野島伸司 新刊『スヌスムムリクの恋人』

野島伸司氏
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―ことし1月〜3月に放送され話題を呼んだドラマ「薔薇のない花屋」から数か月。今度は小説で“野島ワールド”が展開されることに。今作が4冊目の小説ということですが…。

「基本的に『ドラマで実写化できなかったものを書きたい』と思ったのが、小説を書き始めたきっかけ。あらかじめ、何も決められていないところで書くのは楽しいですね。ネタに興味がなくなると飽きてしまうのですが、今回は最後まで楽しくて、2か月くらいで書き上げました」

―構想のきっかけを教えてください。

「特にテーマは決めずに、とにかく楽しんで書こうと思っていました。そうだなあ…、例えば男性に『すごくきれいな男性と不細工な女性がいたら、どちらとつきあえるか?』って質問をするとしますよね。それはある意味、究極の選択。きっかけでもないですけど、書いているうちに『男性を女性のように見られるのか?』と考えてはいました」

―『性同一性障害』について書かれていますが、とても読みやすいですね。

「主人公・直紀の目線で、幼馴染み・ノノを追っているので、あまり特別な感じに見えないのかもしれませんね。子どもの頃から、彼はノノに女の子の心があると知っていたので。思春期くらいで突然告白されたら、違和感があるかもしれません」

―清人、哲也、直紀、望(ノノ)の関係性がうらやましいです。

「まだ本当に幼い頃、他の3人がノノを女の子だと思っていたこともあって『守ってあげなきゃ』というナイト願望がそのまま残っている。一番いい加減なナイトを主人公にしていますが(笑)。自分の性格はかなり直紀に近いです。すごくいい加減で八方美人なところとか」

―今作を振り返っていかがでしたか?

「最後まで書いていて楽しかったです。自分のなかで『ノノがかわいい』と感情移入していましたので。もしドラマ化するとしたら、ノノの役はボーイッシュな女の子ではなくて、本当に女の子に見える男の子にしたい。ここのキャスティングは画的にも一番悩んでしまうところかも(笑)」

―野島さんの作品の特徴でもある「愛」は、本作でもしっかり描かれていますね。

「永遠の愛ってあるのでしょうか。年齢によって考え方もずいぶん変わりましたね。若いときはストイックに考えていたけれど、年を重ねて楽観的になりました(笑)。最近は『愛よりも相性が大事かもしれない』とも思いますけどね」

【ライター/峰尾亜希子】

『スヌスムムリクの恋人』野島伸司(小学館・1575円)
親同士の縁で、生まれた時からずっと一緒だった4人の男の子。そのなかのひとり野坂望(ノノ)は、自分のこころが女の子であることに気づき…

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