木皿泉と堀北真希が「野ブタ。」以来の注目タッグ!「おやじの背中」第5話「ドブコ」

堀北真希と遠藤憲一が娘と父を演じる。遠藤は悪役専門役者の役で、当たり役は「ドブネズミ」という設定
  • 堀北真希と遠藤憲一が娘と父を演じる。遠藤は悪役専門役者の役で、当たり役は「ドブネズミ」という設定

10組の脚本家が週替わりで執筆する「おやじの背中」(毎週日曜夜9.00、TBS系)。8月10日放送の第5話「ドブコ」は、木皿泉脚本、遠藤憲一と堀北真希が親子役で共演する。木皿は堀北の出世作として知られる名作「野ブタ。をプロデュース」('05年日本テレビ系)を執筆。久々の注目タッグのみどころを、木皿のこれまでの作品から掘り下げてみよう。

木皿泉は夫婦で共同執筆する、男女二人組の脚本家。「やっぱり猫が好き」('88~'91年フジ系)の執筆を機にコンビを組み、'03年、「すいか」(日本テレビ系)で連続ドラマに進出。小さな下宿を舞台に、女たちの平凡かついとおしい日常をつづった「すいか」は視聴率こそ振るわなかったものの、ドラマ好きの間でじわじわと人気を博し、以降、唯一無二の味わいを持つ「木皿ワールド」の熱烈なファンを生み出す伝説的な作品となる。その後は亀梨和也と山下智久が共演した「野ブタ。をプロデュース」('05年)が大ヒット、一気に幅広く知られる存在に。松山ケンイチと大後寿々花の「セクシーボイスアンドロボ」('07年)、佐藤健演じる高校生がロボットに恋をする「Q10 」('10年)と、日本テレビ・河野英裕プロデューサーとのタッグで、寡作ながらも心に沁みる佳編を生みだしてきた。

木皿作品の魅力は、ありふれた日常を描きながら、普段は忘れているその大切さやはかなさをあぶり出す点にあるだろう。

今回の「ドブコ」は、堀北演じる警察のドブコこと三冬が主人公。幼なじみで同僚のマサル(溝端淳平)が結婚することになり、フィアンセの静香(谷村美月)の希望で、マサルから友人関係の解消を突然言い渡される。三冬の父で悪役専門役者の正(遠藤)がもの申そうとマサルを呼び出して…というストーリー。そんな中、正が倒れ、三冬は、変わらないものなど何もないということを知っていく。

これまでの木皿作品で繰り返し語られてきた、「ずっと続くと思っていたものの終わり」が本作でも描かれる。今までの関係ではいられなくなるマサル、死んでしまうかも知れない父。ドブコが2人と向き合っていく様子はしみじみと胸を打つ。絶妙なユーモアをにじませる堀北と遠藤の演技にも注目だ。

著書「ゼロ年代の想像力」(早川書房)で木皿を論じた宇野常寛をはじめ、多くの評論家が木皿の描くテーマ、独特の死生観に注目している。木皿は戯曲やアニメ脚本にも進出し、この10月からは、自身初の小説を原作に脚本を手掛ける「昨夜のカレー、明日のパン」がNHK BSプレミアムでスタート。夫を亡くしたテツコと、夫の父親であるギフ(義父)の2人暮らしを描く。義理の父娘という微妙な距離感の中で、テツコは、生前の夫と縁のあった人々と触れ合いながら、愛する人を亡くした悲しみを少しずつ癒やしていく。人生の真理を突く、木皿らしいせりふが満載の予感の本作。NHKの連続ドラマは初ということで、きめ細やかな演出にも期待したい。

生きていくことの切なさを描きながら、観終わると少しポジティブになれる木皿ドラマ。この夏から秋、木皿ブームがさらに盛り上がりそうだ。

「おやじの背中」第5話「ドブコ」
8月10日(日)夜9.00- TBS系
脚本=木皿泉
出演=堀北真希、遠藤憲一、溝端淳平、谷村美月、薬師丸ひろ子

プレミアムドラマ「昨夜のカレー、明日のパン」
2014年10月スタート 毎週日曜夜10.00- NHK BSプレミアム
原作・脚本=木皿泉

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