SF作家フィリップ・K・ディックが映画界から人気な理由とは?

運命が第三者に操作されているという奇抜な設定の『アジャストメント』
  • 運命が第三者に操作されているという奇抜な設定の『アジャストメント』

生涯にSF小説を36本、短編を120本以上も残したアメリカの作家、フィリップ・K・ディック。他界した1982年に小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」が『ブレードランナー』(82)として映画化されたのを皮切りに、彼の作品は映画の原案・原作として次々に映像化されている。そんなディックの短編「調整班」を原作にした『アジャストメント』が5月27日(金)より公開される。

『ブレードランナー』以後に映画化されたディック原作の作品は、『トータル・リコール』(90)、『バルジョーでいこう!』(92)、『スクリーマーズ』(96)、『クローン』(01)、『マイノリティ・リポート』(02)、『ペイチェック 消された記憶』(03)、『スキャナー・ダークリー』(06)、『NEXT ネクスト』(07)など多数。“最も映画化されてきたSF作家”と呼ばれるのも納得の人気ぶりだ。

『ブレードランナー』では人造人間(レプリカント)と人間が共存する荒廃した近未来、『マイノリティ・リポート』では予知能力者の未来を察知する能力を利用した犯罪予防局によって殺人がなくなった近未来を舞台に、現実や記憶のもろさ、個人のアイデンティティの不確かさなどを問いかける物語が展開されている。ディック作品が今なお映画化され続けている理由には、上記のようなオリジナリティにあふれ、映画に組み込みやすいユニークな設定と、背後にある深いメッセージ性が大きな要因としてあるようだ。

そして今回の新作『アジャストメント』では、全ての人間の運命がアジャストメント・ビューロー(運命調整局)と呼ばれる謎の組織によって操作されている世界が舞台になっている。「ボーン」シリーズのマット・デイモンが主演を務め、自分の運命が操作されていることを知り、組織に立ち向かう男を好演する。

先頃『グリーン・ホーネット』(11)のミシェル・ゴンドリー監督が、ディックの代表作「ユービック」の映画化を企画していると発言するなど、没後30年を迎えようとする21世紀にあっても、ディック人気は加速するばかりだ。ディック原作映画が新たな盛り上がりを見せる今、まずは『アジャストメント』をしっかり押さえておきたい。【トライワークス】

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