若き映像クリエイターに活!台湾の巨匠監督が伝えたかったこと

台湾映画界の巨匠・蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)と、長年コンビを組んできた俳優・李康生(リー・カンション)
  • 台湾映画界の巨匠・蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)と、長年コンビを組んできた俳優・李康生(リー・カンション)

ヴェネチア国際映画祭にベルリン国際映画祭、そしてカンヌ国際映画祭という世界三大映画祭で受賞経験のある、台湾映画界の巨匠・蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)。“映画の新しい才能の発見と育成”を掲げる「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」では、若い映像クリエイターに向けて、蔡明亮監督を招いてのワークショップが開催された。

世界的に見ても、決して映画産業が盛り上がっているとは言い難い台湾映画界。そんな環境にいながらも商業主義に走らず、自身のスタイルを貫く蔡明亮監督に、若手クリエイターたちは次々と質問を飛ばした。その一つ一つの質問に丁寧に答える蔡明亮監督。「新作の企画の通し方」について聞かれた際は、「出資者に“良い作品”だと思ってもらうことはもちろん、何よりもまず、作品に個性を持たせることが重要です。その積み重ねによって、自分の作風を気に入ってくれる人が現れ、次のステップへと進むことができるようになります」と、自身の経験を踏まえて返答した。

さらに「与えられた予算の中で、いかに良い作品に仕上がるか考え抜くことが大切です。資金を求め出せばキリがないですから。極端な話、100円なら100円で、10円なら10円でできる最大限のクオリティーで、作品を生み出していくスタンスが大事なんです」と、映画制作に対する姿勢についても、熱い思いを語った。

また監督は、世界的に名が知られるようになった現在も、新作の公開の際にはチケットの手売りや映画学校に出向いての講演、映写機とプリントを持っての巡回興行などを欠かさず行っているという。講義の終盤には「どんなに場数を踏んでも、“自分は何を撮りたいのか”という意識は常に持ち続けること。そして、最初から大勢の人に認められることを望んだりせず、まずは周りにいる人たちに共感してもらえる作品を作るよう心掛けてください」という、いつまでも初心を忘れない蔡明亮監督らしいコメントも飛び出し、ワークショップは大盛況のうちに幕を閉じた。

台湾の巨匠監督からのメッセージは、日本の若手クリエイターたちに大きな刺激と勇気を与えたようだ。ここから日本を代表する“未来の巨匠監督”が生まれる日も近いかもしれない。【トライワークス】

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