ひっぱりだこの宮藤官九郎が次に挑むのは“パンク”!

パンク・ファンをうならせる劇中の小ネタも必見
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 監督第1作「真夜中の弥次さん喜多さん」('05)が大ヒットを記録した宮藤官九郎監督。そんな彼の監督第2作「少年メリケンサック」は宮�あおいを主演に迎え、クビ寸前のレコード会社のOLと常識はずれなオッサンパンクバンドの珍道中が展開! 宮藤監督が待望の新作について語ってくれた。

──「少年メリケンサック」は監督による完全オリジナル脚本で、テーマは“パンクパンド”。パンクのどんなところに魅力を感じたんですか?

「15、6歳の時に、パンクを題材にした石井聰亙(そうご)監督の映画『爆裂都市 BURST CITY』('82)を観て、内容は2時間ずっと暴れているといっても過言ではないほど(笑)、ほとばしるエネルギーを感じたんです。それに当時、ザ・ロッカーズのメンバーだった陣内孝則さんやルースターズの大江慎也さんたちにパンクの生々しさを感じて“本当にこの人たちはヤバイんだろうな”って衝撃を受けて。きっと自分自身もそういう“生々しさ”を求めていたんだと思います」

──今回、そんなパンクなイメージとは正反対の清純派・宮�あおいさんをヒロインのかんな役に迎えたのはなぜですか?

「あおいちゃんはこれまでコメディをやったことがなかったし、パンクっていうイメージから遠い人がいいなと思ったんです。物語自体もヒロインの“パンクって何ですか?”っていうところから始まっているし、相容れない人が最終的に“パンクっていいかもしれない”となるところまでを描きたかったし…。それに、彼女の芝居にはウソがないと感じたんですよ」

──宮�さんがものすごくハイテンションで、コメディエンヌぶりを発揮していて新鮮でした。

「あおいちゃんに対して、演技について具体的な指示はしていなくて、現場で“もっとこうやったらおもしろくなるんじゃないかな”って一緒に役を作り上げていったんです。そうしているうちに“かんな”みたいな女の子ができちゃったっていう。僕は人間っていつも気分で行動していると思うので、台本でもかんなの行動はつじつまが合っていないままにしているんです。でも、それをお芝居によって1本筋を通すというのは意識していました。僕みたいな演出の仕方がいいのかどうかは分からないけれど、こういう方法でしか僕はできないんですよ。だけど、今回はその演出がバッチリとハマったと思います」

──意外なキャスティングといえば、オッサンパンクバンドのメンバー、凶暴な秋夫を演じた佐藤浩市さんもですね。見た目があまりにもボロボロでびっくりしました(笑)。

「佐藤さんはもともとロックが好きな人だったので、話は早かったですね。お会いして“見た目は(セックス・ピストルズの)シド・ヴィシャスなんですけど、どうにもダメなオッサンなんです”って2〜3分話をしただけで、分かっていただけました。本当に一瞬一瞬を生きている役柄なので、たぶん佐藤さん自身もお芝居で役のつじつまを合わせようっていう意識がなかったと思います(笑)。だからこそ、ハチャメチャでおもしろいんですよ」

──“一瞬一瞬を生きる”…まさにパンクの持つ“初期衝動”にもつながりますね。

「そうですね、それが顕著に現れているのが秋夫かもしれないです。集合時間にちゃんと集まるような人よりも、どうしようもなく手に負えないヤツほど、僕はおもしろいなと思うし目が離せない。カッコ悪いところもパンクのいいところだと思っているんですよ。僕はパンクのかっこよさだけじゃなくて、ダメな魅力も描いた映画を作りたかったんです」

【関西ウォーカー】

■映画情報
「少年メリケンサック」
監督・脚本:宮藤官九郎
出演:宮�あおい 佐藤浩市 木村祐一 田口トモロヲ 三宅弘城 ユースケ・サンタマリア 勝地涼('09東映)125分
公式HP:http://www.meriken-movie.jp/
※梅田ブルク7ほかにて上映中

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