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男性よりも女性のほうが数多く、複雑に悩む -サバイバル時代の“悩み方”講座(1)

■男性よりも女性のほうが数多く、複雑に“悩む”

突然ですが、あなたはいま、悩みを抱えていますか? え、そんな質問ありえない? 確かに、まっとうに生きているのに悩みがないなんて、普通では考えにくいですね。

でも、私が診ている患者さんの中には「私は何も悩んでいない」…こんなことを言う人もいるのです。「悩んでいない」というのは、問題を先送りしていたり、自身の成長の意欲を失って摩擦を避けていたりしているだけで、精神医療では「心が不健康な状態」だと言われています。本人に悪気はないのに、周囲の人を苦しめがちな人も、比較的「悩んでいない」人が多いのです。

例えば、肩書きの立派なおじさんたちの中には自信をもって「人間関係に悩んだことがない」と言う人が、けっこういらっしゃいます。でも、試しに奥さんやお子さんに不満をリストアップしてもらうと、本人が自覚していなかった家族からの“厳しい言葉”が出るわ、出るわ。がく然としている姿を、私はよく目にします。最近、激増している熟年離婚も、このギャップの積み重ねが大きいと言われてますね。

一般的に、女性は男性よりも多く、そして複雑に悩む傾向があります。心の病の代表格である「うつ病」の割合を世界的に見れば、女性の患者さんは、男性の約2倍もいるのです。相対的に「適応力」の高い女性は、ガマンして人に合わせられるぶん、問題を先送りしてしまい、それがボディブローのように心身をむしばみがちなのです。もちろん男性だって悩みますけど、女性に比べると、わかりやすい単純な悩みが多いことは、女性のみなさんもなんとなくお気づきですよね。

では、悩んだときにどうすればいいのでしょうか? 家族や友達に相談する? それとも、相談したって心配させるだけだし、どうせ人ごとだろうから…あくまでも“自力本願”主義で過ごす? スイーツやエステ、アロマなどで気分転換する? 音楽で気持ちを癒す? 困ったときの切り札は占い!? 中には、セラピストや美容師さんのお世話になるという方も。だれかの書いた言葉が心の支えになっているという人も、けっこういらっしゃいますよね。

■ココロを軽くする“コツ”を一緒に考えましょう

人間は、それぞれ個性も違うし、一見同じような悩みでも、ていねいに見れば千差万別です。困っているとき、「そんなの、よくある悩みだよ」と十把ひとからげにわかったような顔をされてもつらいものです。人生に、「必ずこうすればいい」という方程式なんて、あるわけないと私自身思います。それでも、解決に費やす時間を減らし、抱えている苦しみをやわらげる“コツ”は、確実に存在するはずです。

同じ「試練」を成長の糧にできる人もいれば、単なるトラウマで終わってしまう人もいます。ストレス自体はムダじゃないし、適度なストレスは成長のためには不可欠でさえあると、ストレス学の父であるハンス・セリエ博士(1936年に初めて「ストレス学説」を提唱したカナダの生理学者)は言っています。苦労していっぱい悩みつつ、きちんと乗り越えた人と、やっかいなことを避けつづけ他人まかせだった小器用な人とでは、結果としてどちらが人間として魅力的か? どちらが頼りになり、尊敬できるか? 人の助けとなれるのか? 少なくとも私は前者だと思うのです。

ただ、必要以上に悩みすぎると問題はこじれてしまいます。自分自身が燃えつき、せっかくの周囲のサポーティブな気持ちだって萎えかねない。あるいは、「あの子は悩むのが好きだから」という的外れなレッテルを貼られてしまう。そうなれば誰だって、心が屈折し、かわいげがなくなるのです。

そういえば私たちは、家庭でも学校でも、「悩み方」の技術論について系統的に学ぶ機会って、ほとんどないんですよね…。

そんなとき、ふと精神科医の立場で「PEANUTS」(スヌーピー)のマンガを読んでみたところ、「ココロを軽くする」ヒントがたくさんちりばめられている…と思えたのがこの連載を引き受けるきっかけでした。

例えば、個性の強いキャラクターたちを、あそこまで淡々と俯瞰する客観的な“目”、無理めの言いわけにも黙って耳を傾けてくれる仲間たち。この連載では、そんなスヌーピーたちにもたびたび登場してもらいながら、現代精神医学的な背景に基づいて、「正しい悩み方」についてみなさんと一緒に考えていき、少しでも悩んだときの参考になればいいなと思ってます。【シュシュ 3/26発売号 連載「精神科医・最上悠が教える『サバイバル時代の“悩み方”講座』」第1回より抜粋】

文=最上悠(もがみ ゆう)…精神科医。臨床での治療に携わりつつ、メンタルケアをはじめとした精神療法の研究を行なう。著書は「薬を使わずに『うつ』を治す本」ほか多数。

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