『アジアの純真』の片嶋監督、沖縄で主演・笠井しげの成功を願う!

舞台あいさつに登壇した片嶋一貴監督
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やり場のない怒りを抱えた高校生カップルの逃避行を描いた映画『アジアの純真』の舞台あいさつが、5月20日に沖縄県那覇市の桜坂劇場で行われ、片嶋一貴監督と脚本の井上淳一氏が登壇した。『アジアの純真』は、双子の姉を暴漢に殺害された在日朝鮮人の少女と、その殺害現場に居合わせながら、何もできず被害者を見殺しにしてしまった高校生の少年が、事件に無関心な世間に復讐することで、世界を変えようとする物語。過激な表現をふくんだ内容から、完成後2年以上も公開されなかったという問題作だ。

舞台あいさつに登場した片嶋監督は、穏やかな笑顔で「沖縄での上映を本当に嬉しく思っています。きれいなシネコンで、しかもコアな映画もやっているこんな劇場で、この映画が上映されたことを大変幸せに感じています」とあいさつ。また、井上氏が「この映画が完成したのが2009年。2年間も公開劇場が見つからず、つい先日も某劇場で上映を断られたばかりなんですが、ついに沖縄の地を踏むことができました。お世辞ではなく本当に嬉しい。なかなか口当たりのいい映画とは言えませんが、最後まで楽しんでください」と、感激したようすで続けた。

名古屋、大阪、京都など各地を自腹を切って舞台あいさつに奔走したという井上氏は、見覚えのある観客を見つけ「(主演の)笠井しげのファンとは全国でお会いしていますね。ありがとうございます」と、客席に向かってひとこと。すると、突然1人の男性が立ち上がり、「この子、誰かに似ていると思いません?」と指さす先に、ウィッグと帽子で変装していた笠井が。何も知らされていなかった片嶋監督と井上氏は驚きの声をあげた。

このサプライズ登場に、少々硬かった2人の表情に笑みがこぼれた。「びっくりして汗が出てきた」と、苦笑いの井上氏に「主演の笠井しげです。今から映画に出てきます」と紹介され壇上に上った笠井は、「沖縄は初めて来たんですが、雨でどこへも行けなくて、お酒ばかり飲んでます」と観客を笑わせたあと、映画について「見た人次第の映画です。感想はバラバラで、よかったと言う人もいればその逆もいます。それは人それぞれなので、つまんなくても最後まで見て頂ければ嬉しいです」としっかりとした口調で話した。

寒い時期に行われた撮影はかなり過酷だったようで、そのことに話がおよぶと、笠井は「朝食のおにぎりがおいしくなくて…」と回想。すると「スタッフが用意した劇中の料理を、お前、本気で食べてたよな!」と片嶋監督がすかさずつっこみ、仲の良さをうかがわせた。また、今後、テレビドラマの仕事が控えているという笠井に「お前が有名になるのを期待している」とエールを送った監督。一変して真剣な表情で話す姿に「がんばります」と笠井がこたえた。

現在、沖縄で『完全なる飼育』シリーズの最新作を撮影中という片嶋監督は「今までこのシリーズの舞台は雪山だったり、東京だったりしたんですが、今回は初めての南国もの。今まさに撮影中で、みんなボロボロなんですが、僕だけ元気です!」とニヤリ。「おそらく来年の公開になると思う。ぜひ見てください」と、ちゃっかり新作の紹介も付け加えた。

最後に井上氏が「この規模の映画は日本でたくさん作られてますが、人知れず消えてしまう作品がほとんとです。そんな中この作品は沖縄まで来ることができた。興業は苦戦すると思いますが、おもしろくてもつまらなくてもいろんな人に宣伝してください。人に見てもらうことで映画は完結します。今日はありがとうございました」と話すと、片嶋監督が「人に見てもらって何かを感じてもらうことで映画は完結する。ぜひ何かを感じて、それをほかの人に伝えてほしい。そしてまた来年こちらでお会いできれば嬉しい」と締めくくり、会場から大きな拍手を送られていた。【東京ウォーカー】

『アジアの純真』
監督:片嶋一貴
脚本:井上淳一
エグゼクティブプロデューサー:小曽根太、石川始
プロデューサー:木滝和幸、門馬直人
撮影:鍋島淳裕
美術:佐々木記貴
音楽:ken sato
録音:臼井勝
照明:堀口健
編集:福田浩平
ライン・プロデューサー:安藤光造
助監督:茶谷和行
SFX・VFX・特撮:柳隆
スケジューラー:江良圭
キャスト:韓英恵、笠井しげ、黒田耕平、丸尾丸一郎、川田希、澤純子、パク・ソヒ、白井良明、若松孝二
(2009年・日本・108分)

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