直木賞受賞!天童荒太「悼む人」インタビュー

直木賞受賞!「悼む人」天童荒太(文藝春秋/1700円)
  • 直木賞受賞!「悼む人」天童荒太(文藝春秋/1700円)

1/15に第140回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)が発表された。ウォーカーは昨年11月に「悼む人」(文芸春秋)で直木賞を受賞した天童荒太さんに作品インタビューをしていたので、ご紹介しよう。ちなみにタイトルの読み方は「いたむひと」。

作品は7年の歳月をかけた物語。死者を悼む旅をする青年を描いた、「永遠の仔」以来となる感動巨編だ。

「人の死に軽重をつけることにやりきれなさを感じた時期に、ちょうど9・11などの一連の事件が起きたんです。僕の中のコップの水があふれ出すように…“悼む人”というテーマが降りてきて。誰の死にも価値を見いだせる人がいたとしたら、世界が美しくなるのではと感じました」

主人公・静人(しずと)は“誰を愛して、愛され、感謝されたか”という問いによって、誰をも悼む。

「僕自身、人が亡くなった場所で死者に思いを重ねてみましたが…つらくて耐えられなかった。考え続けたすえ、誰でも尊ばれるよう心に刻んでいくためには、この3つの問いが大切だと」

読者と対話するように小説を書くという姿勢を持つ天童氏。

「読者のなかには、本当につらい思いをしながら生きている人もいる。本作では、彼らに“この世界は生きるに値する”と、しっかり伝えられたらと思っています」

1/15の発表で、天童さんのほかに、第140回芥川賞は津村記久子さんの「ポトスライムの舟」(「群像」11月号)に、また、天童さんと同時受賞となった直木賞に山本兼一さんの「利休にたずねよ」(PHP研究所)が選ばれた。ぜひこの機会に一読してみてはどうだろう。【ライター/峰尾亜希子】

「悼む人」天童荒太(文藝春秋/1700円)
てんどうあらた●1960年愛媛県生まれ。「永遠の仔」がベストセラーとなり話題に。07年には「包帯クラブ」が映画化された。

■ストーリー
全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。彼を巡って人間不信の記者、末期ガンの母、夫を殺した女。さまざまな思いが交錯してゆくが…。

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