「アートとは常識を破壊すること」 アーティスト・ヤノベケンジと西野達が街とアートを語る2時間 「おおさかカンヴァス」アート座談会ダイジェスト! (下)

アート座談会中は笑いが耐えなかった
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「アートとは常識を破壊すること」 アーティスト・ヤノベケンジと西野達が街とアートを語る2時間 「おおさかカンヴァス」アート座談会ダイジェスト!(上)から引き続き

ヤノベ 「おおさかカンヴァス」は震災以降のことも含め、アーティストたちが何をどう表現するのかが楽しみな舞台になるはずです。そのクリエイターたちを牽引してくれるのは西野さんだと僕は思っています。西野さんの作品はおもしろい上にそれを実現してしまう、ある種マジックのようなところがあります。

西野 俺の作品の中には、街灯を引き抜いてさかさまに埋め直し、ライト部分を地下道の照明にしたり、ベルギーのゲントの美術館では、美術館脇の街灯を引き抜いて美術館内の展示室の天井(=その真上のチーフキューレター室の床)に串刺しにして、街灯のライト部分をチーフキューレターのスタンドランプとするプロジェクトなどをおこなってきました。美術館の観客は展示室の天井からぶら下がっている街灯の下の部分を不思議そうに眺め、そのあと館長室に入って俺の作品を理解するわけです。でも日本ではこういうのはやらせてくれない。館長室にお客さんが入ること自体もダメでしょう。

美術館内だけでなく、日本の屋外でのプロジェクトも行政から許可が出る事はまず不可能です。銀座エルメスでの展示のときも街中でのプロジェクトも考えましたが、許可を得る事が出来ないので結局エルメスのビル屋上のモニュメントの騎馬像を囲むように部屋を作りました。

ヤノベ 普通、展覧会スペースは屋内にあるけど、このエルメスの作品の場合、建物の上にあるモニュメントを囲ってしまう。外にある仮設の階段を上ってその部屋に入るんですね。

西野 地上から40メートルぐらいの高さだったので、仮設の階段を上れない人もいたと聞いています。

室内で見せたプロジェクトとしては、愛知県立美術館での作品があります。美術館で一番高価な作品であるピカソの絵が掛かっている常設展示室の壁を取り込んで部屋を建て、内装を台所のようにしました。部屋のモデルは昭和の臭いのするうちの両親の台所です。昭和の台所に掛かっているピカソの絵画という、有り得ない状況を作り出したわけです。

シンガポールではマーライオン像の周囲に部屋を作って、ホテルとして営業しました。わずか15分で2カ月半の日程がすべて予約済みになりました。

玉置 その部屋は泊まってみたいですよね。1泊いくらぐらいなんですか?

西野 9000円ぐらいでした。俺が屋外で作品を展示することが多いのは、普段芸術に興味のない人にも見てもらいたいからという理由が根底にあります。ホテルプロジェクトの場合も、一般の人が誰でも泊まれる値段設定にしています。イギリスのリバプールではヴィクトリア女王の彫刻のまわりに家をつくってホテルとして営業したりしましたが、これもだいたい8〜9000円程度で泊まれるということで、あっという間に予約でいっぱいになりましたね。

宿泊は出来ませんが、スイスのバーゼルの大聖堂では、その屋根のてっぺんに立つ天使の形の風見鶏を取り入れてリビングルームを建築し,その風見鶏を部屋の中のテーブルの上に置かれている飾り物に見せるプロジェクトをしています。

ヤノベ とんでもないことを考えますね。

西野 小さいときからこんなことばかり考えているので、俺はアートの世界でなければ生きて行けないでしょう(笑)。

俺の唯一のパーマネント作品は、フランスのナントの火力発電所の煙突のコピーをその脇に建築し、その上に本物の家を載せたもの。これもホテルとして営業しています。常に3カ月先まで予約でいっぱいと聞きました。

ヤノベ そんなホテルの部屋を「おおさかカンヴァス」で見てみたいですね。

玉置 知事の部屋に街灯を突っ込むのもいい。

ヤノベ シンガポールでは10万人の人が来たそうですが、アイデア一つでそれだけの人を魅了できるのはすごいですね。

西野 不可能を可能にするのがアート。常識を壊していくのがアートです。人って非常識なものを見たいでしょ?

玉置 おおさかカンヴァスの作品の発表は10月下旬からで、水都大阪の時期と重なっています。中之島エリアもコアエリアなので、水都大阪に来た人も作品を見ることができますね。

西野 おおさかカンヴァス参加作品を、出来たら中之島で見せたいと思っています。

それと同時期に、京阪なにわ橋駅地下1階のアートスペース「アートエリアB1」で「鉄道芸術祭」という展覧会を開催することになっています。ぜひ見に来てください。

ヤノベ またおもしろいことをやるんですか?

西野 何を見せるかは秘密です! 予算の問題で何を見せられるかまだわからないのが本当なんですが(笑)。おおさかカンヴァスと一緒に現代アートを盛り上げましょう!ことしの大阪の秋は現代アートで決まりです!

玉置 西野さんの作ったホテルに泊まりたいですね。

西野 どこかにないですか。大阪で包めるもの。

玉置 なにわ橋のライオンとか、大阪証券取引所前の五代友厚像とか。

西野 豊国神社の豊臣秀吉像もいいですね。

ヤノベ やっぱり太陽の塔の顔がいい。おおさかカンヴァスではアイデアも大事ですが、それが本当に実現できるかどうかも審査の対象になります。

玉置 結果発表は8月下旬から9月ごろ。展示は10月下旬から来年2月ごろまでの予定です。

ヤノベ 第一次審査で選ばれたアイデアの実現可能性などをリサーチしたあと最終的に絞られます。できるだけ具体的な内容を書いた方が選考で残る可能性があります。

西野 とにかくアートは常識を破壊すること。誰も見たことがないような発想を見せてほしいと思います。

玉置 我々はそういう人を待っています!今日はありがとうございました。

●アート座談会出席者

<パネリスト>

ヤノベケンジ(現代芸術家)Twitterアカウント:@yanobekenji

西野 達(現代芸術家) ホームページ:www.tatzunishi.net

<司会>

玉置泰紀(関西ウォーカー編集長)Twitterアカウント:@tamatama2

●配信日時:7/7(木) 19:00〜21:00

●アーカイブURL:

【USTREAMチャンネル「関西ウォーカーTV」】

その1:http://www.ustream.tv/recorded/15845844

その2:http://www.ustream.tv/recorded/15845931

その3:http://www.ustream.tv/recorded/15846082

その4:http://www.ustream.tv/recorded/15846396

その5:http://www.ustream.tv/recorded/15846496

その6:http://www.ustream.tv/recorded/15847037

●関連サイト

「おおさかカンヴァス」公式サイトURL:http://osaka-canvas.jp/

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