北海道ゆるっと鉄道旅~釧網本線 スポット編:車窓に流氷や湿原が広がる北海道随一の観光路線

北海道東部を走る釧網(せんもう)本線は、鉄道の旅を楽しむ人に絶対おすすめの路線。車窓からオホーツク海に浮かぶ流氷やタンチョウが舞う釧路湿原などを眺めることができます。

釧路湿原の中を走行する釧網本線(細岡駅~釧路湿原駅間)
  • 釧路湿原の中を走行する釧網本線(細岡駅~釧路湿原駅間)

釧網本線は、網走駅から知床斜里駅や摩周駅などを経由して東釧路駅までの路線。列車は東釧路駅の隣、釧路駅まで運行しています。沿線周辺には知床をはじめ、摩周湖や屈斜路湖、川湯温泉などの有名観光スポットが多数!車窓のみならず、周囲のロケーションも最高です。のんびり列車に揺られ、大自然を感じに行ってみませんか?

今回から2回に分けて釧網線の魅力を紹介。前編では路線を3区間に分けて案内します。

網走駅~知床斜里駅:間近に迫るオホーツク海と木造駅舎内にある飲食店に注目

【写真を見る】流氷が押し寄せるオホーツク海が間近に!(北浜駅付近)
  • 【写真を見る】流氷が押し寄せるオホーツク海が間近に!(北浜駅付近)

釧網本線の網走駅と知床斜里(しれとこしゃり)駅の間は、オホーツク海に沿って走行する区間。ずっと海が見え続けているわけではありませんが、海辺に広がる丘陵の合間などから時折青い海を臨めます。特に、毎年2月頃にオホーツク海へ押し寄せる流氷の海は絶景! 日本国内で車窓から流氷の海を楽しめるのはここだけ。自然現象なので訪れた時に流氷が見えるかどうかは誰もわかりませんが、運を天に任せ、真冬の神秘の風景を眺めに乗車してみませんか?

網走駅から乗車するなら進行方向左側が海側。右側の席しか空いていなくても残念がらずに。途中、白鳥が飛来する濤沸(とうふつ)湖や湖畔に広がる原生花園の風景、道東の名山として知られる斜里岳の姿は進行方向右側から楽しめます。

窓の外には雪原、その先にはびっしりと海を覆い尽くす流氷が!(北浜駅付近)
  • 窓の外には雪原、その先にはびっしりと海を覆い尽くす流氷が!(北浜駅付近)

網走駅と知床斜里駅の間にある藻琴(もこと)駅と北浜駅、止別(やんべつ)駅は、どれも絵になる木造駅舎の無人駅。3駅とも元駅事務所などを改装し、飲食店になっています。

木造駅舎が可愛らしく感じる北浜駅
  • 木造駅舎が可愛らしく感じる北浜駅

北浜駅は海辺まで約20mしか離れていないということもあり、オホーツク海に一番近い駅として全国的に有名な駅。列車利用ではなく観光バスやレンタカーなどで訪れる人も多い、有名な人気観光スポットです。

駅舎内には“駅喫茶”、「軽食&喫茶 停車場」があります。レトロな駅舎の中にある、ほっこりとした空間。店内には列車の座席を利用した客席をはじめ、列車の網棚や扇風機、行先表示板などが飾られています。フードメニューはホタテやカニなど海産物を使ったラーメンやカレーなどのほか、ハンバーグや生姜焼きなどの定食、パフェなどのデザート類もあります。途中下車をして次の列車がやってくるまでの長い時間、元列車の座席に座って食事をしながらゆったり流れる時間を過ごすのもよいものです。

レトロな駅舎の風情に店内の雰囲気がよく似合います
  • レトロな駅舎の風情に店内の雰囲気がよく似合います
オホーツク海でとれたホタテを使用した「ホタテカレー」(950円)。お皿もホタテ型!
  • オホーツク海でとれたホタテを使用した「ホタテカレー」(950円)。お皿もホタテ型!
窓の外はホーム。列車が発着する様子を店内から眺められます
  • 窓の外はホーム。列車が発着する様子を店内から眺められます

知床斜里駅~標茶駅:摩周湖や川湯温泉など周囲に観光地が多い森林区間

山間にある川湯温泉駅。雪が降りしきる中、観光客が多数乗り降りしていました
  • 山間にある川湯温泉駅。雪が降りしきる中、観光客が多数乗り降りしていました

網走駅から釧路駅方面へ向かう途中にある知床斜里駅を過ぎると路線の雰囲気が海辺から山間へと変わります。清里町駅付近までは畑が広がる平地が目立ちますが、その先は少しずつ山間地の雰囲気に。緑駅を過ぎると峠越えとなり、エンジン音を唸らせながら山の中の森林をかき分けるように進み、ひと山越えます。人家などが見当たらない山中の下り坂をしばらく進み、車窓に建物がいくつか現れると川湯温泉駅へ到着。この先は左右に森林が広がりつつも、時折農場や牧場が見え隠れする中を進みます。途中、摩周湖などへの観光拠点となる摩周駅を過ぎ、またしばらく農場などが散見される車窓が広がり、標茶(しべちゃ)駅へ至ります。

川湯温泉駅の駅舎は赤い三角屋根の大きな山小屋風。駅前から路線バスに乗って約10分で川湯温泉街まで行くことができます
  • 川湯温泉駅の駅舎は赤い三角屋根の大きな山小屋風。駅前から路線バスに乗って約10分で川湯温泉街まで行くことができます

鉄道の旅を楽しむなら、途中の川湯温泉駅はぜひ途中下車したい駅。無人駅とは思えないほど立派な佇まいの駅舎。かつては有人駅だったうえ、御料地が近隣にあったため駅舎内には貴賓室もありました。当時の駅事務所と貴賓室は現在、「オーチャードグラス」という喫茶店として使用。往時の面影をしのぶ重厚な雰囲気を感じながら、極上のビーフシチューなどを味わえます。

かつての貴賓室が喫茶店の店内に。青い椅子は貴賓室時代から長年使われてきたものだそうです
  • かつての貴賓室が喫茶店の店内に。青い椅子は貴賓室時代から長年使われてきたものだそうです
店内の一角には釧網本線の鉄道備品や書籍などが展示してあります
  • 店内の一角には釧網本線の鉄道備品や書籍などが展示してあります

駅舎の一角には足湯コーナーもあります。足湯をしながら列車待ちができるなんて、なかなかない体験。雪深い極寒の時期でもヌクヌク!ほっこりとしたひと時を過ごせますよ。

塩分を多く含む泉質で、足湯とはいえ血行がよくなり身体がよく温まります。ちなみに川湯温泉街の泉質は硫黄泉で、こことは異なる泉質です
  • 塩分を多く含む泉質で、足湯とはいえ血行がよくなり身体がよく温まります。ちなみに川湯温泉街の泉質は硫黄泉で、こことは異なる泉質です

標茶駅~釧路駅:荒涼とした釧路湿原の中をひた走る区間

雪に覆われた釧路湿原の中を進む列車(茅沼駅~塘路駅間)
  • 雪に覆われた釧路湿原の中を進む列車(茅沼駅~塘路駅間)

標茶駅を過ぎると、周囲の風景がだんだんと荒涼とした雰囲気に変わります。タンチョウが駅裏手にやってくることで有名な茅沼(かやぬま)駅を過ぎると、より荒涼とした空気感が強まり、だんだんと車窓右手を中心に雄大な釧路湿原が広がります。塘路(とうろ)駅を過ぎると、湿原の中を蛇行するように悠々と流れる釧路川が時折線路により沿い離れていきます。この付近が車窓のハイライト。目をこらすと運がよければタンチョウやエゾシカなどの野生動物の姿も!

釧路湿原駅を過ぎ、しばらく進むと少しずつ住宅などが視界に入りはじめます。東釧路駅で根室駅から続く根室本線と合流し、遠くにビル群が見えてくると終着、釧路駅です。

駅の目の前にタンチョウが!(茅沼駅前)
  • 駅の目の前にタンチョウが!(茅沼駅前)

釧網本線は区間により異なる顔を持つ路線。どの区間もそれぞれに魅力があり、乗車するだけでも移りゆく素敵な車窓を満喫できます。でも、せっかくなら数カ所途中下車をしながら巡るのがおすすめ!旅の日程に余裕を持って、ゆったりのんびり釧網本線の旅を楽しみませんか?

軽食&喫茶 停車場 ■住所:網走市北浜無番地北浜駅  ■電話:0152・46・2410  ■営業時間:11:00~19:00 ■休み:火曜 ■席数:20席(喫煙可)

オーチャードグラス ■住所:弟子屈町川湯駅前1-1-8  ■電話:015・483・3787  ■営業時間:10:00~18:00(LO17:30)、冬季は10:00~17:00(LO16:30) ■休み:火曜※不定休あり ■席数:35席(分煙)

※掲載内容は2018年11月現在の情報です。

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