酒女倶楽部の日本酒レポート19本目 ~「花巴」(奈良県)~

吉野の桜をイメージしたラベル。美しい…。
  • 吉野の桜をイメージしたラベル。美しい…。

3月突入!寒さが少しやわらぎ、春、来る?来る?という陽気ですね。ああ、桜の花が待ち遠しい。桜といえば、関西きっての名所が「吉野」。吉野の山を染める三万本桜のすばらしさといったらもう…。これを見ながら日本酒を傾けるのが、この上ない酒女の幸せでございます(遠い目…)。

 さて、そんな桜のふるさと、吉野で作られている日本酒がこちら。「花巴(美吉野醸造)」http://www.hanatomoe.com/ です。このお酒は、わたしが本格的に日本酒を飲み始めたころ、最初に出かけた蔵見学で口にしたお酒です。まだ雪の残るころ、空気がおいしい吉野にでかけ、古い蔵を見せてもらったときの感動は、いまでも忘れられません。わたしたち一般の酒飲みがぞろぞろワイワイズカズカと蔵に入っていっても、いやな顔ひとつしない若杜氏(イケメン!)。雑菌が御法度の蔵に、一般の人が入るのを固く禁じているところもありますが、美吉野酒造さんは違いました。「大丈夫ですよ。人が入ってきたくらいでどうにかなるような酒造りはしてませんから」と笑顔。かっこい〜〜(ほれてまうわ〜)。職人の心意気に触れた気がしました。

日本酒は、空気中にいる微生物との対話であり、切磋琢磨の闘いでもあります。だから、雑菌だらけのわたしたちが立ち入ってはいけない、というのはむしろ当然なんです。でも、酒蔵さんの中には、その雑菌がやってきたとしても、いつもと変わらぬ味を醸せる、というすんごい技を持っているところがある!深い。深いです。日本酒造り。

さて、そんな美吉野醸造さんの看板酒ともいえるのが「花巴(はなどもえ)」。なんかこの名前もステキ。桜にぴったりなネーミングです。もちろん、ステキなのは名前だけではありませんよ。味だって折り紙付きです。ここの蔵さんの特徴は「食事といっしょに味わえる、ほどよい酸味のあるしっかりとしたお酒」です。でもね、わたし的に言わせていただくと、酸味というよりこれは、凝縮されたうま味のアクセント。味が濃いめの料理と合わせても、きちんとバランスをとり、脂っこさといった料理のマイナス要素を補ってくれる。そんな「ナイスサポーターなお酒!」なのです。

そしてそして、この1本は、わたしが大好きな「無濾過生原酒」。原酒、とあるお酒は、たいていアルコール度数が高く、味わいも濃厚ですが、花巴は、こってりとした味わいの中に、どこかすっきりさみたいなものがあるんです。そう、夢のように咲き誇り、ひらひらと散りゆくいさぎよい大和の花「桜」のように。

3月とはいえ、まだまだ熱燗が恋しい季節。体調に気をつけながら、春は花見酒で健全な酔い子になれるよう、コンディションを整えたいですね。みなさんも、日本酒飲んで、元気に晩冬を乗り切りましょう! 

甘さ度★★★★☆ 辛さ度★☆☆☆☆ 女性度★★★☆☆ 男性度★★☆☆☆ ◆合う料理:すきやき、魚介や野菜の酢みそ和え、豚の角煮 ◆このお酒を芸能人に例えると…華やかさとしとやかさの両面を使い分け、相手役とのナイスコンビネーションを見せてくれる美女優「財前直見」さん! ※甘さ辛さ度、女性男性度、合う料理は、すべて高野の独断と偏見です。

【文・写真=酒女倶楽部・高野朋美】

高野朋美・プロフィール マルチメディアワーカー(ライター&カメラマン&Webディレクター)。
1970年生まれ。島根県出身。 静岡新聞社記者、日本消費経済新聞記者を経て、フリーライターへ。 分野を問わないマルチメディアなライターとして業務を行う中、日本酒のすばらしさに目覚め、現在は日本酒ライターとしても活躍。 Facebook「酒女倶楽部」 http://www.facebook.com/sakejyo 公式サイト「おふぃす・ともとも」 http://www.e-tomotomo.com

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