ドラマ「コヨーテ、海へ」DVD化記念で堤幸彦と佐野元春がトークセッション

トークセションに出席した堤監督と佐野
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WOWOWでことしの1月に放送されたドラマ「コヨーテ、海へ」がDVD化されたのを記念して、都内で上映会とトークイベントが開催された。本作は、'80年にデビューしたミュージシャン・佐野元春の30周年アニバーサリー企画作品。彼の楽曲に常にインスパイアされてきたという映画監督の堤幸彦が佐野のアルバム『COYOTE』からイメージされた情景を映像化したもので、佐野自身が音楽監修として参加している。物語の内容としては、親子がそれぞれ別々の場所に旅に出るロードムービー。父親の北村(佐野史郎)は、ある思いを秘めブラジル南部にあるポルトアレグレ空港に降り立ち、観光地でもない突堤の先端を目指す。一方、北村の息子・ハル(林遣都)もニューヨークへ渡航。父親の押し入れの中にあった写真を手掛かりに、現地の案内役を買って出た女子大学生・デイジー(長渕文音)の助けを借りながら、父親が若かりしころに訪れた場所で60年代のカウンターカルチャー“ビート”の面影をたどる。

上映会のあとには、堤監督と佐野のトークセッションが開催された。堤監督は、ニューヨークにいたころ佐野の「VISITORS」などに背中をおされ、力をもらっていた思い出をブログに書き、それがスタッフの目に止まったのが映像化のきっかけと逸話を披露。それを受けた佐野も、そもそも『COYOTE』は映画のサウンドトラックのようなアルバムが作りたいと思い、登場人物などを考えながら作っていたため、堤監督から映像制作の話を受けた時は「これは偶然ではない」と思ったそうだ。さらに、自分は音楽表現、堤監督は映像表現とそれぞれの表現方法から『COYOTE』を解釈してみるのも有意義だと感じたことも企画に感心を持った一因と語る。

当初、堤監督の案ではブラジルのシーンのみだったが、佐野の“若者にもアピールできる作品にしたい”という提案から構想の段階でニューヨークのシーンが追加された。作中でハルが訪れた“ビートの聖地”ともいえるポイントは、まさに佐野がニューヨーク在住時に足を運んだ場所だ。それだけに「懐かしかったですし、ウッドストックの場所もよく行っていましたので、初めて見た作品ではないような気がしました。ポエトリーベネフィット(自分の思いを詩で表現するイベント)において、ハルがデイジーの助けで言葉の壁を越えるシーンは素晴らしいと思いました。僕もセントマークスチャーチでポエトリーベネフィットに参加していましたから」と、佐野にとっては映し出される風景は思い入れが深く、作品の完成度の高さにも深い感銘を受けたようだった。

一方、撮影中の苦労を聞かれた堤監督は「ブラジルでおなかを壊したことくらいです。本当に楽しかった。デジタル一眼レフカメラの動画機能で撮影し、10人くらいのスタッフでした」と大規模な撮影部隊を率いることが多い監督にとっては、少人数での撮影は新鮮な経験になったという。

こうなれば佐野の楽曲をモチーフにしたさらなる映像化が期待されるが、佐野自身はニューヨーク時代、「'83年に北米でMTVを設置していたころから、音楽と映像のコラボレーションを目の当たりにし、両者の可能性は底なしだと感じた」といい、「堤監督とも何か有意義なコラボレーションができれば」と意欲を示した。

「コヨーテ、海へ」
発売中
セルDVD(本編+特典映像2枚組):4700円(税抜)

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