大沢たかおインタビュー(1)[動画あり・09年4月]

屋上での撮影で「気持ちいいですね〜」
  • 屋上での撮影で「気持ちいいですね〜」

1994年のデビュー以来、映画を中心にTVドラマや舞台で活躍してきた大沢さん。ことしも岩井俊二プロデュース「ハルフウェイ」に続き、5/1(金)公開の「GOEMON」出演と映画づいている。「GOEMON」は、織田信長の暗殺犯が実は豊臣秀吉だったというオリジナルストーリーを、同時代の“大泥棒”石川五右衛門(江口洋介)を軸に描く時代劇。とはいえ、目に飛び込んでくるのは洗練映像で知られる紀里谷和明監督ならではの、日本ではないような、未来のような世界。演じた伝説の忍者・霧隠才蔵の話から、俳優としての最近の心情までを聞きました。

―「GOEMON」は、フルCGの凝りに凝った映像で実にファッショナブル、かつ迫力がありました。撮影方法もユニークだったそうですが。

「最初は驚きました。なにしろ、撮影現場に入る前にDVDを渡されたんですがそれが、2時間強の絵コンテにスタッフが入れたセリフの声、音楽、実際の現場で使うだろう美術さんの絵まで全部入っている、かなり完成されたものだったんです。それを2時間見て、『この通りに仕上げるのはタイヘンだろうなぁ』と思ってたから、完成した映像を見て、むしろよく頑張ったなと思いましたね」

―大沢さんは、台本もない状態でライブ感で撮影を進めていくような作品も経験されていますが、緻密な絵コンテに俳優の表情まで細かく描かれているような紀里谷監督の撮影方法に、苦労はなかったんでしょうか。

「岩井(俊二)さんも、(香港の)スタンリー・クワンもライブ感で撮るタイプですもんね。もう、正反対です。ただ、そうはいっても今回は言うほど細かくはなくて…。そもそも、映画のテーマそのものに共感していたので、やりやすかった。紀里谷さんって、あまり語らないタイプなんですが、台本を読んだだけで彼のやりたいことや伝えたいことがよくわかったんです。自分がふだん心の中で感じてることと重なる部分も多かったので、『こういうことですよね』って確認作業だけして、『100%そうです。そのためにこの作品を作ったんです』って、それでもう終わり。あっという間だったから、来たお茶も飲まずに帰ったくらいで(笑)」

―才蔵という役も、映画全体も、いまの世や、いまを生きる人たちに対するメッセージに満ちている。

「そうなんです。ビジュアルの映画といいながら、実は非常にメッセージ性の強い作品で、しかも実に明快に打ち出している。登場人物もそれぞれメッセージを背負ってわかりやすいし、セリフでもはっきり表現している。例えば最後に才蔵が叫ぶ言葉もそうなんですが、時代劇ではあるんだけど、起きてる出来事は、実はいまと大差ない。…世の中って実は、あまり変わっていないんですね。結局、苦しんでるのはみんなで、上の人たちは勝手なことしてる。でも、だれかが声をあげないと、ホントにだめになっちゃうよ、苦しむのは自分たちじゃんっていうのは、僕がふだんから思っていることで、紀里谷さんも思っていることで。例えば、ハリウッドと比較して『日本映画ってキツいよね』とか言う人多いですけど、もうやめようよ、だったら何かアクションを起こそうよ、と。映画界も、世の中も同じで、もう、行動を起こさずに耐えて不満を言っているだけでは生きていけない時代なんじゃないの?って僕は思っていて、台本から感じ取ったのもまさにそういうことだったんです」

―市井の人の“意識改革”ということ。

「僕の役のテーマも、作品の一番の核も、『どう生きるか』ってことだと思うんです。時代とか、いろんな状況に、自分はどう対処して生きるか。映画の中では、いろんなキャラクターが、いろんな生き方をしている。見る人はそのなかの誰かに、自分を投影できると思います」

(第2回に続く)【シュシュ編集部/滝本志野】

キーワード

[PR] おすすめ情報