堺雅人&香川照之&広末涼子が絶賛!内田けんじワールドの魅力に迫る

『鍵泥棒のメソッド』の堺雅人、香川照之、広末涼子にインタビュー!
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『運命じゃない人』(04)、『アフタースクール』(07)の内田けんじ監督待望の新作『鍵泥棒のメソッド』(9月15日公開)が完成した。過去二作でも全てがひっくり返るような見事な構成力で、観客を気持ち良いほどにだましてくれた内田監督。本作では、実力派俳優の堺雅人、香川照之、広末涼子をキャストに迎えるが、彼らもその緻密で絶妙な脚本に舌を巻いたという。3人を直撃し、内田ワールドの魅力に迫った。

人生が入れ替わってしまったふたりの男と、婚活中の女性が巻き起こす騒動を、笑いとサスペンスを交えて描いた本作。第15回上海国際映画祭では、日本映画として初の最優秀脚本賞を受賞している。堺は「内田監督の現場は楽なんです。監督の指示が的確で、言われたことをやっていれば絶対に面白いものができるという信頼がある。気を付けたことと言えば、遅刻をしないことくらい」と語る。広末も「監督の中で、演出もカット割りも、イメージがしっかりとでき上がっているんです。自分の今までにないものを、たくさん引き出していただきました」とうなずいた。

一方の香川は、現場に入るまでの心持ちを明かしてくれた。「僕はすごく怖がりなので、いつもカッチカチに、死ぬほど台本を覚えて現場に行くんです。今回は、それを一枚増やして臨みました。監督が4年間も転がした脚本。自分のところだけを覚えて行くような俳優では太刀打ちできないですよ」。それは、ベテラン俳優としても刺激になる脚本だと続ける。「それにね、意外と俳優って、セリフを記憶しているかどうかで決まる。言葉を自分のコントロール下に置いて、それらを全て支配し切っているかどうか。オリジナルの脚本の場合はそれが特に要求される。俳優はほとんどが肉体作業ですが、何回かに一度、そういった知的作業に登らなければならない脚本に出会います」。

実際にはどのような脚本、演出なのだろう?堺は、こう語る。「本当に具体的なんです。走ってやって来て、ここに座って、ふぅふぅと息をついて、この人を気にしながら、これをやってくださいっていうようにね。内面も監督にお預けしているんですね。そこに葛藤は何もない。こんな現場は、死ぬまでにあと一回あるかないかじゃないかな」。香川は「監督の演出を受けて、脚本を読み込めていなかったことに気付いた」と話す。「たとえば、監督に『“この人の方向を見て話してください』と言われたとする。良く考えたら、この会話なら当然この人を見るなあ、ということが、脚本に書いてあるんです。感情で押し切ろうとせず、そこまで読み込めて初めて脚本を読めているということなんだな、と久しぶりに気付かされました」。

それは、若い頃のキャリアに戻ったようだったという。「自分のキャリア的なものをドロドロドロッと出せば、その人の方向を見なくても、芝居は成立しちゃうんですよね。人間は自分のことが可愛いから、自分にだけフォーカスを当てて、周りを見ていないんです。でも内田監督は、上から“神の視点”としてとらえている。だから、『こうしてください』っていうことが的確。多くの監督が見逃して、成立させてしまうところを、内田監督は具体的に指摘してくれるんです」。

広末も大きくうなずきながら、「“この人を見て話す”とか、そういう“視点”でも、登場人物の性格を表現できるんですよね。性格を表そうとすると、自分ばかりを見てしまうのですが、監督に言われた動きをすることによって、その人の不安や揺れる気持ちまでを表現できる。動きで具体的に説明してくださることによって、感情表現もできて、その役になりやすいんです」。香川が「何だろうね、あの感じは。内田さんの脚本だから成立するのか、他でも通用するのかわからないけれど」と言うと、堺は「でも、次にこのやり方で挑んで火傷したら、大火傷ですよ!」と答え、3人で大爆笑。香川は「そういった意味では、キャリアがないと太刀打ちできないスタイルなのかも。何らかのエンジンが入っているっていう状態でないと駄目。そこも含めてキャスティングされているんじゃないかな」と、内田ワールドに飛び込んだ感想を話してくれた。

イメージした“形”を、練り上げた脚本と的確な演出で作り上げていく内田監督。完成披露の場では「脚本の完成までには、吐いたり、泣いたりと色々あった」と話した。妥協せず、真摯に作品に向き合う姿に、堺も「監督から声がかかれば明日からでも行きたい!」と手を挙げるなど、3人がこぞって絶大な信頼を寄せている。是非とも、巧みで鮮やかな“内田ワールド”を堪能してほしい。【取材・文/成田おり枝】

堺雅人  スタイリング:Katsushi Tochi ヘア&メイク:Kazumi Yasuda(SHIMA)
香川照之 スタイリング:Miyuki Tashiro(STUDIO QUE) ヘア&メイク:Ryuji Nakashima(HAPP'S.)
広末涼子 スタイリング:Machiko Hirano(NOMA) ヘア&メイク:Tamae Okano(STORM)

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