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米林宏昌監督の『メアリと魔女の花』は“映像の力”に圧倒されるファンタジー!

MovieWalker 2017年6月22日 17時00分 配信

『借りぐらしのアリエッティ』(10)『思い出のマーニー』(14)を手掛けた米林宏昌監督の最新作『メアリと魔女の花』が、7月8日(土)より全国公開される。米林監督のスタジオジブリ退社後第1作として国内外から熱い視線を集める本作は、一夜だけ魔女になる少女メアリ(声:杉咲花)の冒険に終始引き込まれること必至の作品だが、ここではあえて“映像”について取り上げたい。なぜなら、本作には見る者を圧倒する映像世界が広がっていたからだ。

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これでもかと迫る監督得意のダイナミックな動的表現

米林監督といえば『思い出のマーニー』での繊細な心理描写が思い浮かぶ。だが、宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』(08)では、ポニョの妹たちが魚群となって海上をめざすド迫力シーンの原画を担当するなど動的表現が得意なクリエイターでもある。

そのスキルが本作でも如何なく発揮され、冒頭のシークエンスから思いもよらないアクションの連続。魔女が乗る空飛ぶホウキのコミカルな動きや、随所で飛び出す魔法のエフェクトにも目を見張り、全身を静かな興奮が包み込む。また、あらゆるものが目まぐるしく動くシーンなども圧巻で、一瞬たりとも見逃せない。

メアリの冒険を鮮やかに彩る職人集団の背景美術

本作の予告やシーンカットを見て、ジブリ作品を思い浮かべる人も少なくないだろう。それもそのはず、本作の背景美術を手掛けた“でほぎゃらりー”は、ジブリの意志と技術を継ぐべく設立された作画スタジオ。かつてジブリで活躍したスタッフも多く在籍し、美しい手描きの背景画を生み出している。柔らかな日差しが降り注ぐ町、草木が生い茂る薄暗い森、奇抜な色彩が溢れる魔法世界。丁寧な筆遣いと、繊細な色使いで描かれた背景は、まさに職人の技。

加えて驚くのは、魔法世界への入口となる“雲の上”の風景だ。スクリーンいっぱいにモクモク広がる雲は陽光を浴びてまぶしく輝き、影となる部分には彩度の低い赤、青、黄などさまざまな色が混ざり合う。自然への畏怖さえ感じる迫力に心が震える。

日本にアニメーションが生まれて今年で100周年。高度かつ緻密な技術をもつスタッフの手で生まれた本作は、まさに日本が誇るアニメーション作品と言えるだろう。映画館の大スクリーンで、ぜひ堪能してもらいたい。【文/ほそいちえ】

メアリと魔女の花

7月8日(土) 公開

『思い出のマーニー』の米林宏昌監督ら、スタジオジブリ出身のスタッフによって誕生したスタジオポノックの長編第1作となるアニメーション作品。禁断の魔女の花...

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