本屋大賞ノミネート記念! “大泉洋主演”の超異色小説『騙し絵の牙』の魅力とは? 【筒井康隆×塩田武士対談】(1/3)

本屋大賞ノミネートの『騙し絵の牙』著者塩田武士が筒井康隆とSP対談!
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小説のジャンルとスタイルの改革者・筒井康隆氏。そして、出版界を舞台に、実在の俳優・大泉洋を“あてがき”した小説『騙し絵の牙』(KADOKAWA)を昨年8月31日に発表し、話題沸騰中の塩田武士氏。本作の“本屋大賞ノミネート”を記念して、筒井康隆氏×塩田武士氏、奇跡の作家対談をWEBザテレビジョンで再掲載。

筒井康隆「僕ね、大泉君の大ファンなんですよ」

――お二人が初めて会ったのは、山田風太郎賞の選考会だと伺っています。

筒井 私は今、文学賞の選考委員を二つやっているんです。谷崎(潤一郎)賞ではその年の最先端の純文学を候補作として読んで、それから風太郎賞のほうでその年の最高のエンタメの作品を読んでいるんですが、去年の風太郎賞に推挙したのが塩田君の『罪の声』でした。

塩田 山田風太郎賞にノミネートされた時点でまず何が嬉しかったかというと、僕の小説を筒井先生に読んでいただけることだったんです。僕も先生と同じ関西の人間ですし、生まれた時からずっと「筒井康隆」という大きな存在を感じ続けて生きてきたので……。選考会のパーティーでお会いして「読みましたよ」と言ってくださった時は、感動に打ち震えました。さらにまた、新作までお読みいただけているというのはまったく想定外で。

筒井 前作以上の傑作ですよね。面白いし、巧い。(『騙し絵の牙』の表紙を指差して)これに騙されましたね。大泉(洋)君がいつ出てくるんだろう、いつ出てくるんだろうと思っていたら、なかなか出てこない。

塩田 そうですね(笑)。大泉さんを主人公・速水のモデルにしていますが、小説の中に「大泉洋」は出てこないです。ただ、出版界を含む日本のメディア産業の現在を描こうとした作品でもあるので、出てきてもおかしくなかったかもしれません。

筒井 メタフィクションなのかな、と思ったんですよ。大泉君に気を取られていたからね、まさかこういうどんでん返しがあるとは予測していなかった。

塩田 この企画自体は、もともと大泉さんと親しい編集者が持ってきた話なんです。「主人公に大泉洋を“あてがき”した小説を書きませんか?」と。当初から映像化を視野に入れた企画でもあったので、編集者やマネージャーさんの意見を聞いて、「どんな大泉洋が観たいか?」とみんなで話しながら作品を作っていったんです。

筒井 僕ね、大泉君の大ファンなんですよ。彼が出ている「真田丸」(NHK総合ほか)は全部観ました。コマーシャルに出ている時の、コミカルな演技も好きですね。

塩田 実は今回、大泉さんとも何度か打ち合わせをさせてもらったんです。そこではプロット上のアドバイスをいただいたんですね。大泉さんは「万人性」をテーマにされている方なので、多くの人に受け入れやすいものを意識してほしい、と。そこからプロットを立て直したおかげで、よりエンターテインメント性の高い作品を完成させることができたと思っています。

筒井氏と“スタジオジブリ”の意外な関係とは!?(2/3)
書籍タイトル「騙し絵の牙」
著者 塩田武士
写真(モデル)大泉洋
定価 1,600円+税
仕様 四六判 384ページ
発行 KADOKAWA

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