Ustream Asia中川社長と角川グループホールディングスの角川会長がソーシャル社会とメディアの関係を語る!【後編】

左より中川具隆(Ustream Asia株式会社代表取締役社長)、角川歴彦(株式会社角川グループホールディングス取締役会長)
  • 左より中川具隆(Ustream Asia株式会社代表取締役社長)、角川歴彦(株式会社角川グループホールディングス取締役会長)

3月5日に開催された「USTREAM宣言 in 奈良」では、Ustream Asia㈱の中川社長と、㈱角川グループホールディングスの角川会長の対談も実現。ソーシャル社会とメディアの関係について熱い意見が交わされた。

(前編はコチラ:http://news.walkerplus.com/2011/0404/20/)

—関西ウォーカーでは昨年からTwitterとUSTREAMをスタート、いずれもライブメディアであり、「つなぐ」メディアという側面もあります。雑誌とTwitter、USTREAMはかなり相性がよく、いままで離れていた人、接触するすべをなくしていた人を改めて雑誌とつなぐ働きをしています。

中川 USTREAMは加工しないありのままを見せるほか、多チャンネルという特徴がある。パナソニックのエボルタの企画のようにテレビは食いつかない話題もノーカットで見せられるといういい面もありますが、だんだん話題が深くなってあとから入った人が理解できない高みに登ってしまう負の側面が出ることもある。

角川 関西ウォーカーもソーシャルメディア化しながらつないでいくことが大切。雑誌は知識を載せており、それなりの数の人の納得できる店を載せている。雑誌はソーシャルの発言の受け皿、コミュニケーションの受け皿になっていってほしい。

—雑誌やラジオなどは中川さんのおっしゃったクラスター化に対する担保になるものでは。USTREAMと旧メディアが組むことで、クラスターにとどまらない展開ができると思います。

中川 ライブメディアはありのままがメリットだが、旧メディアはいいところをつまんで、趣味嗜好にかかわらず、かたよりなく出してくれる点が長所。角川会長は大手コンテンツホルダーの中では一番にYoutubeに作品を出されたり先鋭的な動きをされている。

角川 IT技術はアメリカで誕生しますが、日本のユーザはアメリカよりも早く使いこなす。きょう、我々が話をしていることは、世界の旧メディアが一番関心を持っており、知りたい話では。世界で一番最先端のホットな話をしていると思っていいのではないでしょうか。僕はいつも自分を熱いフライパンの上で踊っている猫だと思っています。それはつらいですよ。でも、一生懸命ぎりぎりのところで頑張っている自分達が愛おしいなと。それが世界最先端のメディアになりうる条件だ。

中川 数年前アニメ「時をかける少女」の制作委員会に参加、デジタルの権利をオープンにしていただいたおかげでいくつかの動画サイトで早い時期から公開でき、非常に人気の高いコンテンツになった。

角川 現在、電子書籍サイトのBOOK☆WALKERに取り組んでいる。Amazonでもわかるようにネットと書籍は一見ライバルに見えて相性がいい。このサイトでは本をプラットフォームに、実写映画やアニメ、音楽などと融合させる構想があります。こういうつながりの中でUSTREAMとBOOK☆WALKERが、何ができるか研究していきたい。

—USTREAMやTwitterがあるから、従来とはまったく違う関係ができてきます。こういう出会いこそ、ソーシャルメディア、ライブメディアの醍醐味ですね。

角川 中東の政治情勢の変化はネットによるものだといわれている。インターネットが始まったころ、ネット民主主義という言葉が登場した。いままで特権階級のためのものだった民主主義が大衆のものになった瞬間です。今回の革命は「ソーシャル民主主義」という言葉がぴったり。我々はいま、すごくダイナミックな時代、過去2000年の人が経験できなかった、非常にエキサイティングなところにいるのだと思います。

このビビッドな感じ、ヒリヒリする感じは過去に味わえなかったもの。これを大事にして、おもしろがって乗り越えていってほしい。

中川 ネット社会はバーチャルに見えてバーチャルではなく、リアルと密接につながっている。ソーシャルなメディアは人を紹介したり、人を信じて人に伝えたり、非常に重い、人間関係そのもの。信頼関係はネットだから軽く、リアルだから重いと言うものではない。ソーシャルなコミュニケーション、信頼関係を担う土台になっており、重い責任を自覚しつつやっていかなければならないと考えている。これはすべてのメディアにいえることであり、最終的には人にどう接するかと言うことに戻ってくる。

—ありがとうございました。

※2011年3/5に開催された「USTREAM都市宣言 in 奈良」での対談を再構成したものです。

USTREAMアーカイブでも観られます。

http://www.ustream.tv/recorded/13095176

http://www.ustream.tv/recorded/13097674

●中川具隆
Ustream Asia(株) 代表取締役社長(@tomo_nakagawa)。 日本NCR(株)などを経て2000年ソフトバンクコマース(株)へ。TVバンク(株)取締役CEOに加え10年7月より現職。
●角川歴彦
(株)角川グループホールディングス取締役会長。早稲田大学第一政経学部卒。神戸芸術工科大学などで客員教授も務める。ネットにも見識が深く著書に「クラウド時代と〈クール革命〉」など。

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