『ニセ札』監督のキム兄、現場では“お母さん”? 2/2

才人・木村祐一『ニセ札』を語る
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(1/2ページから続く)監督と倍賞で、現場の雰囲気を作っていった様子が伺えるが?

木村「現場では、倍賞さんがお父さん、僕がお母さんでしたね(笑)。ピクニックのシーン、あそこに出てくる“ショウガの溜まり醤油煮”、あれも僕が作りましたからね」

妙な結束力を深めたニセ札団が、まるで家族のようにピクニックに出かけるシーン。「これならご飯何杯でもいける」という料理は、なんと監督のお手製だった!

板倉「劇中で使うものじゃなくても、スタッフに振舞うために、木村さんが前日から作った料理がお弁当に出たりするんです」

確かに、“キム兄のいる現場、おいしい料理あり”といったイメージがあるが、今回は映画の中にも、そんな木村流が取り入れられたようだ。

また木村流を感じるといえば、映画全体に流れるそのテンポの良さだ。

「ダラダラはね、イヤだったんです。でも、急ぐのではなくて、生活の中継をしているような、ライブ感を出したかった。無駄と思えるものは削るっていう意味では、コントの経験が生きたかもしれないですね。あと、何もかも説明するんじゃなくて、スピーディーな中にも想像してもらう部分をたくさん残したかった。なんでもね、描きすぎると想像することがなくなるから、おもしろくなくなるんじゃないかと。観た人がワイワイと、コイツはこんなヤツだとか、愛情を持って観てもらえたらうれしいです」

最後に、映画監督をまたやりたいか尋ねてみた。

「やりたいですね。映画監督っていうのは、めっちゃ幸せな職業やと思います。職業っていうのがもったいないくらい。色んな喜びを与えてくれました」

インタビュー後には完成披露試写会が行われたこの日。「緊張しますよ。授業参観日みたい」と照れ笑いしていた木村監督だが、観客の前に登場した監督の目には、うっすらと涙が光っていた。

本作を、料理に例えると“いい素材をグツグツ煮込んだビーフ・シチュー”と語った監督。愛情たっぷり、キム兄お手製の一品を、ぜひ劇場でご賞味あれ。【ライター 成田おり枝】

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