花火写真家が伝授!「スマホで花火撮影」の極意とは?

花火写真家・金武武さんに学ぶ撮影術でスマホ写真が見違える出来映えに

菊花火の開花に合わせてスマホで撮影
  • 菊花火の開花に合わせてスマホで撮影

花火大会の会場では、多くの人々が夜空を彩る美しい花火を写真に残そうとスマホでの撮影を試みるも、これがなかなか難しいもの。きらびやかに花開く瞬間をとらえたつもりが、かすかな残り火のような光の点だけが写った寂しい画像になったり、ピンボケや露出オーバーだったり…。

せっかくの楽しい花火大会が残念な写真でガッカリな思い出になってしまわないよう、写真のプロ・花火写真家の金武武さんがスマホ撮影のコツを伝授!

まずは必須アイテムを準備しよう

花火のスマホ撮影において一番の問題となるのは、やはり手ブレ。スマホを持つ手の揺れとシャッターを切るための画面タッチ、もしくはシャッターボタンの機能を兼ねた側面のボリュームボタンを押すときの振動が、手ブレを起こしてしまう。

ブレを防ぐには撮影アイテムの使用が何より効果的なので、花火大会に備えてリモコンシャッターとスマホ用の三脚の2つは、ぜひ装備したいところだ。どちらも100円ショップでも販売しているので、手軽に入手できる。

Bluetoothで遠隔操作できるスマホ用カメラリモコンが人気だが、ボリュームボタンがシャッター機能を兼ねているスマホであれば、ボリューム調整可能なイヤホンのキーをシャッターボタンとして使うのも、本体に触れずにシャッターを切るために有効な手段だ。

【写真を見る】金武さんはスマホをホルダーに装着して小型三脚で固定。イヤホンのボリュームスイッチがシャッターボタンになるものも
  • 【写真を見る】金武さんはスマホをホルダーに装着して小型三脚で固定。イヤホンのボリュームスイッチがシャッターボタンになるものも

花火観賞のスポットが三脚を設置するスペースのない場所であれば、三脚のアシの部分がクネクネと曲がる素材で出来ていて、手すりや柱などに巻き付けることができる商品もある。どうしても三脚の使用が無理なときは、壁や窓など動かないものにスマホを押し付けたり立てかけたりして固定するとブレが軽減する。

固定するものもなく手持ちの場合はしっかり脇をしめて両手で持ち(座っているなら体育座りで膝の上に肘をついて)、同伴者がリモコンでシャッターを切るのもよいでしょう。スマホを両手で持つ人とシャッターを切る人、と分業して撮った写真を後で共有するのも楽しい。

(左)良い例:両手持ちで脇を締める(中)悪い例:手を伸ばしているので不安定に(右)座って撮影する時は膝の上に肘を置いてスマホを持つと、さらに安定してブレにくい
  • (左)良い例:両手持ちで脇を締める(中)悪い例:手を伸ばしているので不安定に(右)座って撮影する時は膝の上に肘を置いてスマホを持つと、さらに安定してブレにくい

シチュエーションに最適の設定で準備万端!

花火撮影に適したスマホのカメラ設定や機能を事前に把握して準備を済ませておけば、当日に貴重なシャッターチャンスを逃すリスクを減らせる。「花火モード」や「夜景モード」を設定できる機種もあるので、自分のスマホの機能を改めて確認し直してみよう。

①「自動ロック」を解除…スマホは基本設定では一定の時間が経つとスタンバイ状態になる。しかし、いざ打ち上げられた花火を撮ろうとした瞬間にスタンバイ状態ではタイミングを逸してしまうことに。花火の打ち上げが始まる前に「自動ロック」の時間設定を変えておこう。

②撮影機能の設定あれこれ…細かい設定は機種によってできたりできなかったりだが、複数の画像を重ねて調整を行う「HDRモード」は動きのある花火撮影には不向きなのでオフに。暗くてもフラッシュはオフに。焦点を合わせたい場所を画面上で長押しするだけでフォーカスと露出を固定する「AE/AFロック」機能がある機種なら有効に。

撮りたい花火の前に打ち上がった花火に合わせてAE(自動露出)とAF(オートフォーカス)をロックしておけば、ピントあわせがラクになる。

マニュアル撮影の設定ができる機種なら、ISO感度が高いと露出オーバーになりますし画質がざらついた感じになるので、100もしくは低い値に設定を。iPhone純正のカメラアプリは基本的にフルオートなので、ISO感度やシャッタースピードなど細かい調整で思い通りの設定を楽しみたいならマニュアル撮影が可能なカメラアプリを使ってみよう。

iPhoneのAE/AFロック機能
  • iPhoneのAE/AFロック機能

当日の会場でチェックしたい撮影環境の注意点

会場に到着したら、どこで花火を見るかが観賞の重要ポイントになるが、そこで撮影にとっての向き・不向きも考えることを忘れずに。

ほとんどの場合、数十分以上の撮影チャンスがある花火大会だが、はじめのうちはある程度試し撮りの時間になる。さらに終盤の盛り上がりにあわせて派手な花火で締めくくりとなるプログラムがほとんどなので、最後の方で華やかな写真を撮ろうという心持ちはごく自然なこと。

しかし、後半になればなるほど煙が立ち込めて花火がきれいに写らなかった、という経験をした人も多いのでは。意外と撮影チャンスと呼べる時間は長くない。会場で場所を決める際には風上か風下か、風向きをよく調べておこう。

かつ、当日の風向きの変化などによって移動することも可能な場所であればなお安心だ。花火と一緒に写り込んで良い画になる建造物と、邪魔になってしまう建造物との見極めも重要。電線や街灯なども花火の手前にあると残念な写真になるので気を付けて欲しい。

スマホでも撮影がうまくいきやすい花火とは?

撮りやすい花火と撮りにくい花火について知っておけば、撮影の成功率もアップする。

まず、花火の種類でいえばオススメは「冠菊」。火の筋が夜空に残る時間が長いタイプの花火なので、スマホ撮影には最も向いている花火。さらに打ち上げ方法でいえば、一つの玉を打ち上げてから間隔を空けて次の玉を打ち上げる「単打ち」よりも、短時間で大量の玉を連続的に打ち上げる“速射連発”の「スターマイン」の方がシャッターチャンスは広がる。

(左)ピンボケ、露出オーバーになった失敗例(右)冠菊花火のスターマインをスマホで撮った成功例。両手でスマホを持ち脇を締めてブレないようにして撮影した
  • (左)ピンボケ、露出オーバーになった失敗例(右)冠菊花火のスターマインをスマホで撮った成功例。両手でスマホを持ち脇を締めてブレないようにして撮影した

ちょっとした準備とコツで、あなたの花火写真が見違える出来映えに。今年の夏の思い出に、つい自慢したくなるクオリティの花火写真を追加していこう!

画面から顔を上げて、迫力の打ち上げ花火を堪能

スマホでの花火撮影は楽しいので、つい夢中になり過ぎて目の前に上がっている素晴らしい花火を肉眼で見ていない場合もある。数枚撮影できたら後は肉眼でしっかり花火を見てほしい。

花火の色や形、さまざまな構成や迫力などを体全体で感じて楽しく観覧し、素敵な思い出を作ってはいかが?

監修・写真提供/金武 武
(かねたけ・たけし)花火写真家。1963年生まれ、神奈川県横浜市在住。花火に魅了され独学で撮影の技術を学び、30歳で写真家として独立。多数の写真展やイベント、メディアなどで独自の花火写真を発表し続けている。花火解説や講演会、写真教室での指導などの活躍も。著書に『デジタルカメラ超・花火撮影術』(アストロアーツ)、『眺望絶佳の打ち上げ花火』(玄光社)

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