青山真治監督『東京公園』は幻の名画にオマージュを捧げていた!

青山真治監督の4年ぶり長編作品『東京公園』は6月18日(土)より公開
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『EUREKA(ユリイカ)』(01)、『サッドヴァケイション』(07)などの作品で世界的な評価も高い、青山真治監督の4年ぶり長編作品『東京公園』が6月18日(土)から公開される。「東京バンドワゴン」シリーズで知られる小路幸也による同名小説を原作に、三浦春馬、榮倉奈々、小西真奈美、井川遥の豪華共演が話題になっている本作だが、実は意外な名画と深い関係があるのだ。

その作品とは、幻の名画と呼ばれる『フォロー・ミー』(73)。『第三の男』(49)、『オリバー!』(69)などで知られる英国の巨匠キャロル・リードの遺作で、夫に浮気の疑いをかけられた妻と、彼女の素行調査を依頼された探偵が、微妙な距離感でロンドンの街をさまよう様を写し、人と人との触れ合うことの大切さが描かれている。『東京公園』原作の最後のページには「To“Follow Me!”」と記されており、作者である小路自身も『フォロー・ミー』へのオマージュを込めて執筆したことを明かしているのだ。

『東京公園』の導入は、カメラマン志望の大学生・光司(三浦春馬)が謎の男から「ある人妻を尾行して、写真を撮ってほしい」という不可解な依頼を受けるところから始まるが、人妻の尾行依頼から物語が動き出す設定は確かに同じだ。そして『東京公園』では、光司が幼い娘を連れて都内の公園を巡る、その女性の写真を撮っていくうちに、血のつながっていない姉や親友の元彼女など、周囲の女性との関係を見つめ直していく姿がみずみずしく描かれており、登場人物に対する優しい眼差しも共通している。

『Shall we ダンス?』(96)の周防正行監督も大ファンであることを公言するなど、映画ファンから評価の高い『フォロー・ミー』だが、日本では1973年の公開以来、ソフト化も再上映もされず、テレビ放映でしか見ることができない幻の作品となっていた。それが一昨年から、海外の名画を全国の劇場で巡回上映する「午前十時の映画祭」のラインナップに加えられ、遂に昨年、DVDが発売となったばかりだ。再上映、初ソフト化と続き、本作が映画化された一連の流れには、どこか運命的なものも感じられないだろうか。

青山監督の新たな一面を見ることができる『東京公園』と、不朽の名作『フォロー・ミー』。どちらも温かな気持ちにさせられる作品なので、ゆったりとした休日に二作見てみるのも良いだろう。【トライワークス】

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