会場が歓喜の涙!TIFFコンペ作品『フラッシュバックメモリーズ 3D』ティーチインに感動

『フラッシュバックメモリーズ 3D』の舞台挨拶が開催
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第25回東京国際映画祭コンペティション作品『フラッシュバックメモリーズ 3D』(2013年1月公開予定)の舞台挨拶が、10月26日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。上映後、割れんばかりの拍手が鳴り響くなか、松江哲明監督、ディジュリドゥ・アーティストのGOMAが舞台挨拶とティーチインに登壇。追突事故で高次脳機能障害を負ったGOMAの葛藤と苦悩、再生と、ディジュリドゥの雄々しい音楽をフィーチャーした本作。GOMAは「人生、終わったかと思ったけど、ほんまに諦めんで良かった。こんな仲間と出会えて」と、涙ながらに挨拶。松江監督も観客ももらい泣きし、会場は大きな感動に包まれた。

ティーチインでは、感無量で感想を訴えかける観客の姿が印象的だった。「GOMAさんを見ていると、自分は何てちっぽけな男なんだろうと思いました」という声や、「ものすごく感動しました。3Dは好きじゃないんですが、もはやこれまでの3D映画とは別次元のものに昇華していた」といった意見に、松江監督たちも大いに手応えを感じていた。

松江監督は、本作への思いをこう語った。「軸になったのは、GOMAさんが作られたドキュメンタリー。前半の歴史を振り返る映像は、ほとんどGOMAさんが撮ったものだし。100時間以上の素材や、GOMAさんや奥さんの日記など、素材は膨大にありました。いろんな描き方があったと思いますが、僕は震災後、GOMAさんのライブで音楽を聴いて感じたエネルギーや、GOMAさんの日記、奥さんの言葉が力になったので、それを描こうと思いました」。

GOMAは松江監督に対して、「ただただ、もう感謝の気持ちしか出てこないです」と言葉をかみしめながらコメント。「やっぱり、事故をすごく恨んでいたんですが、事故っていつ誰が遭うかわからないことだし、事故から3年、こうして新しい仲間もでき、自分も絵を描き出したりとか、今、ふっと振り返ると、事故がなければ、この仲間の輪はできてない。今日見ていて、本当に諦めなくて良かったなと。今日、ここにいるってことに感動しています」。

また、最後のGOMAの挨拶が良かった。「この映画をすごく見てもらいたい人がいるんです。けど、映画を見てもらうと、サンタさんが僕やったとばれてしまう(苦笑)。でも、彼女がいなかったら、僕は今、ここにいなかったと思うので。もうちょっと大人になってから見せた方が良いのかな?近いうちに見せたいと思います」。そう、彼女とは愛娘のことである。

会場がゲストと一体化した舞台挨拶とティーチイン。松江監督は、会見でもこう語った。「この映画は、震災の後に作ったことが僕自身、大きくて。今をちゃんと見る強さ、漠然とした未来ではなく、過去を踏まえての今なんだ。それを映画を作りながら僕自身が気づきました」。アーティストの音楽と人生をフィーチャーした本作は、見終わった後、勇気とパワーを与えてくれる快作となった。【取材・文/山崎伸子】

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