なぜオスカー有力候補作が次々と公開延期?

J・クルーニーが製作・監督・脚本・主演の4役をこなす『ミケランジェロ・プロジェクト』は日本で2014年春公開予定
  • J・クルーニーが製作・監督・脚本・主演の4役をこなす『ミケランジェロ・プロジェクト』は日本で2014年春公開予定

今年も残すところ2か月を切り、アカデミー賞の候補作予測が徐々に絞られつつあるが、そんななか各カテゴリーで同賞の最有力候補と言われていたマット・デイモン、ケイト・ブランシェット出演、ジョージ・クルーニー主演&監督作『ミケランジェロ・プロジェクト』、ホアキン・フェニックス、マリオン・コティヤール出演、ジェームズ・グレイ監督作『The Immigrant(原題)』、スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム出演、ベネット・ミドラー監督作『Foxcatcher(原題)』、そして、ニコール・キッドマンがモナコの王妃で故グレース・ケリーを演じている『Grace of Monaco(原題)』などの公開が、続々と延期されるという異例の事態が起こっている。

これらとは反対に、もともとオスカー最有力候補と前評判の高かったレオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーティン・スコセッシ監督作 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、公開を2014年に先送りするのではないかと噂されていた矢先、12月25日公開にすることで堂々オスカーレースに参戦することになった。

一方で、『ミケランジェロ・プロジェクト』はVFXの遅れを理由に公開を来年2月に、『Foxcatcher(原題)』のベネット・ミドラー監督も、編集に時間を要するという理由で公開を2014年に持ち越したほか、オスカーの常連のハーヴェイ・ワインスタインが手掛け、オスカーを視野に第66回カンヌ国際映画祭に出展された『The Immigrant(原題)』と、同映画祭で予告編が公開された『Grace of Monaco(原題)』は、来春に公開した方が興行成績が見込めるという理由で公開が2014年に延期された。

しかし、業界に精通した関係者がハリウッド・レポーター誌に語った話によれば、公開延期の裏にはもっと重要な理由があるという。

「各社が発表した延期の理由は決して嘘ではないでしょう。しかし、もっと重要なのは、今年が近年稀にみる映画の当たり年であり、どのカテゴリーでもノミネートの余地すらないかもしれない状態だということです。例えば、ホアキン・フェニックスは今年は『Her(原題)』の主演男優賞のノミネートの方が有力ですが、それでもロバート・レッドフォード、マシュー・マコノヒー、キウェテル・イジョフォー、トム・ハンクス、ブルース・ダーンなど強敵にはばまれる可能性も大ですし、助演男優賞はマイケル・ファスベンダーなどの強敵がいます。また、主演女優賞も、例年であれば5席中の1席は『プレシャス』(09)のガボレイ・シディベや『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』(12)のクヮヴェンジャネ・ウォレスのような新人女優に可能性が与えられるのですが、今年はサンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、メリル・ストリープ、ジュディ・デンチ、エマ・トンプソン、エイミー・アダムスなど、オスカー女優やノミネート女優などのベテランが5席を争う事態になっており、例年であれば間違いなくノミネートの対象になる『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルコプロスですら、ノミネートが危ぶまれています。マリオンやニコールでも、ノミネートから漏れる可能性は高いのです」

「近年ではオスカーレース直前の秋以降に公開した方が、印象的にもオスカーレースに参戦しやすいという結果も出ているようですが、これだけの秀作がそろった年は珍しく、尻込みして公開を延期するのはある意味当然であり賢明なことかもしれない」と言う。

例年になく激戦になりそうな今年のオスカーレースはいまから楽しみだ!【NY在住/JUNKO】

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