成28年度の主役が大集結!古舘伊知郎ショー~THE・マッチメイカー~」
3月18日(土)夜8:58-11:06
テレビ朝日系で放送

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