『かいじゅう〜』監督が新作に取り入れた“予測不可能なもの”とは?

40歳には見えない“子供のような”スパイク・ジョーンズ監督
  • 40歳には見えない“子供のような”スパイク・ジョーンズ監督

『マルコヴィッチの穴』(99)、『アダプテーション』(02)に続く7年ぶりの最新作『かいじゅうたちのいるところ』(1月15日公開)を引っ提げ来日したスパイク・ジョーンズ監督が、インタビューに答えて撮影当時を振り返った。

絵本を基にした本作で監督は、難解ともいえる観念的な世界を描いた前2作から一転、技術的にも演出面においても、着ぐるみを使った斬新なアイデアを繰り出して新境地を開いた。だが本人は至って冷静に「作風が変わったって? 僕は映画を作るたびに変わるし、成長もする。これからもね」と肩をすくめる。

「かいじゅうというのは、子供のワイルドな感情そのものなんだ」と語るジョーンズ監督。その感情を引き出すために、かいじゅう役の声優全員がスタジオに集まり、舞台劇のように演じながら台詞を収録したという。「計算されてない、危険をはらんだ予測不可能なものが欲しかったから、即興も取り入れた。そこで瞬発的に生まれたキャラクターや彼らの関係性が、この映画の精神的な土台になったんだ」。

5年に及ぶ撮影期間中には、デヴィッド・フィンチャーの事務所に間借りしていた時期もあったとか。「着ぐるみとアニマトロニクスを使うと言ったら、バカだなぁと言われたよ(笑)。そのとき彼が撮影してた『ベンジャミン・バトン数奇な人生』(08)の映像を見たらCGがすごくて、かいじゅうの顔の表情はCGで作ることにした」と、本作への影響を明かした。

一方、特殊な着ぐるみの構造については説明するのが面倒らしく、「クレーンで動かすシステムを発明したんだ。著作権も取ったよ」とデタラメな絵を描いて記者たちを煙に巻いた。また、質問の合間に「もったいないから食べなよ」とお菓子を持ってくるひと幕も。

まさに予測不可能な子供のような無邪気さと、作品への徹底したこだわり。『かいじゅうたちのいるところ』には、そんなジョーンズ監督の人柄がしっかりと息づいている。【映画ライター/安藤智恵子】

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