市川由衣と池松壮亮、会った初日に激しいラブシーン!

『海を感じる時』で共演した市川由衣と池松壮亮
  • 『海を感じる時』で共演した市川由衣と池松壮亮

「女優人生において転機になるような大事な作品」とキッパリ語った市川由衣。その作品とは、中沢けいの群像新人賞受賞小説の映画化作品『海を感じる時』(9月13日公開)。相手役を務めたのは、『愛の渦』(14)、『ぼくたちの家族』(14)など、話題作を連打している日本映画界の逸材・池松壮亮。2人のパッションがぶつかり合った結果、男と女の一筋ではいかない愛の形が紡ぎ上げられた。市川と池松にインタビューし、体当たりで向き合った撮影のエピソードについて話を聞いた。

『海を感じる時』は、ひとりの少女・恵美子(市川由衣)が、洋(池松壮亮)に恋をし、大人の女へと一皮むけていく過程を精緻な描写で描いた人間ドラマ。当時、現役女子高生が書いたスキャンダラスな文学として話題を呼んだ小説を、荒井晴彦の脚本で『僕は妹に恋をする』(07)の安藤尋監督が映画化した。

市川由衣と池松壮亮は本作が初共演。市川は「はじめましてで、いきなり撮影初日が冒頭の激しいラブシーンでした」と激白した。池松は「いきなり来たか!と思いました。何だか申し訳なかったというか。僕は男なので、脱げと言われたら脱ぎますけど」とやさしい目線で語る。

市川は「初日は緊張している間もなく、そのまま撮影に入りました。現場には監督とカメラマンさんしかいなかったので、すごく静かに撮影していました」と振り返る。しょっぱなから、ハードルが高そうなシーンだが、お互いに情熱を感じ合い、引き出し合ったのだろう。池松は「もちろん、それはあります。市川さんに対しても、安藤さんに対しても。そういうところが大事ですから」とキッパリ。

さらに、この日、市川は病み上がりだったことも発覚。実は彼女、撮影前にインフルエンザでダウンしていたのだ。池松は「インフルエンザがうつったらどうしようかと思いました」と市川を笑いながらいじると「アハハ。ごめん!でも、その時はもう治っていたので」と恐縮顔。池松が「インフルエンザ明けに脱がされて、本当に最悪でしたね」と市川をねぎらうと、彼女も「寒かったです。けっこう鼻水が出たのは覚えています」と笑顔を見せる。池松は「鼻水がうどんみたいに出ていました。面白かったです」と大笑い。その会話のキャッチボールを聞くだけで、2人の信頼関係が十分伝わってくる。

実際、インフルエンザでの休養で、絡みのシーンのリハーサルなどがすべて飛んだそうだ。でも市川は「自分で言うのもなんですが、逆にリハをしないで良かったなと思いました。池松さんもそう言ってくださったのですが、現場で用意ドン!でやれて良かったなと」と納得の様子。池松も「そりゃ、もう結果オーライですよ」と大きくうなずく。

市川由衣は本作について“代表作”になったとも公言している。完成した映画を見た時、彼女は号泣したそうだ。「恥ずかしながら涙が止まらなくなってしまって。そんな感覚は初めてでした。自分が出た映画を見て、泣いたことはなかったので。それが何の涙だったんだろうと改めて思うと、やっぱり自分でもあまり感じないようにしていたプレッシャーから来るものだったのかなと。それなりの覚悟があったから、ほっとしたのかもしれない。こういう役に初めて挑戦し、自分のなかでも少し自信になったかなとは思います」。

池松も本作のことが「個人的にすごく好きな作品です」と充実感あふれる表情で言う。「決して10人に見せて10人に届く映画ではないのかもしれないけど、もはやそういうところを目指してはなくて。個人の抱えている孤独、つまり男の孤独や女の孤独がきっと届くはずだと信じてやりました」。

『海を感じる時』を見れば、市川由衣の言う“覚悟”の重みがひしひしと伝わってくる。きっと本作は、彼女の女優としての分岐点の1本になるだろう。それを見事にお膳立てし、彼女とコラボレートした池松壮亮の俳優としての力強さも改めて実感。しかと劇場で向き合いたい1本である。【取材・文/山崎伸子】

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