『ドロップ』品川ヒロシ初監督作インタビュー 1/2

品川ヒロシが、自らの同名原作小説を自身の手で脚本・映画化
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■青春ヤンキー映画『ドロップ』が“生きのいい”理由

ヨシモトの人気芸人・品川祐こと品川ヒロシの初監督映画『ドロップ』は、青春ヤンキー映画のツボをきっちり押さえたエンターテイメント作品となっている。ヨシモトwithヤンキー映画といえば、島田紳助主演の『ガキ帝国』(81)、ナインティナインがブルーリボン新人賞を受賞した『岸和田少年愚連隊』(96)など青春の光と影を映し出した佳作が少なくない。

品川ヒロシの同名原作小説を自身の手で脚本・映画化した本作は、暴走族の総長という経歴を持つ「若月」の若月徹や、「ピース」の綾部祐二、ゲイファッションを脱いだ「レイザーラモンHG」こと住谷正樹らヨシモトの若手芸人たちが愛すべきヤンキーを演じ、『ドロップ』の世界にリアリティーを与えている。

「ヨシモトの若手は、以前から知っていた奴らなんです。ワン公役の徹はマジでヤンキー上がりだし、無邪気に笑う表情がワン公のモデルになった人物に似てるんです。万引きの常習犯・ルパンを演じた綾部はお笑いではツッコミ役なんで、綾部の出演が決まってからツッコミの台詞を増やしました。レイザーラモンHGは芝居ができるかというより、プロレスラーとして体が動くことが決め手でした。アクションシーンは期待通りでした」

東京NSC(吉本総合芸能学院東京校)1期生の品川ヒロシだけに、NSCの後輩にあたる若月や綾部のキャスティングはまさに適役。ヨシモト以外では、『パッチギ!』(04)ほかヤンキー映画の常連である波岡一喜が専業俳優らしい渋みを発揮している。ちなみに主演には品川ヒロシの分身である“口だけ番長”の信濃川ヒロシに成宮寛貴、カリスマヤンキーの達也には水嶋ヒロという豪華二枚看板を投入している。

「もともと成宮くん、ヒロくんの2人とも、ケンカが強くてかっこいい達也役を考えていたんです。脚本を読んだ成宮くんから『ヒロシ役をやりたい』という申し出があり、またヒロくんが達也役OKということで2人の主演が決まったんです。配役に恵まれたのは角川映画の方のお陰。映画はボクひとりで出来るもんじゃありませんから」

高校時代はサッカーの国体選手として活躍した水嶋には格闘シーンで“蹴り”を多用させるなど、演出も役者の素地を活かしたものとなっている。一方、クールな二枚目の印象のある成宮がお調子者のヒロシを演じたことで新鮮味を出すことに成功したといえそうだ。

他校の不良たちとの全面抗争の場面では、鉄パイプや金属バットを手にしてのかなり過激なものになっているが、この点に関して品川監督は慎重に言葉を選びながら答えた。

「ボクらがヤンキーだった80年代は不良が一番荒れてて社会問題にもなっていた時代なんですよね。よくないですよね、鉄パイプを持ってのケンカは…。若い子が真似しようとしたら、『やめた方がいいよ』とボクは止めると思います(笑)。タバコを若い頃から喫うのもやめた方がいいと思うし、無免許運転もやめなよって思います。ほんと、あの頃の自分たちはバカなことばっかりやってたと思いますよ」

長編デビュー作にして、スピード感ある青春映画を撮り上げた品川ヒロシだが、イケイケな内容と裏腹に謙虚な一面を見せるのだった。彼の意外な素顔については、※2/2につづく。【ライター・長野辰次】

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