【WEB連載】田中稲の仮想DJ「昭和歌謡エンドレスリピート」 17曲目「涙と追憶と大暴れの卒業ソング」

間違いなくカワイイ。ため息歌唱法を確立した第一人者、菊池桃子「卒業-GRADUATION-」(1985年/バップ)
  • 間違いなくカワイイ。ため息歌唱法を確立した第一人者、菊池桃子「卒業-GRADUATION-」(1985年/バップ)

卒業シーズンですねぇ。ものすごく個人的で申し訳ないのですが、今年、高校・大学とつるんでいた親友の長女が高校を卒業したという事実を知り、ひええぇ齢食うわけだわ、とミョーにショックを受けた私であります……。

さて、今回のテーマ、卒業ソング。んもう世代別に腐るほど名曲がありまして、なにから紹介してよいやら(滝汗)。困った困ったこまどり姉妹……とネットで、人気投票的なものを調べてみると。

●1位:卒業写真(松任谷由実)

●2位:贈る言葉(海援隊)

●3位:卒業GRADUATION(菊池桃子)

●4位:卒業(尾崎豊)

●5位:さくら(森山直太朗)

おーっほっほ! 上位5位、森山直太朗さんの「さくら」以外は昭和歌謡がふんばっとる、ふんばっとる!! ユーミンの棒読み歌唱なのになぜか心に突き刺さる「卒業写真」、金八っつあんの名場面が同時に頭にちらつく「贈る言葉」はともかく。

菊池桃子の「卒業GRADUATION」が3位!!

高校時代の淡い恋を卒業の時期に振り返る、という甘酸っぱいにもほどがあるこの歌。いやー。メロディを無視してコショコショと囁きかけてくる桃子嬢の歌唱法がクセになる「卒業」は男性だけでなく女性の支持率も高いはず。かく言う私も、これが流行った時、歌詞に登場する「サン・デクジュベリ」というキラキラした言葉はなんぞや!と心を踊らせ、小説「星の王子様」の作者と知って、そりゃ読まねば、と購入し読んだという過去が。そう。私と世界的名著「星の王子様」の出会いのきっかけは菊池桃子だったのである。桃子、ありがとう……。

さて、歌詞を追うと、ヒロインが「あれほど誰かを愛せやしない」と回想する高校時代の恋人とは。

「一行ごとに青いペンで好きだよと書き加えた『星の王子様』を誕生日にプレゼントするような男」。

い、イタイ。ちょいと怖くないかい。いやいやいや。高校時代はこれくらいこっ恥ずかしい恋をした方がいいのだ。それが青春。青春と恥はワンセット……。

そう。恋ならいい。しかーし。4位の尾崎豊の「卒業」はイカン。私、これが流行った時ドンピシャの中学卒業時期だったが、おるのだ。歌を真似して窓ガラス叩いて壊すヤツが!!! 「行儀よくマジメなんてできやしない」だぁ? いやいや、「できない」じゃなくてそれを「する」のが団体生活っちうもんだろうがよ! 尾崎豊は盗んだバイクで走り出したり、反抗の仕方が迷惑千万である。落ち着け、豊。

……といろいろ書いたが、まあ、長く愛されるにはワケがある。彼が思春期のイライラをとても綺麗な言葉に代弁してくれる素晴らしいアーティストだった事は間違いない。

さて、もう一曲。どうしても私が推したいのは斉藤由貴さんの「卒業」。「卒業式で泣かないと冷たい人と言われそう」というフレーズが秀逸だが、「でも、もっと哀しい瞬間に涙はとっておきたい!」という言い分が生意気極まりないというか。この理屈屋さんッ!単に「泣けない」ならそうおっしゃいッ!

さて、なにやら今回はオチがバラバラな気がしますが(とほほ)、今回の締めの一曲は、中島みゆきがぶっ放す卒業ソング、柏原芳恵の「春なのに」で。巷に溢れる卒業ソングと違い、旅立ちの清々しさより鬱々感が全面に出ておるのがまさにみゆき節。余談ですが、好きな人に第二ボタンをもらうのはやめましょう。後々始末に困ります……。

また次回、お会いいたしましょう。田中稲でした。

【文=田中稲】

田中 稲・プロフィール
ライター。1969年生まれ。10年前から「昭和歌謡倶楽部」部長として超個人的に昭和歌謡の面白さを広め続け今に至る。会社案内から取材、アイドル本、都市伝説本などジャンルの垣根無く飛びまわる日々。
提携グループ・サイト「テイクオー・プランニング」http://www.take-o.net/

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