3D大作『マイティ・ソー』で浅野忠信「この映画のおかげで、やっとおじいちゃんに会えた」

念願のハリウッドデビューを果たした浅野忠信
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マーベルコミックの実写化『マイティ・ソー』が、いよいよ7月2日(土)より公開となる。神々の世界を追放されたソー(クリス・ヘムズワース)が、人間界で出会った天文学者・ジェーン(ナタリー・ポートマン)らとの触れ合いを通し、真のヒーローとして成長していくドラマがダイナミックな映像と共に描かれる。全米では興収ランキング2週連続No.1記録! パワフルで型破りな“オレ様ヒーロー”ソーが世界中で大暴れしているが、なかでも注目したいのが、本作でハリウッドデビューを果たした浅野忠信だ。

確かな演技力でファンを魅了してきた浅野が、3Dアクション大作に登場するのは意外に思った人も多いはず。しかし、浅野自身「出演が決まった時には、やっとここに来られたと思った」と語るなど、そこには並々ならぬ意欲と、アメリカへの特別な思いがあった。「キャリアなどで、『あいつは映画人だ』みたいな感じになってしまっていますが(笑)、僕は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいな映画が好きなんですよ。格好つける気もないですから、誰が見たって面白いと思う映画に出たい。その本場はやっぱりハリウッドなんですよね」。

祖父がアメリカ人だという自身のルーツに対する思いもあったようで、「おじちゃんに会ってみたくて、長いことどうやって捜せば良いんだろうと思ってきて。軍人だったんですが、今回教わったアメリカ人の英語の先生も軍人で、相談したらすぐに情報を見つけてくれたんです。もう死んじゃっていたんですが、この撮影中にお墓参りができて。この映画のおかげで、やっとおじいちゃんに会えた。僕のアメリカの血が、どうやってアメリカで作用するか気になるし、このスタートを機に、おじいちゃんにも見てもらえるよう頑張っていきたいです」と、熱い胸の内を明かしてくれた。

浅野が演じるのはソーをサポートする三銃士の一人、ホーガン。「英語が苦手で、うまくコミュニケーションをとれなかったのが、逆に良かったなと。現場にいても僕はあまり会話に参加できないですから、見守るしかない。だから、ホーガンそのものでいられる。ホーガンは寡黙で、常に戦いのことを考えている男。敵なんかいるわけもないところで、皆がワーって飲んで騒いでいても、ホーガンは『いや、敵が来るかもしれない』って考えている。戦いバカなんです(笑)」。

その現場を支えたのは、シェイクスピア作品で知られるケネス・ブラナー監督だ。「監督はしっかり僕のことを見てくれていて、俳優に対してそれぞれの演出をしてくれる。すごくユーモアのある現場で、それがそのまま映画に活かされた気がして。作品に映っているのは現場でしかないんで、この映画はただ明るいだけじゃなくて、その向こうに何かあるんじゃないかと思わせてくれる明るさ。ひょっとしたら監督がイギリス人だからというのもあるかもしれないですね。ジョークにも奥行きを感じるんです」。

まさに、奥行きのあるドラマ性も本作の魅力だ。テーマの一つには、“可能性を求めることの素晴らしさ”が感じられる。「可能性を実感するというのは、辛い時間を過ごした後のこと。今ほしいと思っているものは、だいたい手に入らないものだし、何かが変わったりするには時間がかかる。僕はあきらめの悪い方で、だから20年経ってアメリカの映画にも出れましたから。その時間こそが可能性だと思うんです。時間が長ければ長いほど、可能性は大きな形で返ってくる。あきらめても、どこか心の奥で根強く持っている何かがあれば、それはまた違う形で可能性を与えてくれるものだと思います」。

アカデミー外国語映画賞にノミネートされた『モンゴル』(07)では、様々な国のスタッフが入り乱れる中、見事に主演を演じ切り、今後もピーター・バーグ監督の『Battleship(原題)』(2012年夏公開予定)や、キアヌ・リーブス主演『47RONIN』(2012年12月公開予定)など、海外作品に出演が決まっている。どんな現場でも自分らしくあるためには何が必要なのだろうか? 「僕は俳優というのはピエロでしかないと思うんです。ピエロは笑わせてなんぼ、怒られてなんぼだから、現場で皆ピリピリしていたら、一発くだらないことをやってやるかと。監督が指示したことに、『わかりました』って言って、全然違うことをやっちゃうとかね(笑)。すると空気が変わるし、『おお! アイツ、やりやがったな!』って誰かが見ててくれるんですよ。俳優がふざけないでどうするって思いますから!」。ソーにとっての最強の武器は“ムジョルニア”だが、俳優・浅野忠信にとっての最強の武器は“真面目にふざける”ことだった!

生き生きと撮影現場や俳優論を語る彼からは、「浅野となら面白いものができる!」と思わせるパワーに満ちあふれている。何事にも恐れず、ぶち当たってみるという本作のメッセージは、まさに彼の姿に重なるものだ。大迫力の映像にワクワクすると共に、是非劇場で浅野忠信の限りない可能性を体感してもらいたい。【取材・文/成田おり枝】

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