【本誌連載の拡大版】中村憲剛選手インタビュー(1)

フロンターレ優勝のキーマン、中村憲剛選手がチーム、代表、家族への愛について語る!
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――J1に再昇格して5シーズン目。そろそろ初タイトルを狙いたいですね。やはり重視するのはリーグ戦ですか。

「1年を通して最も力があったチームがリーグ戦を制すると思っています。トーナメント戦というのは勢いというものもあるんだけど、でもいまの僕は優勝できればどのタイトルでもほしいです。欲張りというか…ウチのサポーターは温かかくて、常に助けてもらっている。文字通り支えてもらっているんですよ。ブーイングしないサポーターというのは珍しいんじゃないかな。きょうはむしろブーイングだろう(笑)、と思うような試合もあったんですけど、それでも『次、頑張ろう』って言ってくれるんですよ。それで逆に救われているかな、というところがある。ただ、救われてばかりではいけないので、やっぱり優勝しないと。そこで喜びをわかち合いたいですね」

――J1では昨シーズン惜しくも2位でした。2006年にも2位でしたが、内容に違いはあるのでしょうか。

「2006年はJ1に上がって2年目。最初はすごくいい出だしで、開幕2戦で13点ぐらい取って、波に乗ってそのまま上位戦線に。勢いに乗った結果の2位でした。昨シーズンはスタートでつまづいて、途中でフッキがいなくなって、関さん(関塚隆監督)が辞任して、そこから立て直しての2位。相手に研究されて、強いチームだと周りから認知された中での結果だったんで、地力がついた中での2位だった感じがします。ホントだったら2位になれる成績ではないんですけど、混戦だったので結果的に2位になれました」

――J1は年間34試合。全勝で勝ち点102ですが、ズバリ、優勝への星勘定は。

「20勝しないと厳しいんじゃないかな」

――20勝すると残りは14試合。その中で負けを少なくしていくわけですね。昨シーズンは18勝6分け10敗の勝ち点60でした。

「基本的には全勝したいですけどね。いまはシーズン前だから言えることで、シーズンに入ったらどうなるかわからないけど、やっぱり負けを減らしたいですね」

――20勝すれば勝ち点が60。そこからいかに引き分けを積み重ねられるか。

「現実的な星勘定をすればそうなりますよね。そうすると優勝ラインには行き着くと思うんで。おそらく今シーズンも混戦になると思うんです。各チームの戦力がどんどん均等化されて、アジア枠も新設されて韓国の選手も数多く入ってきていますしね」

――昨シーズン優勝した鹿島は勝ち点63…その差はまさに1勝分でした。

「アントラーズのしたたかさはやはり経験の積み重ねだと思います。優勝をしている、というチームの強みじゃないかな。ウチはまさにいま積み重ねている段階なので。2位の経験ばかりですけど(笑)。ホントにみんな、そういう経験をしてきていますね」

――昨年の10月に、「川崎市ウォーカー」の取材でキャプテンの伊藤宏樹さんに話をうかがった時、「ウチらのサッカーが一番おもしろい」と豪語していました。点を取られたら取り返すと。

「スタジアムに観に来ている人はそれが一番おもしろいと思うんですけどね。勝てばみんな満足はするんですけど、今シーズンは内容も求める試合を増やしていかなきゃいけないと思っています」

――2006年に2位に入った時は「川崎山脈」という言葉もあって堅守速攻のイメージがありました。

「最終ラインにデカい人たちがいたからでしょう(笑)。それはいまも変わらないけど、2006年の時もスタイルは“殴り合い”でしたよ」

――なるほど。昨シーズンの65得点はJ1最多。一方で42失点は、最少の大分(24失点)、優勝した鹿島(30失点)と比べても多い。今シーズンも“殴り合い”は変わらないと。

「それに、よりしたたかさがほしい。調子が悪い試合の中でも、例えば1対0で勝ち点3を取れるかというのがすごく大事になってきます。強いチーム、優勝するチームというのはまずい試合を勝ちに持っていけるから。そういうところの強さというのは昨シーズンは多少は出ていたと思うんです。ただ最後のところで…」

――第29節の清水戦と第31節の大宮戦ですね。痛い黒星でした。

「少なくとも僕が思う中ではそのふたつですね。その試合をやはり勝ちか引き分けにもっていかないと。勝ち点0はきつい。最後は勝ち点差が3とか2とか1の世界だから。無駄な試合はひとつとしてないんですけど、そういう試合をどれだけ減らせるかですね」

――そのチームの中で中村さんはどういう存在に? 入団して7シーズン目。自分の色に染めて、という感じですか。

「そんなね、そこまでじゃないですよ(笑)。もちろん全部の試合に出て、攻守でチームの勝利に貢献できるのが一番いいんですけど、今シーズンはより存在感を出していきたい。みんな個性が強いからね、ウチは。そこをしっかりまとめるのがボランチという自分のポジションの仕事でもあるし。すごくやりがいはあります」

◆プロフィール
なかむら・けんご 1980年10月31日、東京都小平市生まれ。都立久留米高から中央大を経て03年に川崎入団。正確なロングパスと強烈なミドルシュートを武器に日本代表でも活躍。1m75、66kg

◆川崎フロンターレHP
http://www.frontale.co.jp/

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