2013年、アメリカ映画業界の傾向はますます保守的思考へ

今年公開映画の31本が続編もの(『ウルヴァリン:SAMURAI』)
  • 今年公開映画の31本が続編もの(『ウルヴァリン:SAMURAI』)

2012年度の年間全米興行収入は、2009年に打ち立てた金字塔を破り、歴代最高記録を樹立する快挙を成し遂げたが、2013年の映画業界は、2012年の記録を破るために、どのような傾向があるのだろうか。

デイリー・テレグラフ紙の分析によれば、「2013年に公開される31本の映画が続編、17本がリブート映画ですが、これはスタジオやプロデューサーが、2012年に大型予算を費やした新作を製作して大コケした経験から、リスクを取らずに確実にヒットを狙える作品をラインナップしていることの表れ」だという。

スピンオフを入れると『X-メン』シリーズとしては6作目となる『ウルヴァリン:SAMURAI』(全米7月26日、日本9月6日公開)、『ワイルド・スピード』シリーズ第6弾『Fast and Furious 6』(全米5月24日公開)、ブルース・ウィリス主演のシリーズ第5弾『ダイ・ハード ラスト・デイ』(2月14日日米同時公開)、『最終絶叫計画5』(全米4月12日公開)、『パラノーマル・アクティビティ6』(全米10月25日公開)などシリーズ、5、6弾の公開が目白押しだ。

また『The Hangover Part III』(全米5月24日公開)、『アイアンマン3』(全米5月3日、日本4月26日公開)、『Bad Santa 2』(全米2013年公開)もシリーズ第3弾で、『The Smurfs 2』(全米7月31日公開)、『G.I.ジョー バック2リベンジ』(全米3月29日、日本6月公開)も続編となっている。

ハリウッドが失敗の教訓とした作品の代表は、古典SF小説「火星のプリンセス」原作で、スタジオ幹部が引責辞任する事態にまで発展したディズニー映画『ジョン・カーター』や、ユニバーサル・ピクチャーズ100周年記念作品で、製作費2億ドル以上が投入されたSF映画『バトル・シップ』だという。リアーナを迎えた同作は、浅野忠信も出演したことから日本でも話題となったが、北米での成績が振るわず、失敗作の烙印を押されている。

ワーナー・ブラザーズが手がけたSF映画で、アカデミー俳優のトム・ハンクス、ハル・ベリー主演の同タイトルの原作の映画化『クラウド アトラス』もしかりだ。ドル箱スターと言われているトム・ハンクス主演作だけに、スタジオ側の失望感も大きかったようだ。

また子供向けで製作費2000万ドルを費やした『The Oogieloves in the Big Balloon Adventure』の興行成績は、わずか100万ドルと振るわなかったケースもあった。

これについてザ・インターネット・ムービー・データベースのエディターは、「最終的に観客は、自分たちが知っているもの、失敗しないとわかっているものを見に行くのです。かつて続編が前作の質を上回ることがないと言われていた時代もありましたが、昨今はその逆で、興行成績も前作を上回るケースが多くなっています。スタジオ側の傾向は、過去の教訓から、失敗しない無難路線をとらざるをえないのです」と同紙に語っている。

『96時間』(08)の予想外の大ヒットを受け、批評家から「ぎこちなくてばかげている」と痛烈批判を受けたリーアム・ニーソン主演の続編『96時間 リベンジ』(日本1月11日公開)も4500万ドルの予算で、3億6500万ドルを稼ぎ出す大ヒット、続編『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』(11)も、シリーズ第1弾『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(09)の4億6700万を越える5億8100万ドルを稼いだのは一例だが、昨今の続編製作に拍車をかける結果となっている。【NY在住/JUNKO】

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