一流のリーダーが最優先するのは「結果」ではなく「信頼関係」/究極のメンタルコーチ術①

人は信頼度に応じた会話しかできない

何よりもまずお伝えしたいことがあります。

それは、「人は信頼度に応じた会話しかできない」ということです。

すぐにでもメンバーのモチベーションを引き出し、結果を出したい――そう願う気持ちは、私もマネジメントをしていた経験があるのでよくわかります。

しかし、これまでどんなに手を尽くしても変わらなかった相手と急に1対1で話をしたからといって、そう簡単に本音を話してくれるでしょうか?

「この人になら話してもいい」と相手に思ってもらうためには、まず、あなた自身がメンバーの気持ちを引き出せる存在になることです。

そのカギとなるのが「信頼」です。信頼関係を築くことが、コーチングを行なうための最重要課題なのです。

そもそも人は、信頼度に応じた会話をします。信頼度が1であれば、相手から引き出せる情報も1です(図)。一方、10の信頼度を得ていれば、10の情報を引き出せます。信頼度と会話の充実度・情報量は、正比例するのです。このことは、アルトマンが提起した「社会的浸透理論」からも明らかとなっています。

(図)信頼度と会話の充実度は比例する
  • (図)信頼度と会話の充実度は比例する

この信頼度を、「クレジット」と私は呼んでいます。「クレジット」とは英語で「信用」「信頼」を意味します。この「クレジット」は、一朝一夕で培われるものではありません。クレジットカードが信用に応じて作れるように、人も信用に応じて心を開くようになります。一度心を開くと、コミュニケーションが比べものにならないくらいスムーズになります。小手先のテクニックでは構築できない、強固な関係性を築くことができるようになるのです。

では具体的にどのようにしてクレジットを高めていくのか、紹介していきましょう。

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二流のリーダーは「結果」を最優先する

一流のリーダーは「信頼関係を築くこと」を最優先する

「歩み寄る」のではなく「寄り添う」

「信頼を高めることはわかったけど、できれば相手のほうから歩み寄ってきてほしい」と考える人も多いのではないでしょうか。

しかし、相手が自分と違う人間であるかぎり、コントロールすることは不可能です。

「(相手のほうから)歩み寄ってほしい」と思えば思うほど、ストレスも溜まります。人はストレスを感じる状況に直面すると、ストレスホルモンの分泌が増えることが、従来の研究からも明らかになっています。ストレスが溜まると、メンバーのちょっとした行動もネガティブに捉えるようになり、相談し合える関係づくりどころではなくなります。

そうなる前にまず、あなたのほうから変わること。「意識を変えることから始めてほしいと思います。具体的には、「歩み寄る」という意識をいったん捨ててみるのです。

この、意識が行動に与える影響は計り知れません。

「歩み寄らなければ」という意識があるということは、今は「(メンバーとの距離が)離れている」と言い換えることもできます。そうではなく、最初から同じ立場で「寄り添っている」と考えるようにするのです。すると、良い意味で相手に期待する気持ちがなくなり、その後の対応が大きく変わってきます。

この小さな意識改革が、メンバーとの関係づくりの第一歩なのです。

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二流のリーダーはメンバーに「歩み寄らなければ」と考える

一流のリーダーはメンバーとすでに「寄り添っている」と考える

【著者紹介】鈴木 颯人(すずき・はやと)
1983年、イギリス生まれの東京育ち。スポーツメンタルコーチ。Re-Departure合同会社 代表社員。
7歳から野球を始め、高校は強豪校に入学するも、レギュラーになれず引退。大学卒業後、航空関連会社や学習塾講師として働くも、心と体のバランスを崩し休職。休職をバネに、一念発起して脳と心の仕組みを学びながら、勝負所で力を発揮させるメソッドを構築。転職し、人材関連会社の営業として月の売上300%を達成する。その後、独立。モチベーションをうまく引き出すコーチングを通じて、野球、サッカー、水泳、柔道、サーフィン、競輪、卓球など、競技・プロアマ・有名無名を問わず、パフォーマンスを激変させるアスリートが続出中。
これまでコーチングしたアスリートは1万人超。15万人を超えるTwitterフォロワーに日々メッセージを発信中。著書に、『一流をめざすメンタル術』(三笠書房)がある。
■Webサイト:Re-Departure合同会社

【書籍紹介】『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』(KADOKAWA)
1万人のアスリートをどん底から救ったプロのメンタルコーチ術。部下・後輩を指導する立場にあるリーダーの視点から、メンバーのモチベーションを効率よく引き出す方法を紹介。5つのステップで、自ら動ける部下が育つ!

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