是枝裕和監督「映画を観た後、いろんなことを話し合うというのは、僕も大好きな時間」

『三度目の殺人』のティーチインに登壇した是枝裕和監督
  • 『三度目の殺人』のティーチインに登壇した是枝裕和監督

興行収入10億円を突破する大ヒットとなった『三度目の殺人』(公開中)で、是枝裕和監督登壇によるティーチインイベントが、10月2日にTOHOシネマズ新宿で開催。何度も足を運んでいるリピーターからの感想や質問に、是枝監督は「よく気づきましたね」と感心するひと幕もあった。

エキストラとしても参加したという熱心なファンは、当時、『三度目の殺人』というタイトルに“仮”というものがついていたと言う。

正式なタイトルはいつ決めたのか?と尋ねられた是枝監督は「『三度目の殺人』は、一番最初の段階でつけていたタイトルですが、ずっと“仮”がとれなくて、もっといいものがあるんじゃないかと、僕もスタッフも思っていました。でも、『一度目はケダモノが、二度目は人間が殺した 三度目の殺人』というコピーを書いていたので、意外とぶれずに最後まで行きました」と答えた。

また、「観れば観るほど、だんだん真の犯人がわからなくなってきて、もやもやする」というリピーターは、劇中でいくつも十字架というモチーフが登場すると指摘。是枝監督は「意識的にちりばめました」とのことで、「北海道に十字街という街があって、ふたりが乗っていたバスは十字街行きのバスにしたんですが、カットしちゃったんです」という裏話まで登場した。

また、家族の描写について質問が及ぶと「自分の父親と母親の姿を記憶にあるものを膨らませたり、原作からもらってきたり、取材して書いているものもありますし、想像で埋めるものもあります」と説明した後「観察することが好きなので、すごく嫌らしく見てます。ファミレスで隣に座っている家族の断片的な会話から何かを想像して、それをあとで勝手に膨らませるとか、それもいい訓練になります」と語った。

本作は第74回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門へ選出され、公式上映後に6分間のスタンディングオーベーションを浴びた。最後に是枝監督は、「映画を観た後、いろんなことを話し合うというのは、僕も大好きな時間です。そんな時間も楽しんでいただけたらと。そろそろ次の作品に行くタイミングに差し掛かっていますが、もっともっとこの作品が海外にも広がっていくといいなと思っています」と締めくくった。

『三度目の殺人』は『そして父になる』(13)の福山雅治と是枝裕和監督が2度目のタッグを組んだ心理サスペンス。勝ちにこだわる弁護士・重盛(福山雅治)が、二度目の殺人を犯した容疑者・三隅(役所広司)の弁護をしていく。【取材・文/山崎伸子】

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