美しすぎるカンフーはまるで舞踏!?アクション映画に新機軸誕生の予感

全身に緊張感が張り巡らされた動きはまるで一流のダンサーのようでもある
  • 全身に緊張感が張り巡らされた動きはまるで一流のダンサーのようでもある

映画のアクションシーンといえば、カーチェイスや銃撃戦、日本刀を使った殺陣など様々だが、日本人になじみのあるアクションの一つにカンフーがある。古くはブルース・リーの、あるいはジャッキー・チェンの映画で炸裂する中国武術のアクションは未だに根強い人気だ。そんななか、5月31日(金)公開の『グランド・マスター』ではカンフーの持つ美しさが追求され、新しいカンフーアクションの到来を予感させる仕上がりになっている。

ブルース・リーの師匠で、詠春拳の大家として知られる、伝説の武術家・葉問(イップ・マン)の半生を描いた本作。劇中、グランド・マスターの座をかけて、各流派の武術家たちが激しい戦いを繰り広げるのだが、この戦いがとにかくすごいのだ。素早いカット割りとスローモーションが多用され、独特の間によって緊張感が高まり、まるでアート映画を見ているかのよう。

飛び散る水しぶきの一滴が落ちるまでの間に、拳と拳がぶつかり合い、人間が回転し、馬車が潰れる様は、現実的にはありえないアクションなのだが、ひたすら格好良く映し出されている。独特の映像世界で知られる巨匠ウォン・カーウァイと、『マトリックス』(99)の武術指導で知られるユエン・ウーピン、2人の才能が融合した渾身のバトルシーンだ。その華麗さは、もはやカンフーというより、前衛的なダンスのようにも感じられ、一般人には再現不可能な動きで武術家たちが美しく舞い続ける姿に目を奪われてしまう。

このアクションを可能にしたのは、キャストの力によるところも大きい。実は、撮影の準備段階で出演者たちは各流派の宗師に正式に弟子入りしており、主演のトニー・レオンは4年の訓練期間中、2度も骨折するなど、その壮絶さがうかがえる。八極拳の使い手を演じたチャン・チェンも訓練に余念がなく、何と流派の全国大会で優勝してしまったほどだ。長期間の訓練で本当に武術家になった彼らの動きが、この映画に圧倒的な説得力がもたらしていると言えよう。

構想17年、撮影3年をかけて徹底的にこだわり抜いた『グランド・マスター』。『マトリックス』以降、そのすさまじいアクションとカメラワークに影響を受けたアクション映画が大量に作られただけに、本作が今後のアクションの潮流を作るかもしれない!?【トライワークス】

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