相模原にアメフトのクラブチーム誕生! 石井光暢選手インタビュー(2)

高校ではバスケット部に所属。屋外のアメフト部をうらやましく思っていたそう
  • 高校ではバスケット部に所属。屋外のアメフト部をうらやましく思っていたそう

――初年度の活動に必要な資金は約2000万円ともいわれていますが。

「活動資金は僕らが自腹を切って持ち寄った部分と、あとはホントにアクシデントに近い形での解散だったので、全国のファンの方々から寄付の申し出をたくさんいただいて…初年度は何とかめどがつきました。チームの代表は流れの上というか、ここまで来てあとは無責任に誰かにバトンを渡すわけにもいかないので、僕がやりますと。チームの運営はNPO法人が行いますが、現在は申請準備中で8月中には法人格を取得できると思います。その事務局長に就任して唯一の有給者となる人間を、この2月から約1か月間、バスケットボールのbjリーグ・アルビレックス新潟に出向させて地域に密着したチームの運営方法を学ばせました。オンワードオークスで分析を担当していたスタッフでしたが、彼も今回の一件を機にそれまで務めていた会社を退社し、チームの再建に携わりたいと言ってくれて。荒川健次郎、28歳。ホント、熱い志を持った男です。キャプテンの伊倉良太もオンワードを退社し、この3月から僕の会社の社員になりました」

――石井さん自身も、38歳の現役最年長選手としての顔も持つ熱い男です。リーグに解散届けを提出した関係で規約上、「相模原ライズ」はXリーグ関東地区の3部からのスタートとなり、1部復帰まで最低でも2年かかりますが。

「みんなを無理やり引っ張った手前、やめるわけにはいきません。もう一回、日本一になるまでは絶対にやめません。3部からのスタートとなったので、40歳までは現役をやらないと(笑)」

――新チームの代表と現役選手と企業の経営者のいわば「三足のわらじ」。充実感が伝わってきます。

「楽しい、と言うのは適当じゃないですね。何て言えばいいんだろう…アメフト界では初めての試みでしょうし、アマチュアスポーツという括りで見てもあまり例を見ないチャレンジだと思うので。メーンスポンサーをつけないで地域密着でやる形態は、これまでの企業とスポーツの在り方に一石を投じるものだと思っていますし、トップのチームがいきなり地獄じゃないですけど、まさに真下まで落っこちてそこからはい上がる。ホントに未開の領域に足を踏み入れようとしているので、その意味ではチャレンジスピリットというか、男ならここでやらなきゃどうするんだと(笑)。そういう思いですね」

――石井さん自身は小、中、高とバスケットボール部の所属で、アメリカンフットボールは拓殖大学に進まれてからですよね。このスポーツのどこに魅せられたのでしょうか。

「アメリカ人が作ったスポーツだけあって、すごく戦略的で戦術的で、いわば戦争を小さくしたようなゲームなんですね。ただ、その中でもやはりハートのないプレーをすれば自分に跳ね返ってくる。いくら戦略・戦術に長けていてもハートがなければ結果は出ないんです。その中で戦略性と並ぶアメリカンフットボールの最大の魅力といえば、どんな体型、どんな身体能力、どんなタイプの人間でも適したポジションが必ずあるところですね。僕みたいに身長が低く(1m70)て、足が速いだけが取り柄の人間でもできるポジションもあれば、体重が140kgあって足も遅い人間にも適したポジションがある。その意味では、いまの子供たちに多用なスポーツの場を提供するには最も適したスポーツだと思っています」

――で、実際に大学入学後に実行に移したと。

「2年生まではワイドレシーバー(WR)をやっていて、3年から今のランニングバック(RB)に転向しました。前列で相手に当たるオフェンスライン(OL)というポジションの人たちが僕らのために穴を、突き進む道を作ってくれる。それを大切にしてエンドゾーンまでボールを運んで得点に結びつけないといけない。みんなの思いを運ぶという部分ではホント、OLの選手というのは常に縁の下の力持ち的な存在で、彼らがヒーローになって脚光を浴びることってほとんどないんです。その意味ではみんなに支えられて初めて注目されるポジションなんで、仲間に対して感謝の気持ちでいっぱいです」

――相手との激突で脳しんとうをよく起こすポジションですよね。その予防策なのか、首がかなり太いんですけど。

「このぐらい太くないと死んじゃいます(笑)。寝転がって首だけを動かして太くするトレーニングもあるし、練習で毎回のようにガチガチと人と当たっていれば自然と太くなりますよ。毎回ムチウチみたいなものですね(笑)。コンタクトスポーツなのでガチンコで正面衝突した時は怖さもありますけど、それはそれでひとつの快感ですね」

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