シネコンのデジタル上映加速で、単館が危ない?

中小映画館の閉館が目立つ2000年代
  • 中小映画館の閉館が目立つ2000年代

「3D映画元年」と呼ばれる2009年、3D映画は映画業界にとって切り札的存在となっている。ご存じの通り、3D映画は現状“映画館でしか味わえない”からだ。

先週公開された3D映画『アバター』は、今までにない映画体験ができると評判を呼び、12月23〜27日の5日間の興行収入は13億円で1位を記録した。本作に代表される3D映画の公開を受けて、映画館が準備を整えてきた形だ。

日本ではシネマコンプレックス各館が設備投資に力を注いだ結果、デジタル上映ができる映画館は350スクリーンに達した。現在日本には3386のスクリーンがあり(2009年11月末時点)、そのうちシネコンが占める割合は、2723スクリーンで80.4%に上る。2000年時点の1123スクリーン(44.5%)と比べると、およそ2倍に増加している(映連調べ)。

シネコンの急激な伸びに対して、総スクリーン数の伸びは緩やか。「新興シネコンの台頭、中小映画館の衰退」という非常に分かりやすい構図が見える。ざっくり言うと、ワーキャーするメジャー系映画が増え、ミニシアター系やアート系映画が上映される機会が減ることになる。

例えば、タランティーノ監督が絶賛した上、サンダンス映画祭でグランプリを受賞した『フローズン・リバー』(2010年正月公開)は、日本公開が危うくお蔵入りしそうになった。映画館の努力でなんとか公開にこぎつけた。このような良質作品の多くは、スター俳優を起用しない(できない)ため客の入りが良くないと判断される。金にならなそうな映画が日の目を見ない状況は、ひっそりとすでに近づいている。

しかし一方では、単館系ながら上映館数を拡大するケースもある。アカデミー賞を獲得した『スラムドッグ$ミリオネア』(08)のように、露出と上映館次第で良作は観られるようになる。

映画文化を維持・向上させるためには、見せる側・見る側、双方の意識改革が不可欠だ。【Movie Walker】

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