「花宵道中」のテーマ曲を歌う異色のユニット・黒色すみれに直撃!後編

この秋にデビュー10周年を迎える黒色すみれが新アルバム『Cosmopolitan』をリリース!
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女性2人組ユニット・黒色すみれ(ゆか、さち)へのインタビュー後編。

――今後、こんなアーティストになりたい、など目標があれば教えてください。

さち:マイケル・ジャクソンみたいに世界中の人が黒色すみれを知ってくれるようなアーティストになりたいです。夢は大きく持ちたいな(笑)。真面目な話、(「花宵道中」が)モントリオール国際映画祭に招待された作品なので、外国の方の目に留まることも多かったと思うんですよ。江戸時代や花魁の文化って日本独特の世界。親交のあるティム・バートン監督は花魁の世界や江戸時代のきらびやかな世界に引かれていると言っていたので、そういう日本映画がもっと外国の方に認知されればいいな、そして私たちも同じように皆さんに愛されたらいいな、と思っています。

ゆか:映画やアニメーションは外国に出ていきやすいものだと思うんですよ。私たちはライブ活動がメーンですが、舞台であったり、映画であったり、アニメーションであったり…数打ちゃ当たるの精神で頑張ります(笑)。私たちの場合、早い段階で海外進出しているので、あまり日本と海外の垣根を感じていないということもあります。ファッションは年ごとに違う部分もあるでしょうけど、言葉が通じないから分からない、ということはないと思うんですよ。私たちがフランスやアメリカの曲を聴いていいなと思っているのと一緒で、向こうの方もいいなと思ってくれている、というのが早い段階で分かったので。言葉の壁はあるだろうけど、あまり考えなくてもいいんじゃないかなと思いました。アルバムのタイトル『Cosmopolitan』にはノンジャンルとか、国際人とか、人類に垣根はないという意味があるんです。だから、いろんなジャンルが詰め込まれています。

――確かに本作ではいろんなジャンルの方とコラボしていますね。

ゆか:10周年ということもあって、ゲストの方をたくさんお呼びしました。「水曜どうでしょう」(HTB)のディレクターさんとか。ひょんなことから知り合って、番組フェスにも呼んでいただいて、かわいがってもらっています。私たちがその番組の大ファンで、お会いするに当たってコラボレーション曲を勝手に書いていったんです。その曲を(フェスで)演奏したら番組のファンも喜んでくれて、私たちのような風貌でこの番組をイメージした曲を歌うというギャップが良かったのかも。それから「黒色すみれって面白いね」って言っていただくようになりました。「夢のアカプルコ」という曲がコラボ曲になっているんですが、その後スタッフさんたちとご飯を食べに行った時に、「また書きます!」と口約束をしてしまって…(笑)。本当に書いたら「俺たちも何か協力する」と言ってくれて、スタッフさんがしゃべりで参加してくれています(笑)。ちなみに“アカプルコ”は番組で大泉洋さんが行きたがっているのに、結局行かせてもらえない夢の場所。だから番組ファンにとっては“アカプルコ=大泉洋さん”というイメージがあって、たまらない曲になっているのかなと思います。「水曜どうでしょう」を見たことがない人にとってはただの南国のラブソングっぽい曲ですが(笑)。他にも、BACK-TICKのギタリスト・今井寿さんが2曲参加してくれていますが、BACK-TICKではやらないことをしていただきました。普段はコーラスしかやらないのに、メーンボーカルをお願いしています(笑)。個人的に彼の声が好きで、声質に合いそうな曲を歌ってもらっています。自分のアルバムで男性とデュエットした経験はなかったので、新しい試みとしていいなと思いました。

――アルバムを作るときに心掛けたことは?

ゆか:今回のアルバムは、今までのように特定の人に好かれる曲(狭い範囲で聴いてもらう曲)というよりはもうちょっと広がりのある曲が多いですね、って言ってくれた方がいて…。「全曲タイアップを狙っていますから!」と返しました。もちろん今までのようにアングラっぽい曲調のものもあるんですが、1曲だけでボサノバとかロックとか…ジャンルをつけられる感じというか、そういうふうに作ってきました。

さち:去年からことしにかけてライブに出る機会がめちゃくちゃ多くて、2人で車を運転してどこまでも行ってしまうんですね。5日間連続とかもあって、体力的にはしんどかったですが、各地で待っていてくれる人がいるのはとてもうれしいです。

ゆか:演奏する曲は半分くらい同じ曲だったりするんですが、前までは手拍子が起こらなくても「じゃあ、次の曲に行こうか」みたいな、完全に見る側と聴く側が分かれているようなライブをしていました。それはそれで緊張感があって良かったんですが、日本全国をツアーで回ったり、ライブが多くなったりしてから、お客さんと一緒にやることが楽しい、心地良いと感じるようになりました。特にこの数年はそうですね。なので、お客さんと一緒にノレることを意識して書いた曲もあります。

――少し抽象的な質問になりますが、お2人にとって音楽とは何でしょう?

さち:大学生の頃にそれを真面目に考えていたことがありましたが、そのときは結局答えが見つかりませんでした。音楽は触れないし、目に見えないし、香りとかそういうのもしない。だからこそ直に伝わってくるものだなと今は思います。耳で聴いて心で感じて、楽しい気持ちや切ない気持ち、苦しい気持ちもいろんな気持ちが伝わってきますよね。演奏するときに曲に込めた思いや気持ちがどう伝えていったら伝わるのかなと。そして、漠然としてしまうんですが、お客さんの反応を受けて、自分はどうしていきたいのかなと考えています。発信していく側としては、常に何かを伝えていきたいと思っていて、心に残ってくれたり、残らなかったとしても少しでも衝撃を与えられるような音楽を作る音楽家になりたいです。

ゆか:お客さんに楽しんでもらうためには、自分がお客さんとしても楽しめないといけない。(音楽は)ギブ・アンド・テークだと思うんです。芸術は全部そうかもしれないですけど、一言で言うと“キャッチボール”。他のアーティストのライブに行くと、私たちよりうまい人はたくさんいるけど、響いてくるものとこないものがあるんですよ。その違いはたぶん、聴いてくれる人のハートにちゃんと投げているか、ってことですよね。もちろん(技術向上のために)努力することは大切ですが、ファンの気持ちを受け取ってこちらもライブとして還元していく。そういう心のキャッチボールが大事じゃないかなと思います。

さち:そうですね。だからこそ、音楽はずっと続けていきたいです。

アルバム『Cosmopolitan』
発売中
3780円(税込)

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