第84回アカデミー賞ノミネーションは例年以上に波乱含み!レオ、スピルバーグ嫌いが鮮明に!?

第84回アカデミー賞ノミネーションは例年以上に波乱含み!
  • 第84回アカデミー賞ノミネーションは例年以上に波乱含み!

現地時間1月24日に発表された第84回アカデミー賞ノミネーション結果は、例年以上に波乱含みとなった。

もともと、ゴールデングローブ賞(以下、GG賞)を主催する外国人記者クラブのメンバーとアカデミー協会の会員には、その趣向に大きな隔たりがあると言われている。そして今回もレオナルド・ディカプリオ、スティーブン・スピルバーグ監督、アンジェリーナ・ジョリー、マドンナなどの大スターが姿を消したほか、ジョージ・クルー二ー監督作『スーパー・チューズデー 正義を売った日』、『ドライヴ』が総スカン状態となった同ノミネーション結果のサプライズを、他の各映画賞も鑑みながら、ハリウッド・レポーター誌などの記事を中心にまとめてみた。

まずは何と言っても10作品であるはずの作品賞が、9作品だったことが挙げられる。最後の1本が絞れなかったのかどうかはわからないが、順当に『アーティスト』『戦火の馬』『ファミリー・ツリー』『ヘルプ 心がつなぐストーリー』『ヒューゴの不思議な発明』『マネーボール』『ミッドナイト・イン・パリ』そして大方の予想通り、アカデミー会員が好む『ツリー・オブ・ライフ』がノミネーションされたほか、こちらも会員好みでGG賞では総スカンをくらったスティーブン・ダルドリー監督作『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』が駆け込んだ。一方で、過激な『ドラゴン・タトゥーの女』が落選、スパイスリラー『裏切りのサーカス』やコメディ『Bridesmaids』も落選している。これも“らしい”結果と言えるかもしれない。

作品賞もさることながら、この趣向がはっきり現れたのは監督賞だろう。確実視されていたマーティン・スコセッシ、ミシェル・アザナヴィシウス、アレクサンダー・ペイン、ウディ・アレンの4監督で、残り一席を奪ったのは全米監督組合賞にノミネートのデヴィッド・フィンチャーではなく、テレンス・マリックだった。アカデミー会員のテレンス好みは有名で、作品賞に『ツリー・オブ・ライフ』がノミネーションされることは予想できたが、監督賞のノミネーションは想定外の結果となった。

主演女優賞では、ベテランのグレン・クローズがティルダ・スウィントンとのバトルに打ち勝って6回目のノミネーションを果たしたほか、助演男優賞では有力候補の一人だった『ドライヴ』のアルバート・ブルックス、助演女優賞では『ファミリー・ツリー』のシェイリーン・ウッドリーが落選した以外、ほぼ想定内の展開だったと言えよう。

そして、今回一番のサプライズとなったのは、やはり主演男優賞だった。最近の予想からありえる結果であったものの、レオナルド・ディカプリオが落選した。『タイタニック』(97)が同賞で各部門のノミネーションを席巻した際に、レオだけが主演男優賞候補から外れたのは記憶に新しいが、今回はクリント・イーストウッド監督や作品賞など、どの部門にもノミネーションされていないことから、状況は大きく異なっている。またノミネート確実と言われていたマイケル・ファスベンダーもまさかの落選。しかし、マスタベーションシーン満載の同作で、生身の人間と心を通わせることができないセックス中毒症を演じたマイケルの演技がアカデミー会員の心に響かなかったのは、驚くべきことではないかもしれない。そんなふたりに代わって、メキシコ人俳優のデミアン・ビチル、そしてベテラン俳優のゲイリー・オールドマンが53歳にして初ノミネーションを果たしている。

アニメーション賞部門では、『カーズ2』とスピルバーグ監督『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』がまさかの落選だったほか、外国語映画賞も最有力候補の『別離』以外の4本が総入れ替えとなり、アンジェリーナ監督作やペドロ・アルモドバル監督作はノミネーションされなかった。また、GG賞でマドンナとエルトン・ジョンがバトルを繰り広げ、マドンナがトロフィーを手にした歌曲賞では、どちらも落選となった。

今回、シリーズ最終章として『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の行方が注目を集めていたが、視覚効果賞など3部門にノミネーションされたものの、シリーズ最終章となった3作目にして作品賞と監督賞をダブル受賞した『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』(03)と異なり、シリーズ最後まで作品賞にノミネーションされることはなかった。

スターパワーを好むGG賞と結果が違ったり、ジャンルによってアカデミー賞の候補から外れるのは想定内の結果かもしれないが、改めて映画界の最高峰であるアカデミー賞の特殊性を知らしめる結果となった。

授賞式は9回目となるベテラン、ビリー・クリスタルの司会で現地時間2月26日(日)にコダック・シアターで開催される。今年で劇場との10年の契約が切れるだけではなく、同劇場を所有するイーストマンコダック社が破産申請を行ったことも重なって、同劇場でのアカデミー賞は最後となる可能性が高いことから、例年にも増して感慨深い授賞式になりそうだ。【NY在住/JUNKO】

キーワード

関連記事

[PR] おすすめ情報