映画「コドモ警察」福田雄一監督インタビュー「福くんは“神が与えた舌っ足らず”!?」

ことしは「コドモ警察」以外にも新作映画の公開が控えている福田雄一監督
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人気子役の鈴木福、本田望結らを迎え、子ども姿の刑事たちの奮闘を描いた映画「コドモ警察」が全国劇場にて公開中。監督を務めたのは「33分探偵」や「勇者ヨシヒコ」シリーズを手がける福田雄一。映画「コドモ警察」キャンペーンのために来阪した福田監督へ、本作の見どころを聴いた。

―全編にギャグが盛り込まれてますね

福田監督(以下、F):「コドモ警察」は刑事もの特有の人間ドラマを、真剣に子どもに演じさせることから生まれるギャップを楽しんでもらいたいと思って作っていました。シナリオだけ読んだら「普通の刑事ドラマじゃん」と思えるような台本にするほうが、映像で見たときにギャップが生まれて面白いんじゃないかなと思うんです。

―これまでの刑事ドラマのパロディやオマージュも面白いですね

F:基本的に「西部警察」や「太陽にほえろ!」、「あぶない刑事」の要素を混ぜて…という感じですね。

―そういう元ネタを出演する子どもたちに見せているんですか?

F:基本的には見せていませんね。ただ福くんには石原裕次郎さんは見てほしいと伝えました。ドラマの撮影初日に僕が福くんに「裕次郎さんは見てくれた?」と聴いたら、「見ました!えーっと、日テレのぉ…ものまね番組のぉ…」と言い出して、「それはまず、裕次郎さんではないよね」と(笑)。だから福くんはゆうたろうさんのものまねはめちゃくちゃ上手いんですよ。

―子役が、“子どもの姿にされた大人”を演じることで、むしろ子役たちの“子どもらしさ”が強調されていました。

F:台本を書いている最中からワザと言いにくい言い回しとか、言いにくい言葉を選んでましたね(笑)。僕は福くんのことを「神が与えた舌っ足らず」と呼んでいるんですけど、福くんが言えるのか、言えないのかギリギリのセリフを一生懸命しゃべる姿が可愛くて仕方ないんですよ(笑)。

―見てるほうも「あぁ…滑舌…」とドキドキしました(笑)。

F:ドラマの初回を見てくれた人たちの印象として「子どもたちのしゃべりがたどたどしい」という声もありましたが、3話目くらいから「福くんのたどたどしい感じがたまらん!」と言ってもらえるようになったんです。ドラマの撮影が終って、映画の撮影に入るまで半年近く時間があったんですけど、僕は福くんがすらすらセリフをしゃべるようになったらどうしようかと不安でした(笑)。

―たどたどしいところがイイというのも俳優としては複雑ですよね。

F:演出はしてますけど、「たどたどしい感じがイイ!」とは言わないじゃないですか。そうすると、事務所の方々やご両親が「監督は妥協しているんじゃないか」と気に病んでいたそうなんです。セリフをスムーズに言えていないというのが、相当心配だったようで。それを知らずに現場での僕は、子どもたちのたどたどしい喋りを「完璧!」とか言いながら喜んでいた(笑)。確かに親御さんに対しては悪質な演出ですね(笑)。

―今回の映画も苦戦しそうなセリフが多かったですよね。

F:今回の映画では「素手で魚を捕まえたいという野望すら抱きつつある」という福くんのセリフがありまして(笑)。現場では狙い通りにたどたどしい感じで喋ってくれたんですけど、川のそばで撮影していたので、せせらぎが入っちゃったんですよね。その部分をアフレコしてもらったんですけど、福くんがそのセリフをわりとすんなり喋ったんですよ。「ここは少し言えてない、たどたどしい感じで言ってもらっていい?」って僕がお願いして撮り直したら、ちゃんとたどたどしい感じでセリフを言ってくれて。ブースから出てきた福くんに「ゴメンねぇ、わざとヘタにやってくれってお願いをしちゃって…」とあやまると、真面目な顔をした福くんに「あんまりこういうことやんないスよ」と言われました(笑)。

―福くん以外にもたくさんの個性的な子どもが出演していますが、キャスティングする上で重視されたことは?

F:子役っぽくないことが絶対条件でしたね。子役を褒めるときに「大人顔負けの~」みたいな言葉があるじゃないですか。それって果たしていいのかなっていう葛藤もありまして。子どもだったら、やっぱり子どもらしい素のままが一番可愛いと思うんですよ。演出家に「泣いて」と言われてすぐに泣けるというのがいいことなんだろうかと考えていたこともあって、「コドモ警察」はそういう風潮に対しての若干の挑戦状ではあったと思います。「コドモ警察」に出演してくれている子どもたちは、素の部分を大事にしている子役なんですよね。彼らが作品に参加してくれているので、ドラマや映画にいい空気感が生まれているんだと思います。

【取材・文=関西ウォーカー編集部・鈴木大志】

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