『のだめ』仕掛け人が語る「大ヒット映画の作り方」とは?

「オレ様」キャラの千秋と“コタツ”のミスマッチ感が重要!?
  • 「オレ様」キャラの千秋と“コタツ”のミスマッチ感が重要!?

5月20日、デジタルハリウッド大学(東京・千代田区)にて、映画『のだめカンタービレ最終楽章』前編・後編の総監督・武内英樹氏とプロデューサー・若松央樹氏が、「大ヒット映画の作り方」をテーマに公開講座を開催。そこでは“ヒット映画の5つの条件”が披露されたのだが、その内容とは!?

■【その1】キャラクターが面白いこと!

この映画の一番の魅力は“キャラクター”です。「ゴミ溜めに住んでる女」というのは、主人公として今までにいないタイプ(若松氏)。他にも「コントラバスを持ってる女の悲哀」とか、そういう面白さが、この映画のキャラクターにはありますね。例えば、映画『猟奇的な彼女』の主人公のキャラは、「ゲロを吐く女」をかわいく見せたという意味で発明品と言えますよね(武内氏)。

■【その2】題材が良いこと!

クラシックという題材が良かった。原作は、累計出荷3200万部を突破した二ノ宮知子氏の同名マンガで、日本中にクラシック旋風を巻き起こした人気作品。ドラマや映画の方でも、裏テーマとして「クラシックを広げる」というものがあり、音楽をちゃんと伝える作品になるよう一貫した気持ちで取り組んでいました。クライマックスでは、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団という一流のオーケストラから音源を取ったり、8〜10か国でコンサートホールを探したりと、題材に合わせたレベルで製作しています(武内氏)。

■【その3】ギャグが面白いこと!

ドラマ化の企画が持ち上がった当初、『のだめカンタービレ』のなにが面白いのか理解できていなかったので、原作を面白いと思う音大生に集まってもらって、“笑いのツボ”をリサーチしたんです。原作のキャラはみんなすぐ白眼をむくし、「ぎゃぼ」というセリフをどう言わせたら良いか分からなかったんです。“笑いのツボ”のディテールを聞き出すことで、面白さが分かりました。最初は、音大にあんな“変態”ばかりいるワケないと思っていたので、探究心から始まりましたね。

また、主人公「千秋」が暴力をふるうシーンでは人形を使って演出したり、飛行機シーンではチープな映像を使ったり、この作品は“B級”ですよ、という信号を出しました。自分にとって、“笑いのツボ”が見えたのはコタツのシーンです。「オレ様」キャラの千秋とコタツのミスマッチ感が良かったですね(武内氏)。一流のCGアーティストに「変態の森」のシーンを作ってもらったんですけど、そこでもB級っぽくなるようにお願いしました。デフォルメした世界観は、某アニメ会社から学ぶこともありましたね(若松氏)。

■【その4】ブレないこと!

この作品では、「キャラクターが面白いこと」「ギャグが面白いこと」「クラシックの良さ」の3本柱を崩さないでやろうと思っていました。“B級”というのもこだわり。“ブレないこと”が重要です(武内氏)。

■【その5】メッセージを意識!

この作品はギャグの要素が多いですが、「1つのことを一生懸命やるのがカッコいいんだよ」というメッセージも意識して演出しています(武内氏)。キャラクターたちがガムシャラに“夢”を追う姿に共感したファンも多いのでは?

映画『のだめカンタービレ最終楽章』前編は、約330万人を動員し、興行収入は40億円を突破した大ヒット作品。後編も絶賛上映中だ。そんな中、武内総監督とプロデュースを担当した若松氏によって行われた「大ヒット映画の作り方」の同講義。最後に「2人が考える“良い作品”とは?」の質問に、武内氏は「夢が広がる作品」、若松氏は「あまり制限せずに、好きなものは好き、とこだわりを持って作った作品」と答えた。このアドバイス、映画作りだけではなく、さまざまな“もの作り”の参考にしてみてはいかが? 【東京ウォーカー】

※総監督:竹内英樹氏
1990年入社。河毛俊作、永山耕三等の下で演出補を数年間担当。1996年、『みにくいアヒルの子』で初演出。以後、「電車男」「ホームレス中学生」数多くのテレビドラマの演出を手掛ける。またドラマ版「のだめカンタービレ」では、世界のドラマの祭典ソウルドラマアワード2007において、日本人初の最優秀監督賞をはじめ最優秀音楽監督賞、最優秀作品賞を受賞。
※プロデューサー:若松央樹氏
2005年に話題となった「電車男」のプロデュースを担当。つづいて「のだめカンタービレ」・「風のガーデン」等ヒット作を飛ばしている。

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