ロジャー・ディーキンス撮影監督が創り上げた『トゥルー・グリット』の世界

アカデミー賞10部門にノミネート。14歳の新星ヘイリー・スタインフェルドは助演女優賞にノミネートされた
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「すごい映画だ。ロジャー・ディーキンスの撮影のおかげだ」と語るのは『トゥルー・グリット』(3月18日公開)に出演するマット・デイモンだ。「一つ一つのカットが本当に美しい」。届いたインタビュー映像の中で彼はそう話す。同じ映像の中で、共演者のジェフ・ブリッジスも「実に見事だった」と感服する。

『トゥルー・グリット』の撮影を担当したのは今年62歳を迎える撮影界の鬼才、ロジャー・ディーキンス。その名を知らずとも、彼が手がけてきた素晴らしい作品の数々を知れば誰もが彼の才能に納得するだろう。『ロング・ウォーク・ホーム』(94)、『デッドマン・ウォーキング』(96)、『ビューティフル・マインド』(02)、『ヴィレッジ』(04)など、数々の名作が並び、なかでも映画史に残る名作『ショーシャンクの空に』(94)も彼が撮影監督を務めている。脱獄に成功した主人公が豪雨の中、大きく手を広げて雨粒を全身で受ける場面、そしてラストの大きな木の立つ草原、太陽に照らされた海と砂浜など、どれもが見た人の心を奪うシーンや場所になったのではないだろうか。

その『ショーシャンクの空に』と同じく、撮影の評価が非常に高い『ジェシー・ジェームズの暗殺』(08)、『愛を読むひと』(09)、『トゥルー・グリット』の監督であるジョエル&イーサン・コーエン監督の『ファーゴ』(96)、第80回アカデミー賞で作品賞を含む4冠を獲得した『ノーカントリー』(08)でも撮影を担当しており、これまでにアカデミー賞撮影賞に8度もノミネートされているのだ。また、最近では『WALL・E ウォーリー』(08)や『ヒックとドラゴン』(10)などのアニメ作品でビジュアルコンサルタントも務めるなど、その才能は止まることなく活躍の幅を広げている。

『バートン・フィンク』(92)以来、すべてのコーエン兄弟作品を手がけるロジャー・ディーキンスは、オスカー監督たちから絶大な信頼を得て、彼らの作品になくてはならない人物と言えよう。今回、新しくコーエン兄弟と創り上げた『トゥルー・グリット』でも、そのタッグが素晴らしい化学反応を見せている。西部の荒野を馬に乗り、父を殺した犯人を追跡する少女とふたりの男の物語。コーエン兄弟ならではのダークさ、その中に現れる奇妙な美しさ、そしてコーエン兄弟いわく「マティが荒野を進むシーンは不思議の国のアリスだ」というほど、時にファンタジーのようにロジャー・ディーキンスは全てを完璧な形でスクリーンに映し出すことに成功している。コーエン兄弟作品に新たな1ページを築いたとも言われるこの美しい映像を是非堪能してもらいたい。【Movie Walker】

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