横浜でもっとも古いとされる根岸のピザ店が18年3月末、48年の歴史に幕を閉じる

【写真を見る】レトロな外観が目印
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また昭和の面影が横浜からひとつ消えてゆく。

1970(昭和45)年創業、本格的ピザハウスとしては横浜でもっとも古いとされる根岸の「横浜ピザハウス」が18年3月31日(土)、48年の店の歴史に幕を閉じることになった。ご主人の森清信さんと奥様の知子さんで店を切り盛りし、すっかり根岸の街に溶け込んだ外装も看板もとてもホッとするデザイン。内装も創業当時と変わらないが、手入れの行き届いたこじんまりとした店内はとても落ち着けるものだ。35歳の時に脱サラしてこの店を開いた清信さん。当初はスナックのような業態で、コーヒーやスパゲティなどを出す店だった。

日本人に合うピザを作るために試行錯誤の日々

オーダーを受けてから一つずつ生地を伸ばしてゆく
  • オーダーを受けてから一つずつ生地を伸ばしてゆく

「開店してしばらくしたらコックさんが来なくなっちゃって(笑)。知人の紹介で横田ベースのコックさんをやっていた人に習って、自分で料理を作る事になった」(清信さん)

そこから試行錯誤が始まる。

「ピザはちょっと日本人の口には合わなかった(笑)。そこからいろいろ焼いては食べ焼いては食べの繰り返し。スイスやオランダ、ノルウエーとかからもチーズを取り寄せて。ブレンドの仕方もいろいろやってみた」(清信さん)

「主人はすごく努力家だと思います。経験のないところから、本当に頑張っていたので」(知子さん)

「磯子の逸品」にも選ばれたピザ22番。アツアツのうちに
  • 「磯子の逸品」にも選ばれたピザ22番。アツアツのうちに

そしてたどり着いたのが今の「横浜ピザハウス」のピザだ。Sサイズ20センチのピザは、粉を付けて綿棒で伸ばすタイプではなく、オーダーを受けてから、ひとつずつ手で鉄板に生地を敷き詰めて作ってゆく。

「ピザ生地を作り置きしてしていたらやっぱりおいしくないから」(清信さん)

そしてゴーダ、モッツァレラなど4種を独自にブレンドしたこの店オリジナルのチーズと、トッピングを乗せる。またスパイスが香るなめらかなピザソースも味のポイントだ。厨房の年季の入ったオーブンでじっくり2分焼き上げる。鉄皿に乗ったピザはずっとアツアツ。そして生地が何ともいえずクリスピー過ぎずモチモチ過ぎず「いい食感」なのだ。

トッピングのバリエーションも豊富でピザは全22種(1,100円〜)。一番人気のピザ22番はチーズの下にはサラミ、ハンバーグ、オニオン、ピーマン、マッシュルーム。「磯子の逸品」にも認定されている。

このピザを求めて多くの客が通う。多いときはクリスマスの時期で1日で100枚以上焼いた事もあるという。店の外観がデザインされたシールの貼られたテイクアウト用のボックスも何ともかわいい。

チーズのブレンドには多くの試行錯誤があったという
  • チーズのブレンドには多くの試行錯誤があったという
お持ち帰り用のボックス。イラストシールがかわいい
  • お持ち帰り用のボックス。イラストシールがかわいい
名物のハンバーグはジューシーな味わい
  • 名物のハンバーグはジューシーな味わい

そしてこの店でぜひ食べたいのは数あるサイドメニューの中でも人気のハンバーグ(1,030円)。パン粉から手作りし、ソースは完成までに3日かかるというハンバーグ。肉汁がしたたり落ちる、専門店にも遜色ない味わいだ。もちろんそのほかにも、ポークロースグリルのバルサミコソース 山形庄内三元豚(925円)、ラザニア(825円)、ナポリタン(825円)、各種ピラフ(825円)といった惹かれるメニューもそろっている。

今では親子3代で通うお客さんも。閉店を決意したキッカケはあったのだろうか?

「2月の終わりに決めました。84歳になるし、元気なうちにね、やめたいと思って」(清信さん)

「閉店を知って、懐かしい方もたくさん訪ねてくださって。本当にそれが嬉しいですね」(知子さん)

取材にうかがった日も昔から通う馴染み客を中心に店内は満席。さらにテイクアウト用のピザのオーダーも数多く入っていた。2018年3月31日(土)22:00「横浜ピザハウス」の看板が消える。ただ、思い出の味はこれまでこの店を訪れたすべての人の心にずっと残っていくはずだ。

ご主人からお借りしたかなり以前の厨房での写真。このころから変わらずピザを作り続けてきた
  • ご主人からお借りしたかなり以前の厨房での写真。このころから変わらずピザを作り続けてきた
22種類のピザがずらり並んだ趣きのあるメニュー。Sサイズ20cm、Lサイズ25cm
  • 22種類のピザがずらり並んだ趣きのあるメニュー。Sサイズ20cm、Lサイズ25cm
看板もシンプルでいながら味わいのあるもの
  • 看板もシンプルでいながら味わいのあるもの
■横浜ピザハウス
住所:神奈川県横浜市磯子区西町3-26
電話:045-751-9498
時間:17:00〜22:00(LO)
休み:水曜(祝日の場合翌日)
席数:20席※禁煙
駐車場:1台(無料)
アクセス:JR線京浜東北線根岸駅より徒歩3分
※営業は18年3月31日(土)まで

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