“伝説”の30年後に愕然!『ブレードランナー 2049』25分のフッテージから見えてきたヒント

35年振りの『ブレラン』、25分間のフッテージ映像だけで興奮!
  • 35年振りの『ブレラン』、25分間のフッテージ映像だけで興奮!

映画のみならずカルチャー史におけるターニングポイントとして、公開後35 年にわたり影響を与え続ける『ブレードランナー』(82)。その30年後を描く続編となる『ブレードランナー 2049』が10月27日(金)に公開となる。前作の主人公・デッカードをハリソン・フォードが再演し、新たなブレードランナー“K”に『ラ・ラ・ランド』(16)が記憶に新しいライアン・ゴズリングが扮する。

去る9月6日、TOHOシネマズ新宿にて、本作の世界初公開映像を含むマスコミ向けフッテージ上映会が行われた。会場には数十人のセキュリティスタッフが配備され、金属探知機での荷物検査を実施するなど厳戒態勢が敷かれており、いかに本作が高い注目を集めているかを窺わせるものとなっていた。

【写真を見る】雨の降りしきる中、TOHOシネマズ新宿にて極秘の試写が行われた
  • 【写真を見る】雨の降りしきる中、TOHOシネマズ新宿にて極秘の試写が行われた

当日上映されたのは、この日のために見所となるシーンを繋いで編集された約25分間のフッテージ映像。各シーンに描かれた、本作の謎を解き明かすためのヒントとなるであろう部分を簡単に振り返ってみる。

映画のオープニングと思われるシーンでは、前作から30年の時の流れを示唆する描写が続く。酸性雨が降りしきる中に溢れる、ネオンの猥雑な光が未来然とした輝きを放ってた前作の世界観から一転、大都市のビル群は朽ち果てており、砂埃の舞う荒野や、現代より文明が後退した環境が本作の主要な舞台となるようだ。

「前作の延長線上にある世界を目指した」と語るドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が創造したビジュアルはレトロ・フューチャーの匂いに満ちており、ライアン・ゴズリング演じる主人公のブレードランナー・Kが運転するのも、前作でデッカードが乗っていたスピナーではなく、ランボルギーニ風の武骨なデザインの車になっている。

新たな主人公に『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングが扮する
  • 新たな主人公に『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングが扮する

30年後の世界の食糧事情に関しても興味深いシーンがあった。Kが捜査の末見つけ出した違法なレプリカントは、荒れ地の農場で“プロテイン”と呼称する食物を作っている。プロテインは白い芋虫状の姿をしており、この世界では広く栄養源として普及していることがわかる。また、同じシーンでレプリカントからガーリックを勧められたKは、食べたことがないと返していた。

前作での印象的な食事のシーンと言えば、おかしな日本語を話す屋台の店主と、デッカードの交わす「二つで十分ですよ」のやり取りで有名な丼、うどんなどの日本食だ。これらの食事シーンは前作の無国籍な雰囲気の醸成に一役買っていたが、本作で大衆が口にする食物の大半は、道端の自動販売機により簡素な形で提供されており、巨大な寡占企業ウォレス社がその利権を握っている。

LA市警のブレードランナー“K”は、捜査の途上で巨大企業の陰謀を知ってしまう
  • LA市警のブレードランナー“K”は、捜査の途上で巨大企業の陰謀を知ってしまう

では、前作でレプリカントを製造していた、あのタイレル社はどうなったのかというと、何と既に倒産しているのだ。前作(2019年)の3年後である2022年、米西海岸で原因不明の大停電が起こり、電子データのほとんどが破損してしまっている。大停電の後、世論はレプリカント弾圧へと向かい、翌2023年には“レプリカント禁止法”が制定、タイレル社は倒産に追い込まれた。

その負債を買い取ったのが、ウォレス社の代表である科学者ニアンダー・ウォレスで、彼により開発された従順な新型レプリカントの登場により、禁止法は撤廃。レプリカントは本作世界の有力な労働力となっている。

前作との直接的なリンクと言う側面では、事件を調査するKが辿り着いたデータとして、デッカードが、前作のラストで彼と逃亡したヒロイン・レイチェルに対して行った心理テストの音声が、ノイズ交じりの不完全な状態ながら登場する。果たしてレイチェルは生きているのか、期待は高まるばかりだ。

ブラスターを構えるデッカードは、敵か味方か?
  • ブラスターを構えるデッカードは、敵か味方か?

その捜査の途上でウォレス社の陰謀を知ってしまったKが探し当てるのが、鍵を握る男、デッカードなのだ。「手を貸してほしい」と言うK に、懐かしのブラスターを構えるデッカードは敵か味方か分からないミステリアスさを醸し出しており、一筋縄ではいかない展開を予感させる。さらに75 歳とは思えないハリソン・フォードのアクションも必見。ライアン演じるKに負けず劣らずのアクションは、“ブレードランナー”デッカードの健在ぶりが伺え、ファンならずとも感涙もの。

2人のブレードランナーの運命が交差する!
  • 2人のブレードランナーの運命が交差する!

ハン・ソロ、インディ・ジョーンズ博士と並ぶ彼の代名詞であり、自身の人気を確立させたデッカード役を、35年ぶりに見事に再演したハリソン。作品の勢いもそのまま、精力的に新作の準備に取り掛かっている彼が、この度『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(08)以来、9年ぶりの来日を果たすことも決定。一昨年の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)で来日が叶わなかったこともあり、大きな話題を集めることは間違いなさそうだ。

また、本作の前日譚となるアニメ作品「ブレードランナー ブラックアウト2022」を、ハリウッドの制作会社直々のオファーにより「カウボーイビバップ」「アニマトリックス」の渡辺信一郎監督が手掛けていることも先日発表され、9月26日(火)には世界に先駆けて日本でのお披露目が予定されている。

上映が終わり、歌舞伎町の街に出ると、劇中さながらの摩天楼が広がっていた
  • 上映が終わり、歌舞伎町の街に出ると、劇中さながらの摩天楼が広がっていた

来月末の公開まで、ますます盛り上がっていくことが予想される『ブレードランナー2049』。25分間のフッテージ映像は、限界まで高まった我々の期待を上回る、予想外の展開や、前作にリスペクトを捧げながらも現代的に洗練されたビジュアルを見せつけてくれた。“伝説”のその続きを、是非劇場で見届けてほしい。【Movie Walker】

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