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アラフォー世代の元気が出るしあわせ探し『いとしい人』―No.5 大人の上質シネマ

初監督を務めたベテラン女優ヘレン・ハントもアラフォー
  • 初監督を務めたベテラン女優ヘレン・ハントもアラフォー

アラフォーがなにかと騒がれるいま、39歳の女性を主人公にした『いとしい人』はまさにタイムリー。恋愛や結婚、妊娠など、あらゆる岐路に立たされた“ガケっぷち”のヒロインがしあわせを探し求めるストーリーは、10代、20代のそれとはちょっと違う。初監督を務めたアラフォーのヘレン・ハントは、自ら演じた妙齢のヒロインに“したたかでもいいじゃない”と幸福論を提示する。

主人公のエイプリルは、人生半ばにして、いまだ未来予想図が定まらない。出産適齢期に焦る彼女に、苦難が次から次へと襲いかかる。結婚わずか10か月目の夫からは別れを告げられ、その翌日に義母が死亡。さらには、「私が本当の母親よ。仲良くしましょう」と実母を名乗る女性が出現し、もう笑うしかない驚きと不幸のオンパレード! それでも決してめげないエイプリルは、しあわせを探し続ける。なにしろ夫と別れて9時間後には、もう新たな恋の予感に夢中なのだから、あっぱれと言うほかない。

恋愛に仕事、肉体的な面においても、選択肢がどんどんせばめられていくアラフォー世代にとって、目の前にあるチャンス(=新たな恋)は、いわば“タナからぼたモチ”。それを掴もうとする彼女の姿は、かっこいいとはいえないかもしれない。けれども、悩んだり傷ついたりしながら、それでも前へ進もうともがいていく等身大さに、やがてエールを送りたくなってくるのだ。

さらにエイプリルといっしょに、自分のしあわせを探し続けるのが男性キャラクターたちだ。元夫ベンは、エイプリルを捨てただけでなく、仕事も社会的な責任もすべて投げうったダメ男。そして、新たに恋に落ちる作家のフランクは、女房に逃げられて子育てに奮闘中というくたびれ具合。もちろん、アラフォー世代がすべてそうと言っているわけではないけれど、自分が思い描いていた40代になれる人は、どのぐらいいるのだろうか? 理想と現実のギャップをシニカルに描きながらも、たっぷりの愛情を不器用に持て余している同世代の姿をあたたかに見つめるヘレン・ハントの視点が心地いい。

人生の酸いと甘いを、それなりに経験してきた登場人物たちのしあわせ探しは、夢物語ではなくて現実的なもの。苦難の連続をくぐりぬけたエイプリルが、自分にとってのしあわせを見つけようと前に進んでいく姿に、元気がわいてくる。これぞ“アラフォー”の底力! そう、大人だからこそ共感できる映画なのだ。【ワークス・エム・ブロス】

■『いとしい人』は3月28日(土)恵比寿ガーデンシネマ、4月11日(土)角川シネマ新宿ほかにてロードショー

【大人の上質シネマ】大人な2人が一緒に映画を観に行くことを前提に、見ごたえのある作品を厳選して紹介します。若い子がワーキャー観る映画はちょっと置いておいて、分別のある大人ならではの映画的愉しみを追求。メジャー系話題作のみならず、埋もれがちな傑作・秀作を取り上げますのでお楽しみに。

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