メラニー・ロラン「これは作らなければならない重要かつ素晴らしい作品です」PART2

実在の人物アネットを演じたメラニー・ロラン
  • 実在の人物アネットを演じたメラニー・ロラン

インタビューPART1より続く

――撮影現場でのローズ・ボッシュはどのようなタイプの監督ですか?

「強い女性です。そして同時にとても優しい女性です。女性監督と仕事をしたことがあまりないのですが、それは大好きです。関係が違うからです。誘惑の状態になることは決してなく、いつも仕事の関係でいられます。ローズは強く、知的で、情熱的で、とても寛大です。私の好きなタイプの、俳優に気をかけ、傷つけず、決して何かを得るだけのためにひどい扱いをしない、決して相手を操ろうとはしない監督です。信頼をしてくれる監督と仕事をするのはとても気持ちの良いことです。彼女には容姿のうえでもとても柔らかいものがあります。また断固とし、本当に心を注いでいるテーマに全ての人を引き込む方法も知っている本物の隊長です。演出においても何がしたいかがわかっており、フレームやショットに気を使い、とても良いアイデアを持っています。信頼できる人の手に委ねられているとわかっていることはとても良いことです」

――ではジャン・レノはどのようなパートナーでしょうか?

「彼はとても優しく、きちんと話を聞いてくれます。とても気持ちの良い人で、とてもシンプルでもあります。彼が純粋な感情のままに演じるのを見るのはとても良いことでした」

――あなたの主要な共演者は子供たちでしたね

「撮影は彼ら中心で、私たちは全ての撮影において完璧でなければならないという原則から出発しなければなりませんでした。彼らを助けてあげなくてはいけなく、子供相手にエゴを出してはならず、全てを与え、良い演技ができるようにしてあげなくてはいけません。演技をし続け、常に創意に富んでいなければならないのです。これには多くの時間とエネルギーを必要としますが、彼らが嫌になり疲れてしまった時にはたくさんの策略を使い切らなくてはいけないので、面白かったです。それを楽しみました。ノノ役の双子と一緒に演じたのは魅力的なものでした。性格がとても違うのですが、同時に時によって一人が演じていて一人が休んでいる場合には、性格が逆になったりするんです。そのために撮影以外でも彼らと多くの時間を過ごしました。子供との関係を作りあげることが重要で、彼は4歳でしかなかったので、プロフェッショナルであること、その場面がうまくいくことはどうでも良かったのです」

――心配していた場面はありますか?

「あるとは思いません。激しいければ激しいほど、それが気に入りました。脚本がよく書かれているのであれば。極端に言えば、1940年代の自転車をこぐのはとても大変だと思い、笑ってしまいました。パリの石畳の舗道の上だととても危険なんです。この日だけは心配しました」

――現在『黄色い星の子供たち』ような作品を作ることはあなたにとってどう重要ですか?

「今、私たちの周りで起きていることを考えると、ヴェルディヴ事件の一斉検挙のような出来事が起きたことを思い出すのは良いことだと思います。これを記憶し、多少なりとも同じようなことがある時に気をつけなければいけません。これはまた選択に関する作品でもあります。なぜあの消防士は突然反抗して囚人たちに水を飲ませたのでしょうか? そしてなぜ憲兵は与えられた命令が非人間的であるにも関わらず、それに従ったのでしょうか? この作品は私たちには常に選択肢があることを教えてくれます。これを覚えていることが大事で、今までのどの時代にも、過去にも現在にも、そして残念ながら未来にも、これが真実であると」

――もしこの冒険の一つのイメージ、一つの瞬間だけを持ち続けることができるとすれば?

「そうですね。脚本を読む前にローズと過ごした午後です。まずこれは一人の女優にとって象徴的な瞬間でした。何かが始まる瞬間です。出演をしたいと思い、役や場面に思いを巡らすのです。欲求を持ち、約束をし、信頼をするのです。そしてローズが話し、見せてくれた全てのことに本当に心を打たれたからです。彼女が語ってくれた話ごとに全身が震える思いをし、涙があふれました。これらの話を彼女は情熱を持って心を打ち込んで話してくれたのです。彼女は既にそれぞれの場面をどのように撮影したいのかがわかっていました。自分がやりたいことがわかっており、当てにすることができると感じ、信頼をし、全てを与えることを不安に思わなくても良い監督と一緒にいることはとても心地良い感覚をもたらすのです」

戦後50年を経た1995年、フランスは時の大統領シラクが正式にユダヤ人に対して謝罪を行った。それまでヴェルディヴはフランスにとってまさに負の歴史だった。正しい歴史を闇に埋もれさせることなく、真実を伝えていくことは本当に難しい。特に国家どうしの戦争ともなるとなおさらだ。本作に政治的意図は全くない。ただ世界が二度と過ちを繰り返すことのないよう願いを込め、真実の物語を人々に伝えるだけだ。国籍に関係なく、是非とも多くの人に見てもらいたい。【Movie Walker】

★インタビューPART1はこちらから

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