短水路で北島康介の記録を塗り替えた新星! 立石諒選手インタビュー(1)【本誌連載の拡大版】

藤沢市出身の19歳! 慶応大学に在学中です
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――2月に行われた短水路(長さ25mのプール)の日本選手権で、平泳ぎの第一人者・北島康介選手の持つ日本記録を100m、200mの2種目で更新。一躍、「北島超え」と脚光を浴びました。

「まだまだです。自信にはつながりましたけど、これで北島さんを抜いたことにはなりません。平泳ぎのレベルは毎年かなりの勢いで上がっていますし、僕自身、まだまだ身体的な部分ではウエートトレーニングの量が足りませんし、精神面な部分でも問題があって大舞台のここぞという場面でなかなかいいタイムを出せない。そういうところからしっかりやっていかないと、北島さんを抜くことはできないと思っています」

――となると、照準を据えるのは長水路(長さ50mのプール)でのレース。4/16(木)からは国内最大の大会、長水路で行われる日本選手権が静岡県浜松市で始まります。

「まずは世界選手権(7月/ローマ)の日本代表に入ることが第一の目標です。記録の面では自己ベストを更新したい。いまは100mが1分00秒75、200mが2分10秒33なんですけど、100mは59秒台を、200mでは2分9秒の前半から2分8秒の後半を狙っていこうと考えています」

――長水路の日本記録保持者、というか世界記録保持者も北島選手です。100mが58秒91、200mが2分7秒51というタイムなんですけど。

「それはちょっと厳しいですね(苦笑)。まだ全然イメージが沸きません。最終的には2012年のロンドン五輪で北島さんの記録を超えられたら、と思っています」

――五輪といえば、北京の代表選考会だった昨年4月の日本選手権200mでは、2位の末永雄太選手とわずか0秒16差の3位で代表の座を逃しました。その後、一時的に水泳を離れたとうかがっています。

「感触はすごくよかったんですよ。2位に入れたと思ったんですけど、僕の見えないところから末永さんに先行されてしまって。水泳から離れたというわけではないんですけど、何て言うんですか…ホントに求めていた大会に出られなくなったことで気持ちが入らない時期があったので、リフレッシュを兼ねて軽い練習にしたり…」

――新聞紙上では、水泳から離れていた時期に「遊びすぎちゃいました」というコメントも拝見したんですけど。

「遊んだという言葉は使っていないんですけどね(笑)。遊んだというか、友達と一緒に過ごしていたということを話したんですけど、(記者の)皆さんはそういうのが好きみたいで(笑)。北京五輪はもちろんテレビで見ました。北島さんの優勝には素直に感動しました。僕ももう一回やらなきゃ、という気持ちになりましたね。そして、10月か11月ぐらいから本格的にトレーニングを再開しました。ホントはオフ明けには量を重視して泳ぐんですけど、今回は休んで…休んでいたというわけではないんですけど、少し抜いていたこともあって量を泳ぐのはちょっと不可能だったので、とにかく質を高めて、集中して泳ぎました」

――その成果として、短水路での日本記録更新があったと。

「100mはちょっと日本新記録が出るか不安な部分があったんですけど、200mは日本新記録を出したいなという気持ちはありました。ただ、僕自身、2分3秒台が出るとは思いませんでした。自分でもびっくりしました。僕は2007年の世界選手権に出ていますけど、あのころはまだ予選の時点から全力を出し切ることができなかったので決勝に進むことができませんでした。最近はようやく予選から力を出せるようになってきているので、今回の日本選手権でも予選、決勝ともにしっかり泳げるような状態に仕上げていきたいですね」

――北島選手の話ばかりで恐縮ですが、その短水路日本選手権が開幕する2日前に北島選手本人から連絡があったとか。

「はい、電話をもらいました。僕が水泳から離れていたという話をマスコミの方々や僕の先輩から聞いたらしくて、心配してかけてきてくれたんです。もちろん、『頑張っています』と返事をしました」

――記録に挑戦させていただきます、とは。

「そんなことは言いませんよ(笑)。でも、100mで日本記録を更新した後は『いい結果が出ました』とメールを送りました。詳しいことはあまり言えませんけど、もちろん返事ももらいました。『明日(200m)も期待している、あせらないで頑張れ』と」

――長水路での目標タイムをクリアして初めて北島選手の背中が見えてくると。

「少し近づけるかな、というぐらいですね。でも、ホントに(北島さんの存在は)支えになります。北島さんは2大会連続で五輪2冠を達成して、加えて世界新記録も出しているので、追い抜くには僕も3年後のロンドン五輪で金メダルを獲って世界新を出すしかありません。ただ、3年といってもアッという間に過ぎてしまうので、一日一日を大切にしていかないと、ですよね」

◆プロフィール
たていし・りょう 1989年6月12日、藤沢市生まれ。2月に北島康介の持つ100mと200mの短水路日本記録を更新した平泳ぎの期待の星。1m82、68kg

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